タブレット、スマートウォッチでアップルが一人勝ちの驚異

3万4800円からの新iPadは、良く売れること間違いなしだ

 10月にApple Watch Series5と第7世代のiPadが発売された。どちらも、順当に進化した製品で、目新しい機能はさほどないが、市場の評価はかなり高く、良く売れているようだ。

 スマホでは、時期によってiPhoneのシェアが減ってることが話題になるが、スマートウォッチとタブレットは最強で、もはや敵なしといった状況だ。サムスンも10月にスマートウォッチをリリースしたが、ほとんど話題にすらなっていない。実際に、Apple Watch以外のスマートウォッチを見かける割合はかなり少なく、10分の1もないと感じる。IDCの調査によると、日本ではウェアラブルデバイスの中でのシェアが5割を超えている。同様に、iPadのシェアも6割を超えて(BCNランキング)おり、どちらも最強の様相だ。

 しかし、なぜここまでアップルのデバイスが強いのだろうか。

閉じた世界だから強い

 iPadを使っていると、他のタブレットに浮気したくなくなるのは、なんと言ってもアプリの存在が大きい。秀逸な対応アプリが数多く、プロのイラストレーターが好んで使うものも少なくない。手書きアプリからゲームまで、非常に快適に使えるアプリが揃っている。

 アプリの開発メーカーに話を聞くと、「iOSは対応が楽だ」という。対応機種が限られるので、検証が少なくて済む。特に、「書き味」が求められる手書きアプリにとっては、iPad+Apple Pencilの組み合わせに特化できるので、非常に作りやすい。

 Windowsにも手書きができる2in1パソコンは数多いが、書き味はバラバラだ。さまざまなパソコンとペンに合わせてアプリをチューニングするのは至難の業で、製造メーカーが多いことが裏目に出ているのだ。Androidタブレットも同様で、メーカーによってデバイスが異なるために、アプリ開発者は対応をしたがらないのが実情だ。

 アップルは、スマホやタブレットというタッチ対応のOSと、マウスで利用するMacOSを分けているのもミソだ。Windowsは1つのOSで両対応を目指しているが、Excelでさえタッチ操作では快適に使えない。手書きやタッチ操作とマウスでの利用ができるアプリの開発をしたがるメーカーは少ない。今後、ますますiPad向けの秀逸なアプリは数を増やすはずで、その牙城を崩すのは難しそうだ。

iPad miniも手書きに対応している。※写真はすべて著者撮影
iPad miniも手書きに対応している。※写真はすべて著者撮影

Apple Watchのシェアはまさに驚異だ

 冒頭でも書いた、Apple Watchのシェアが5割を超えるのは驚異的としかいいようがない。なにしろ、Apple Watchは、iPhoneと組み合わせてしか使えないのだ。つまり、Androidスマートフォンのユーザーは利用できないにもかかわらず、5割を超えるシェアとは驚くばかり。実際に装着している人も多く見かける。

 こちらも、アップル内の閉じた世界だから強みを発揮していると予測する。僕自身、Google製のWear OSを搭載したスマートウォッチを所有している。Apple Watchと比べても、基本的な機能は大差ないのだが、使い勝手はずいぶん違う。どうにもソフトウェアの完成度が劣っているように思えてならない。しかも、デバイスによって機能がばらばらで、よほど知識のある人や、同じスマートウォッチを買い続けている人以外、選択すらしづらいのが実情だ。なんだかわからないスマートウォッチ vs Apple Watchという構図になっていて、このシェアを覆すのはそうとう難しそうだ。もちろん、フィットネストラッカーはかなり売れているが、時計とは別物と考えるべきだろう。

Apple Watch Series 5がこの秋新登場した
Apple Watch Series 5がこの秋新登場した

 パソコン、スマホ、タブレット、スマートウォッチすべてで、一定のシェアを持っているのはアップルだけだ。iPhoneは、先進的な目玉機能がないと言われて数世代経つが、お構いなしに売れている。アップルが構築した強力なエコシステムから、逃れられないユーザーも相当数いそうだ。さらに、今後、ますますその数が増えるはずだ。