充電器が圧倒的に小型化される「GaN」ってなんだ?

GaNを採用した小型充電器が続々登場中! 価格もサイズも魅力的だ

「パソコンの充電器を持ち歩くのは重いしかさばるので苦痛だ」と、思っていた方に朗報! いま、充電器の世界が大きく様変わりしようとしているのをご存じだろうか?

 今回は、GaNという新しい素材を使った充電器の小型化について、5分で理解できるように説明していこう。

 本題とは外れるのだが、パソコンやスマホから、小型家電まで、さまざまな製品の充電器が統一されようとしている。USB Type-C(USB-C)端子を採用する製品が増え、充電の規格として、USB PowerDelivery(USB PD)がいよいよ普及を始めてきた。

 つまり、パソコンやスマホ、デジカメ、イヤホンなどが同じ充電器で使えてしまうわけだ。これまでは製品ごとに専用の充電器があったので、資源とおサイフに大きなムダが発生していたわけだが、そんな状況も終わろうとしている。

左はパソコン(Let's Note)の充電器。右上が45W、下が30WのそれぞれGaN採用充電器で、どちらも大変にコンパクトだ
左はパソコン(Let's Note)の充電器。右上が45W、下が30WのそれぞれGaN採用充電器で、どちらも大変にコンパクトだ

 そこをビジネスチャンスと捉えているのが周辺機器メーカーだ。「世の中の99%の充電器に対応するのが目標です」(アンカー・ジャパン 執行役員の猿渡歩氏)

 さまざまな周辺機器メーカーから、低価格の充電器が発売され始めている。最初はスマホやタブレット向けの充電器が主流だったが、今やパソコンに使えるものも増えてきた。

小型化が最大のポイント

 ここが商機なので、周辺機器メーカーとしては、より付加価値のある魅力的な充電器を提供したいわけだ。充電器は、出力が大きくなるほどサイズも大きくなる。スマホの充電器よりパソコンの充電器が大きいので、そこはなんとなく誰もがわかっているだろう。もっと小さくなれば、気軽に持ち歩ける。

 そこで注目されているのが、半導体のシリコーンに代わって、窒化ガリウム(GaN)を使った充電器だ。これから注目のキーワードになることは間違いなく、要は、新しい素材を使った充電器の登場ということだ。

 GaNは、すでに企業向け、産業向けとしては使われている半導体だ。

「シリコーンに比べると、発熱量が小さくなります。そのために、放熱の機構などが減り、充電器が小さくできます。さらに、発熱が少ないので安全性も向上します」(猿渡氏)

 いいことずくめのGaNだが、課題は素材としての価格が高いことだ。それでも、同じ出力でGaNを使わないやや大ぶりな市販の充電器より、1.5倍程度の価格に収まっていることが多いし、純正の充電器よりは大いに安い。

 例えば、Macの純正充電器(61W)と比べてみよう。

・Apple純正充電器61W 6800円

約75×75×30ミリ(定規による計測)、209グラム(キッチンスケールの計測)

・Anker PowerPort Atom III 60W 3999円

約61×58×28ミリ 132グラム

・RAVPower 61W USB-C急速充電器 4599円

約49×49×32ミリ 118グラム

上がApple純正、左がAnker、右がRAVPower製だ
上がApple純正、左がAnker、右がRAVPower製だ

 上から順に、メーカーは、Apple純正、Anker製、RAVPower製だ。GaNを採用した2製品はどちらも、純正より安価でコンパクト。重量は、なんと4割程度も軽いので、持ち歩きも楽だ。ケーブルは好みの長さを別途購入すれば良いので、荷物が最適化できる。

 価格の高さも「今後、GaN採用の充電器が普及してくれば、値下がりしていくはずです」(猿渡氏)とのこと。

 安全性が気になるところだが、Ankerの製品はAppleStoreでも販売されているので心配ないはず。ただし、「ケーブルを含めて、純正もしくはAnker製品を使って欲しい」(猿渡氏)とのこと。

 充電器が荷物になって負担だと思っている方、なくしたり壊したりして購入を考えている方は、「GaN」というキーワードを頭に入れておくとよいだろう。