人生において「成功者」と呼ばれる人々が、共通に持つ資質や能力とは、何か。

 この興味深い問いに対して、一つの示唆を与えてくれる調査結果がある。

 それは、これらの成功者が書いた数多くの自叙伝や回想録を集め、その中で、最も良く出てくる言葉、最も良く使われる言葉を分析した調査である。

 しかし、その結果は、意外なものであった。

 最も良く使われていた言葉は、「努力」や「信念」といった言葉ではなかった。

 最も頻繁に使われていた言葉は、

 「たまたま」

 「ちょうどそのとき」

 「ふとしたことから」

といった、「偶然の出来事」によって人生が導かれたことを語る言葉であった。

 この話を聞くと、多くの人々は、素朴に、こう感じるのではないか。

 成功者は、運が強い。

 しかし、この調査結果を深く見つめるならば、人生における叡智の世界が見えてくる。

 なぜなら、優れた仕事を成し遂げ、人生の成功者と呼ばれる人物が共通に持つのは、単なる「運の強さ」ではなく、一つの優れた資質であることに気がつくからである。

 それは、何か。

 「意味を感じる力」

 これらの人々は、その力を持っていた。

 偶然と見える出来事の中に大切な意味を感じ取る力。

 そして、その出来事の中に自分を導く声を感じる力。

 これらの人々は、その優れた力を持っていたのであろう。

 

例えば、たまたま、ある人物と出会う。そのとき、

「この人と出会ったのは、なぜか」

「これは何かの配剤ではないのか」

「この出会いは、これから自分が歩むべき方向を教えてくれているのではないか」

と考える姿勢は、しばしば、その偶然を、良き機会に変えていく。

 また、人生において計画を立て、何かを為そうとしている、丁度そのとき、ある出来事が起こる。その出来事に対して、

「これは、何を意味しているのか」

「この出来事は、自分に大切な何かを教えようとしている声ではないのか」

「それは、計画を変えよという声なのか」

と考える姿勢は、小さな出来事をも、大きな機会に結びつけていく。

 

いや、それだけではない。

その姿勢は、ときに失敗や挫折の経験さえも、学びと成長の機会に変えていく。

 我々の人生は、思うに任せない。しかし、その思うに任せない偶然の出来事の中にこそ、これから歩むべき道について、深いメッセージが潜んでいる。

 その深いメッセージの存在に気がついたとき、我々の人生の風景は、一瞬にして変わる。

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11月28日、小学館より上梓した、

 新著『すべては導かれている - 逆境を越え、人生を拓く 五つの覚悟』

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では、人生において「逆境」が与えられ、

その「逆境」に正対し、深い覚悟を定めたとき、

我々の心の奥深くから湧き上がってくる、不思議な力と叡智について語りました。

興味のある方は、お読みください。