困難に直面する社員に語りかけるべき言葉

なぜ、我々は、日々の仕事において、人生において、

様々な苦労や困難に直面するのか。

その答えを教えてくれる、味わい深い言葉がある。

それは、プロ野球大リーグで活躍するイチロー選手が、

あるインタビューで語った言葉である。

イチロー選手が年間262本という大リーグ記録を作った

2004年の前年のシーズンのこと。

イチロー選手は、ある時期、

アスレチックスのハドソンという投手の球を苦手として、

何試合もヒットを打てず、抑え込まれていた。

その状況において、一人のスポーツ・インタビュアーが、

イチロー選手に、次のように訊いた。

イチローさん、

あのハドソンというピッチャーは、あなたにとって、

できれば対戦を避けたい、苦手のピッチャーですか?

しかし、その問いに対して、イチロー選手は、こう答えた。

いえ、彼は、

自分の可能性を引き出してくれる

素晴らしいピッチャーだと思います。

そしてさらに、彼は、こう付け加えた。

だから、自分も、

彼の可能性を引き出せる

素晴らしいバッターになりたいですね。

この後半の言葉は、

イチロー選手らしい「抑制した闘争心」を感じさせるが、

何よりも、前半の言葉の中に、我々は、

イチロー選手の「静かな覚悟」を感じ取る。

それは、いかなる覚悟か。

困難とは、素晴らしい機会である。

我々は、イチロー選手の言葉の中に、その「静かな覚悟」を感じ取る。

人生において我々に与えられる困難とは、

我々の可能性を引き出してくれる

素晴らしい機会である。

そして、もし我々が、

目の前の仕事に対して、人生に対して、この覚悟を定めるならば、

その瞬間に、我々の周りの風景は、変わる。

いま、世の中に溢れる言葉。

「いかに、楽をして」

「いかに、苦労せず」

こうした言葉が溢れる時代だからこそ、

経営者は、仕事において困難や壁に突き当たっている社員に対して、

深い愛情をもって、一つの言葉を語りかけるべきなのであろう。

おめでとう。

一人の職業人として

一人の人間として

大きく成長できる

素晴らしい機会がやってきた。