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iTunesがTumblrサイトを開設し、米国の若者との接点作りに取り組む

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
itunes.tumblr.comでアクセスできる公式Tumblrサイト。

iTunesがTumblrサイトを開設しました。独自ドメインなどは使わず「itunes.tumblr.com」。2014年のベストコンテンツを掲載しているウェブサイトですが、今後の展開が気になります。

Tumblrは簡単にブログを作成することができるニューヨークのスタートアップで、米国Yahoo!に買収されています。テンプレートを選んで個性的なサイトに仕上げることができ、モバイルアプリからの投稿も対応(しかもアプリはMarkdown対応)しており、半数はアプリからの投稿だそうです。

Tumblrの特徴は「Reblog」。ブログサービスの仕組みとして、ちょうどTwitterのRetweetのように、他のTumlbrのポストを引用することができ、情報流通のエンジンにもなっているのが最大の武器となります。

現在のユーザー数は2億1430万人、ユーザーに占める13歳〜19歳の割合は28%に上り、若者からの支持が厚いサービスとして注目されています。また成長率はInstagramを上回る勢いになっています。最新の状況は、以下のページで見ることができます。

Tumlbrのプラットホームを使うと言うことは、若者とのコミュニケーションのポイントをつくりたいという狙いもあるかと思いますが、ターゲットとなっている人たちはiTunesで音楽を買わず、YouTubeなどで済ませてしまう事もあり、果たしてどれだけ効果が挙げられるかは疑問です。

ウェブサイトのデザインは、Appleのメインサイトと同じように、画面上部に透過するメニューが固定されていて、少ない要素でビシッと「Apple」らしさを醸し出しています。

また、画面いっぱいに広がるバナーや、正方形のタイルでコンテンツのジャケットを並べるあたりも、Tumblrらしく、Appleらしい雰囲気に仕上がっていて、いずれのファンも納得の出来映えと言えるのではないでしょうか。所々アニメGIFが使われているあたりも、Tumblrカルチャーらしいな、と思いました。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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