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写真で見るScanSnap Evernote Edition - 深い協業から生まれた快適ツール

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
ScanSnapを披露するEvernoteのPhil Libin CEO。

Evernote Conference 2013で発表されたコラボレーション企画「Evernote Edition」には、日本のプロダクトがたくさんありました。その中でも驚きを与えていたのは、ScanSnap Evernote Editionでした。

写真と、現在分かっている情報をお届けします。

外装は柔らかなラバー塗装。グレーの色味とともに柔らかな印象に。
外装は柔らかなラバー塗装。グレーの色味とともに柔らかな印象に。

外装は、現在私が愛用しているiX500と同じ、というかハードウエアそのものは変わりません。しかし、Evernote Editionでは、ラバー塗装を施していて、しっとり柔らかな触り心地。グレーのカラーはほかのEvernote Editionに合わせるようにしてあり、白いロゴも緑のタイポも映えます。

上部のフィーダーを開くと、ScanSnapの文字とEvernoteのロゴ。
上部のフィーダーを開くと、ScanSnapの文字とEvernoteのロゴ。

開いてみると、ScanSnapと像のアイコン。非常にシンプル。Wi-Fiにも対応しており、iPhoneやiPadなどのみで無線読み取りにも対応します。ちなみに、トップの写真を見ての通り、ランプは青ではなく緑に光ります。

さらに開くと、ブラックとドットの印象的なデザインに。
さらに開くと、ブラックとドットの印象的なデザインに。

さらにシートフィーダーを開くと、ツヤのある黒い塗装に、ドットのパターンがかなり印象的。特別なScanSnapであることが、どの形態でもわかるという仕組みです。

ファームウエアから協業

通常版のiX500では、複数の書類をスキャンしてEvernoteに保存すると、1つのノートとして保存されますが、読み取りフィーダーにどさっと置いてある書類を1つずつのノートとして保存してくれるようになりました。

しかも、書類、名刺、写真を都度自動判別して最適に読み取ってくれる他、名刺を読み取った場合はEvernote Helloのように、Evernote側でメールアドレスを認識してLinkedInアカウントと紐付けてくれる仕組み。

私の場合、スキャンすべき紙類をiX500のシートフィーダーに置きっ放しにして、気が向いたら読み取るという方法にしているため、この仕様はかなりぴったりです。

担当の方にお話を聞きましたが、このEvernote Editionは、PFUとEvernoteで、スキャナのファームウエアやドライバについて協業してきたそうです。そのため通常のiX500とドライバを組み合わせても、Evernote Editionと同じ動作はしません。

他方、Evernote EditionはEvernoteへのスキャンのみとのこと。それでもEvernoteからデータを取り出せば問題ないので、さほど大きな問題ではなさそう。

iX500を個人的に利用していますが、かなりのスピードのスキャンを実現してくれています。ただしEvernote取り込みを行う場合、書類ごとにセットしてボタンを押す、という繰り返しをやっていたので、接客スキャンのスピードが速くても、私の手間で時間を食う、状況でした。

その手間が省けるのであれば、Evernote専用であっても、かなりプラスではないか、とおもいます。

Evernote CEOと握手を交わすPFU代表取締役社長・長谷川清氏。
Evernote CEOと握手を交わすPFU代表取締役社長・長谷川清氏。

Evernote Conference 2013にはPFUの代表取締役社長、長谷川清氏が登壇しました。「ScanSnap」の名前を壇上で言うと、会場からは拍手喝采。非常に浸透するブランドになっていました。後のインタビューでEvernote CEOのPhil Libin氏は日本企業とのビジネスについて、決してスピードは遅くないし、誠実に本音で話せる相手と称していました。

今回もEvernoteとPFUでチームを作って取り組んだことで実現した製品だけに、ハードとソフトの心地よい連携が楽しめるのではないか、と期待しています。

Appleは自社内でソフトとハードを設計して心地よい連携を生み出していますが、Evernoteはオープンに、ソフトとクラウドサービスは自社、周辺のアプリや連携ツールはパートナーとの協力で、ソフトとハードを揃えています。ただEvernote側の連携プロダクトへのパワーの注ぎ方は単なるブランディングに留まらないものを感じます。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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米国カリフォルニア州バークレー在住の松村太郎が、東京・米国西海岸の2つの視点から、テクノロジーやカルチャーの今とこれからを分かりやすく読み解きます。毎回のテーマは、モバイル、ソーシャルなどのテクノロジービジネス、日本と米国西海岸が関係するカルチャー、これらが多面的に関連するライフスタイルなど、双方の生活者の視点でご紹介します。テーマのリクエストも受け付けています。

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