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文具のヒーローPost-itをデジタル化するEvernote

松村太郎ジャーナリスト/iU 専任教員
EvernoteアプリでPost-itを撮影すると、きれいに取り込める

サンフランシスコで9月26日からの2日間開かれているEvernote Conference 2013で、いくつかの新しい展開が発表されています。アプリのアップデートは既に済ませていましたが、アプリとクラウドの会社の目玉のニュースは、アナログの「ヒーロー」との提携でした。

Evernoteは3MのPost-itと提携し、「Post-it Evernote Edition」を発売します。これには1ヶ月分のプレミアムアカウントのコードが同梱されます。それだけではなく、iOS 7のアプリでPost-itを撮影すると、Post-itを撮影した領域が切り取られてノートとして保存される仕組み。

Post-itとの提携を発表するPhil Libin CEO。
Post-itとの提携を発表するPhil Libin CEO。

しかも、Post-itのクラシックな黄色・緑・青・ピンクを認識して、読み取った際にどう分類するかという動作をあらかじめ決めておくことができます。例えば、黄色なら特定のノートに保存、ピンクはリマインダーに登録、といった具合。これまで通り位置情報と時間の情報が記録されます。もちろん手書き文字の認識も。

Evernoteの今回の発表でPhil Libin氏は「ペーパーレス化がゴールではない」と指摘していますが、Post-itは紙の文房具としては最大の発明品といっても良いでしょうが、これをデジタル化することで、「新しい意味や使い方を持たせることができる」(Libin氏)と指摘していました。

Evernoteパッケージには1ヶ月分のプレミアム会員クーポンが添付される。
Evernoteパッケージには1ヶ月分のプレミアム会員クーポンが添付される。

皆さんなら、どんな使い方を考えるでしょうか。

PCのディスプレイや机にベタベタと付箋を貼りながらタスク管理をしている人もすっきりデジタル化できるでしょう。iMacの画面の下の銀色の部分はPost-it用の領域だと信じていますし、1枚ずつなくなっていく快感もあるのですが。

あるいはこのサイズのメモをTwitterで流通させるというのもちょっと流行りそうな気がします。

ジャーナリスト/iU 専任教員

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。2020年よりiU 情報経営イノベーション専門職大学で、デザイン思考、ビジネスフレームワーク、ケーススタディ、クリエイティブの教鞭を執る。

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