LINEの競合になるFacebookメッセンジャー - ボイスメールと無料音声通話に対応へ

新バージョンで音声メッセージに対応。カナダから無料音声通話もスタートへ。

Facebookメッセンジャーのメッセージ作成画面。マイクボタンで音声送信。
Facebookメッセンジャーのメッセージ作成画面。マイクボタンで音声送信。
録音ボタンを押している間、音声が録音され、そのまま送信出来る。
録音ボタンを押している間、音声が録音され、そのまま送信出来る。
音声はアプリの中でそのまま再生出来る。
音声はアプリの中でそのまま再生出来る。

今年のあけおめメールの動向は世界的にどうだったのでしょうか。何となく、元日を避けてローンチしたような感もあるのが、声が送信出来る、音声通話ができる、新バージョンのFacebook Messenger。

これまで写真などを送信することができたほか、パソコン版ではより多彩なファイルを送信することもできるようになっていたMessengerですが、今回のアップデートで音声を録音して直接送信することができる機能を搭載しました。

ちなみに操作方法は、流行っているのかどうかイマイチ定かではないFacebookの謎の新アプリPokeに似ているといえば似ていますが、アレと違うところは、届けたメッセージが数秒間で消滅するわけではない、というところ。

音質を聞いてみると、米国でかける電話よりもちょっと良い音声かな、というところ。つまり日本の携帯電話同士の通話よりも落ちる音質のメッセージを送ることができます。

何に使うか? 取り立てて特別なことに使う必要はないんじゃないか、と思います。

例えば、電話するまでもないんだけれどもテキストで書くにはちょっとまどろっこしいことを伝えたいとき、とか。そんなタイミングはあるかといわれると、このときばかりはiPhoneのフリック入力を鍛錬しすぎたことを恨むべきかも知れないけれど。

VoIPも登場して、LINEと競合へ

Facebook MessengerはFacebookの付属品のようなツールだった一方で、重要性を増しています。例えば先進国・新興国を問わず、写真やビデオ、位置情報の送受信ではなく、こうしたソーシャルメッセージングの市場が伸びており、その証拠が日本のLINE、というわけです。

そして今回のバージョンで、コンタクト同士の無料音声通話にも対応する事になりそうです。まずはカナダから。しかしメッセンジャーが無料音声通話に対応しているなんて、それこそLINEですよね。どのくらいのスピードで音声通話機能が世界中で利用できるようになるのかは分かりませんが、明確なFacebookが明確なLINEの競合になったことになります。

とはいっても、LINEのポジションをそう簡単に奪えるかというとどうでしょう。かわいいスタンプの有無や、Facebookそのものを使い始める時の難解な設定を考えると微妙なところです。プライバシーの問題はお互い様ですが。

ユーザー認証のプラットホームが争点に

ソーシャルメディア上での間接的コミュニケーション(と呼ばせて頂くことにします、今年は)ではなく、より明示的な相手に対してメッセージを届ける直接的コミュニケーションのほうが、開封率からリアクション率に至る全てにおいて成績が良い点は、皆さんがFacebookを開いていいねボタンを連打する確率よりも、ケータイメールに返信をする割合の方が高いことが何よりの証拠でしょう。

一方、ユーザー認証の点でLINEが電話番号だけでなくFacebookアカウントでの認証を許可していますが、Facebookの音声とテキストのメッセージングに参入して機能が似てくると、ユーザー認証の母体になるというプラットホームをきちんと握れるかどうかが重要になるからです。

LINEPOPやLINE PlayなどのゲームはLINEのユーザー母体があるからこそ展開できるサービスだと思うからで、現在は広告主に対してLINEアカウントを提供しているビジネスを行っていますが、これがゲーム開発者などに開放されれば、GREEやDeNA、あるいはAppleやGoogleのようなプラットホームになります。

直接コミュニケーションの上でゲームを流通させる、というFacebookとも違う環境が作り出されようとしている瞬間に立ち会っており、成否はこれから分かるとは思いますが、LINEのIDはそういう重要性を持っていると見ています。これを直接コミュニケーションで競合するFacebookとどう取り合うか、注目です。

携帯キャリアは通話からデータへ、を実践できているか

別の視点。これはLINEやFacebookではなく、携帯電話会社についてです。データ中心のプランに既に移行しつつある米国と、依然スマートフォンの料金で定額データ通信が争点になる日本では、受け入れ方が違うのではないでしょうか。

少なくとも、通話料金をアテにしているキャリアはもうないとは思いますが、大容量のデータを使うユーザーから使った分を徴収する仕組みにきちんと移行していない点は気になります。Skype、Facebook、LINEと、各種コミュニケーションのプラットホームとの連携に最も積極的なKDDIが、この点にいち早くメスを入れるのではないか、と期待しています。

1980年東京生まれ。モバイル・ソーシャルを中心とした新しいメディアとライフスタイル・ワークスタイルの関係をテーマに取材・執筆を行う他、企業のアドバイザリーや企画を手がける。テクノロジーを活用した新しい学びを研究・ビジネス化するキャスタリア株式会社取締役。

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