スタイルに誇り。清宮監督退任発表のヤマハ発動機が3位決定戦へ。

準決勝サントリー戦で突進するヤマハ発動機の堀江恭佑キャプテン(写真:松尾/アフロスポーツ)

ラグビー・トップリーグのヤマハ発動機ジュビロは、12月11日(火)、清宮克幸監督が8季目の今季限りで退任すると発表した。来年1月19日(土)のカップ戦トーナメント最終戦まで指揮を執る。

ただトップリーグの最終順位を決定するのは、上記のカップ戦ではない。

12月15日(土)の3位決定戦、東京・秩父宮で行われるトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦(日本選手権兼順位決定トーナメント3回戦)だ。

先週の準決勝で、ヤマハ発動機はサントリーに敗れて3位決定戦に回った。しかしサントリー戦では、セットプレー(スクラムやラインアウト等)を軸とする強みは随所に披露していた。

【日本選手権史上初の延長サドンデスに突入した準決勝「サントリー×ヤマハ発動機」ハイライト映像】

12月8日(土)、決勝進出をかけてサントリーと激突した準決勝は、日本選手権史上初の延長戦の末、25-28で敗れた

ヤマハ発動機はセットプレーを軸とするスタイルに特徴があるが、特にスクラムはリーグ随一の威力。

サントリー戦に先発し、スクラムで優勢を保ったFW第1列は、全員が日本代表キャップを保持するPR山本幸輝、HO日野剛志、PR伊藤平一郎。

ただ控えのフロントローも強力だ。

共に2004年に同期入団し、日本代表も経験した15年目のPR仲谷聖史、PR山村亮の37歳コンビは健在。夏合宿でのNTTコム戦(北海道・北見/練習試合)など、この2人の投入が大きなインパクトになることもある。

そんな入団15年目のコンビは、準決勝サントリー戦でも魅せた。

後半26分にPR仲谷が投入されると、直後のスクラムで相手のコラプシング(スクラムを崩す反則)を誘発。さらに同27分にPR山村が投入されると、後半32分のスクラムで2回連続のコラプシング奪取。PR山村が吠え、会場が沸いた。

その後敵陣の勝負所でボールを失ったヤマハ発動機だが、ここで相手ボールスクラムを押しきり、まさかの“スクラムターンオーバー”。スクラムからすぐにボールを出さなかったサントリーも意地を見せた。

80分間ピッチに立ったヤマハ発動機のHO日野は、この最終盤でのスクラムターンオーバーについて「後ろ5人の気持ちが伝わってきました。フロントローが押したというよりは、8人全員が押した良いスクラムだったと思います」と語った。

死闘はサントリーのSOマット・ギタウの決勝PGによって決着。たた、ヤマハ発動機が掲げる「ヤマハスタイル」の矜恃は随所で披露しただろう。

■2018年度3位決定戦「トヨタ自動車×ヤマハ発動機」

2018年度のトップリーグ3位決定戦「トヨタ自動車×ヤマハ発動機」は12月15日、東京・秩父宮で、11時30分にキックオフを迎える。

清宮監督はトヨタ自動車戦へ向けて「ヤマハのために」と語り、勝利を期した。

ただヤマハ選手にしてみれば、そこに別の想いが加わるはずだ。

13日に発表されたトヨタ自動車戦の先発には、早大時代の教え子でもあるSH矢富勇毅、WTB田中渉太も入った。

試合の見どころのひとつは、やはりセットプレーの攻防だろう。

ヤマハ発動機のスターターには、サントリー戦に先発したFW第1列に加え、リザーブに仲谷、山村の同期コンビも名を連ねた。

先発ロックは桑野詠真、ディネスバラン・クリシュナン。FW最後尾にはNO8堀江恭佑キャプテンだ。

一方のトヨタ自動車は先発フロントローに二人のルーキー(PR三浦昌悟、PR木津悠輔)を並べた。

トヨタ自動車とヤマハ発動機は今季初対戦。スクラムも強く将来を嘱望される三浦、木津の両プロップは、一体どんなスクラム戦を展開するのか。

スクラムの最前線に位置し、今季全試合出場中のHO彦坂圭克は、強さと経験値の見せどころだろう。

トヨタ自動車の若きキャプテン、2年目の姫野和樹は、先週のナンバーエイトからフランカーへ移動。帝京大の後輩でもある吉田杏が先発8番を背負う。

注目のマッチアップを挙げるなら13番対決だ。

トヨタ自動車の先発13番は、20歳から10季ヤマハでプレーし、今季トヨタ自動車に新加入したCTBマレ・サウ。身長184センチで強力な突進力を持つ。

一方、ヤマハ発動機の先発13番は、今季初先発(カップ戦のぞく)のCTB宮澤正利だ。身長170センチ体重80キロの30歳は、8シーズンを共に過ごした相手にどう対応するのか。

3位決定戦の後には、今年度のトップリーグ王者決定戦である「サントリーサンゴリアス×神戸製鋼コベルコスティーラーズ」が行われる。

決勝戦の前に行われる3位決定戦には、注目したい対決が詰まっている。 (了)