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男子バレー日本代表登録27人を発表。石川祐希「覚悟を持って、最高のパフォーマンスを」

田中夕子スポーツライター、フリーライター
男子バレー、エースの石川「すべて出しきる」(写真は昨年のネーションズリーグ)(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

北京五輪戦士から高校生まで幅広い世代から選出された27名

 国内ではVリーグがファイナルラウンドの開幕を今週末に控え、イタリア、ポーランド、フランス、ドイツといった欧州リーグもプレーオフ進出へ向けた戦いが繰り広げられている。

 各国のリーグ戦がいよいよ佳境を迎える中、日本バレーボール協会は19日、2020年度の男子バレーボール日本代表登録メンバー27名を発表した。主将の柳田将洋(ユナイテッド・バレーズ)や、エースの石川祐希(キオエネ・パドヴァ)、北京五輪にも出場した福澤達哉(パナソニックパンサーズ ※今季はパリバレーでプレー)や18年の世界選手権に出場した古賀太一郎(ウルフドッグス名古屋 ※ザヴィエルチェでプレー)など、欧州で活躍する選手が昨年に続いて選出されたことに加え、昨秋のワールドカップでの大活躍に続き、自身初の得点王とサーブ賞を受賞した西田有志(ジェイテクトSTINGS)や、ブロック賞とスパイク賞の二冠に輝いた小野寺太志(JTサンダーズ広島)など、Vリーグで活躍する選手も名を連ねた。

 この27名の中から東京五輪出場メンバーが選出されるが、北京五輪出場の福澤や清水邦広(パナソニックパンサーズ)といった経験豊富な選手に、今春1月の春高バレーを制した高橋藍(京都・東山高)、昨春の春高バレーを制し大学でも活躍する大塚達宣(早稲田大)といった初選出組も加わった。

「強くなってまた代表で集まろう」

東京五輪で「最高のパフォーマンスを」と意気込む石川祐希(マネジメント会社提供)
東京五輪で「最高のパフォーマンスを」と意気込む石川祐希(マネジメント会社提供)

 昨秋のワールドカップで4位と好成績を収めただけでなく、明確なコンセプトのもとに戦い、世界と堂々渡り合う姿は多くの注目を集め、現在開催中のVリーグでも多くのファンが会場へ訪れるなど、関心は高い。東京五輪はその総決算とも言える大会であり、エースの石川はマネジメント会社を通じ「昨年のワールドカップが終わった時に、選手たちで行った最後のミーティングで『強くなってまた代表で集まろう』という話をしていたので、今シーズンのそれぞれの経験や実績、レベルアップしたことを代表チームに持ち寄って、お互いに成長した姿でまたバレーボールができることが非常に楽しみ。自分が今まで積み上げてきたことを、すべて出しきるつもりで、今までの一番高いパフォーマンス、最高のパフォーマンスを、この代表期間で発揮できるように戦っていきたい」とコメントを寄せた。

 すでにVリーグが閉幕した女子日本代表は国内合宿を開始しており、チーム内での熾烈なポジション争いがスタートしている。男子のVリーグも、登録選手に福澤を除く5名(清水、深津英臣、大竹壱青、山内晶大、久原翼)が選出されたパナソニックパンサーズがすでに決勝進出を決めており、今週末の22日から24日に開催されるファイナル5でもう1つの決勝進出チームが決まる。

 それぞれの場所で経験を重ねた選手たちが集い、それぞれが抱く「覚悟」のもと、どんな戦いを見せるのか。楽しみは募るばかりだが、まだ国内外でのシーズンは続いている。まずは佳境を迎えた各リーグ戦の勝敗の行方、頂点をかけた戦いに注目し、来る夏へ、期待を高めたい。

スポーツライター、フリーライター

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、月刊トレーニングジャーナル編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。著書に「高校バレーは頭脳が9割」(日本文化出版)。共著に「海と、がれきと、ボールと、絆」(講談社)、「青春サプリ」(ポプラ社)。「SAORI」(日本文化出版)、「夢を泳ぐ」(徳間書店)、「絆があれば何度でもやり直せる」(カンゼン)など女子アスリートの著書や、前橋育英高校硬式野球部の荒井直樹監督が記した「当たり前の積み重ねが本物になる」(カンゼン)などで構成を担当。

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