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内閣改造で感じる安倍政権と財務省との攻防

田中良紹ジャーナリスト

フーテン老人世直し録(178)

神無月某日

第三次安倍改造内閣が始動した。ほとんど代わり映えのしない布陣で論評する意欲を湧かせない。むしろ注目させない所に狙いがあるのではないかと思わせるほどである。

「一億総活躍」とか「アベノミクス第二ステージ」とかのキャッチフレーズだけを国民に印象付け、具体的に何をやっているかを見えなくして国民の期待感をつなぐ。それが来年の参議院選挙に向けた安倍政権の戦略であるかのようだ。これは政治家の思考というよりPR会社が考えそうな思考である。

そうした中、安倍側近の中では唯一「出来る政治家」とフーテンが認めてきた加藤勝信前総理補佐官が新設の一億総活躍担当大臣に就任した。就任の記者会見を聞く限り、何をやるのか本人も分かっていない状態で、すべてはこれから決めていくという。

看板政策にしては頼りない話だが、加藤氏が財務省出身の政治家である事を考えると、これは加藤氏の背後の財務省を意識した人事ではないかと思えてくる。これまで安倍政権と対立してきた財務省に「一億総活躍社会」の知恵を出させ協力させる狙いをフーテンは感ずるのである。

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ジャーナリスト

1969年TBS入社。ドキュメンタリー・ディレクターや放送記者としてロッキード事件、田中角栄、日米摩擦などを取材。90年 米国の政治専門テレビC-SPANの配給権を取得。日本に米議会情報を紹介しながら国会の映像公開を提案。98年CS放送で「国会TV」を開局。07年退職し現在はブログ執筆と政治塾を主宰■「田中塾@兎」のお知らせ 日時:4月28日(日)16時から17時半。場所:東京都大田区上池台1丁目のスナック「兎」(03-3727-2806)池上線長原駅から徒歩5分。会費:1500円。お申し込みはmaruyamase@securo-japan.com。

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