朝の高校に「サードプレイス」はある~西成高校「モーニングとなりカフェ」スタート!

■「モーニングとなりカフェ」のインパクト

当欄でも予告し、民間基金である「キャンプファイヤ」にもトライしていた「モーニングとなりカフェ」の第1回目を先日開催した(「モーニング」を出す高校内居場所カフェ~西成高校モーニングとなりカフェの試み西成高校で2学期から「モーニングとなりカフェ」を始めたい!)。

当欄の中心読者は30~40代なので、自らの高校時代は遠い昔のものだろうが、高校生の朝は早い。

7時45分頃に登校するのも当たり前なのだ。

モーニングとなりカフェは7時45分開始だから、スタッフがコーヒーやらトーストを準備するのはそれよりだいぶ前ということになる。

第1回目は僕も参加し、スタッフが朝の7時過ぎに西成高校にやってきて準備するのを見守っていた西成高校の名物校長のY先生も僕より早く出勤して、スタッフたちに声掛けしていた。

西成高校だけではないが、高校生というものはギリギリまで寝たいものだから、あまり朝食はとらない。僕自身も高校時代は、よく朝食をよく抜いていた。

そして、1時間目や2時間目が終わったあと「早ベン」して空腹を満たしていた。

西成高校的高校に通う生徒たちは、たいへんなバックボーンを背負うことが多く、早ベンするにしても保護者が弁当をつくってくれないこともよくある。かわりのパン代ももらえない。「自分たちでなんとかしろ」というわけだ。

10代になんとかできるわけでもなく、そこは朝食や昼食を抜く。

いろいろある10代は、食欲がわかないことも普通なので、朝食や昼食を抜くことにはそれほど重みはない。が、体育の授業ではフラフラになったりする。

こうした姿を長年見てきた教師たちは、だからこそ、生徒たちに朝食をとってほしいと願ってきた。が、時間外勤務が当然な学校という職場とはいえ、生徒たちに「朝食」を用意することはなかなか難しかった。

だからこそ、「モーニングとなりカフェ」はインパクトがあった。

■そんな孤独な10代は確実にいる

以上は、現在の日本社会が背負う貧困問題における、ハイティーンに関する問題のひとつを述べたにすぎない。それは基本的には一般論であり、主語を「西成高校」にしているものの、大都市の「困難校」にはよく見られる問題だ。

が、そうした基本的問題を、当欄を定期的に読まれるようなみなさんには知っていてほしい。

そうした問題を底に見据えながら、モーニングとなりカフェは開催された。

朝早いこともあり高校生はギリギリに登校するのが常だと思っているため、僕としては数名の参加があればいいほうだと思っていた。

が、蓋を開けてみれば17名程度の生徒さんに利用してもらった。

これは嬉しい誤算だ。朝になかなかやってこない生徒さんもそこにはいたという。モーニング(トーストとコーヒー)のインパクトはやはりあり、現実に「朝食」を求める層は確実に存在した。

また、モーニングという「食」を摂取せず、居場所カフェにありがちな「トーク」を求める層もあった。

悩める10代は眠れない。その理由はたくさんあるがここでは書けない。

けれどもあまり睡眠をとれずもんもんと夜を過ごし、何かを抱えて学校にはやってきて(家にいたくない)、何かを「教師以外の大人」にぶつけたい。

そんな孤独な10代は確実にいる。

実は、僕自身もそんな10代だった。あの頃の僕はその感じをぶつける大人はいなかったが、モーニングとなりカフェには、そんなもやもやをぶつけても聞いてくれねる大人がいる。

そんな大人を、悩める10代は求めている。それは残念ながら教師だけでは務まらず、第三者の若い大人がその役にふさわしい。それが「役割分担」ということで、西成高校には外部リソースを頼る懐の深さがある。

■いちばん「サードプレイス」に近い

結局、第1回モーニングとなりカフェは、17名前後の生徒さんが来店した。

これは予想以上の集まりだった。

朝からぼんやりコーヒーを飲むその姿を見ていると、教室という「セカンドプレイス」に臨む前のひと時を過ごす時間が、生徒さんたちには必要なのだと僕は実感した。

朝の居場所カフェこそが、いちばん「サードプレイス」の理念に近いのかもしれない。★

当日の様子(撮影は西成高校の校長、山田先生)
当日の様子(撮影は西成高校の校長、山田先生)