リニアなんていらない~新幹線とは「速さ」ではなく「異空間」

■「天下の愚策」

「天下の愚策」として、リニアモーターカーがやり玉に挙げられている。たとえばこんな記事など(天下の愚策リニア新幹線に待った!)。

僕もまったく同意見で、そんなひとりごとをFacebookでつぶやいてみたら、思いがけず70人の方々が「いいね!」してくれた。

友人の地理マニアは「このままいくと、日本のリニア建設は21世紀で最も愚かな公共事業として人類史に残るな」と呆れコメントを書いていたり、友人の未認定難病患者の若者は、「それで財源が、財源がとか言ってるからどうしようもない」とボヤき、難病救済のような必要事項に予算を割かず、議論が分かれ高度成長型のリニアに予算がまわることを嘆いている。

上の「天下の愚策~」に記事によると、リニアモーターカー予算はなんと10兆円近いらしい。

10兆円といえば、1億円の何倍になるんだろうか。大きすぎて暗算できないが、1万倍? よくわからんけれども、たぶん、リニア予算の1/1万あれば、たとえば僕の法人も参画する「高校内に居場所プラットホームをつくる事業」(大阪府平成27年度「高校内における居場所のプラットフォーム化事業」 補助事業者を募集)が展開でき、大阪府内の高校に20ヶ所の「サードプレイス/居場所」を設置することがで切る。

たとえば40億円あれば、ニート支援を行なう「地域若者サポートステーション」が全国に160ヶ所程度設置することもできる。40億円といえば、10兆円の何分の1?

■のぞみには乗らない

最近は僕も年をとって、こうした大きなお金の規模がなんとなくイメージできるようにもなっている。

10兆円リニアは、そんな、高校内居場所20ヶ所の1万倍あるくらいの値打ちがあるか? 東京と名古屋を今の新幹線の倍くらいの短時間で結ぶことにそれほど意味があるか?

サポステでたくさんの若者を支援するよりも、東京~名古屋を40分で走らせることのほうに意味があるんだろうか。

ところで僕は「新幹線マニア」でもある。最近は(大阪から)東京に出張する機会も減ってしまったが、内閣府の若者関係の小さな会議に毎月出席していた一昨年などは、毎月の新幹線が楽しみで仕方がなかった。内閣府のみなさんには悪いけれども、行き帰りの新幹線を楽しむために東京行きがあったといってもいいほどだ。

僕は、新幹線は「のぞみ」には絶対乗らない。15分ごとくらいに走るのぞみは、もちろん東海道新幹線の主役であり、2.5時間程度で大阪~東京をつないでいるのかな、そんなのも含めて、普通はのぞみに人は乗るだろう。

僕もグリーン車に乗る経済的余裕があれば、そしてのぞみのグリーン車が空いている平日昼間であれば、のぞみに乗る。が、やはりグリーン車は料金が高いし、東京から大阪への帰りはだいたいが夜で、せっかくのグリーン車がビジネス・パーソンで満席だ。

グリーン車で、真横に人が座ることほど不快なことはない。片道2万円程度も出費していて、いくらゆったりしたグリーン席だとはいえ隣に人がいたのでは、その2万円がもったいない。

■ひかり自由席1号車、端っこ

あと、東京に行くときは、忙しいビジネス・パーソンと違って僕は基本旅行気分だ(内閣府のみなさんゴメンナサイ!!)。2.5時間で東京に着こうが3時間かかろうが、どちらも同じなのだ。

僕は新幹線ではパソコンを持ち込み、このYahoo!記事を書いたり、自分の法人の必要書類を作ったりしている。こうしたパソコン作業をする場合、むしろある程度の時間の余裕があるほうが助かる。

高いグリーン車もいや、混んでる普通の指定席もいや。のぞみは、だが、自由席も結構混んでいたりする。

というわけで、時間をそれほど気にしない僕の東京出張は、のぞみ以外、つまりはひかりやこだまを利用することになる。

ひかりは1時間に1本、こだまはめったに乗らないので忘れだが(のぞみはまったく乗らないが)、両者とも時々しか走らない。ひかりは東京まで3時間ほど、こだまはもっと時間がかかる。

そのひかりかこだまのいずれかに僕は乗り込み、そして「自由席」の一番先頭の1号車の、その1号車の先頭の、長い長い新幹線の車両たちの一番端っこに座る。

これがいいんだなあ。

端っこなので、そこまでやってくるのは車掌さんだけ。移動売店の店員さんも3時間中1回程度しか来ない。

端っこなのでここまで来るのがみんな面倒なのか、あまり乗客がやってこない。だからだいたいは座ることができ(時々僕の同士がおり占領されていたりするが)、そしてそして、すごいのは、「電源コンセント」が端っこにだけあったりする。

そう、自由席1号車の一番端っこの席は、乗車券が安い、人が来ない、静か、そして電源がある、これらの要素が詰まっており、つまりは1人デスクワークに最も適した空間なのだ。

■「速さ」ではなく「異空間」

この「異空間」で僕は何本ブログを書き、何本企画書を書いたことか。誰からも干渉されないこの3時間の異空間、これがのぞみ指定席より安くゲットできるのだから、これほど素晴らしいことはない。

時々富士山を見て休憩できるし。

リニアみたいにほとんどがトンネルで、東京~名古屋が40分で、そしてたぶん料金も高くて、そしてたぶん結構混んでるような特急に誰が好んで乗るんだろう。

新幹線は、その「異空間」ぶりがいいのだ。僕にとっては「ひかり・自由席・1号車の端っこ」という異空間だが、異空間へのニーズは人れぞれだと思う(たとえばのぞみ指定席で宴会するとか←僕には無理だが)。

新幹線に「速さ」を求める人は、案外多くないと思う。★