■ソーシャルセクターのレベルを上げるために

代表は「発信」しなければいけない。

もしあなたがあるソーシャルセクター(NPOや株式会社まで含む社会的セクター)に寄付しているのだとすれば、そのセクターのミッションの具体性(「幸福」等が散りばめられた抽象的なものではなく、具体的キーワードに基づくもの)を知ることも重要ではあるが、そのミッションを受けて、当該セクターの代表がいかに「発信」しているかをチェックすることをお薦めする。

その発信には、その団体が「ソーシャルセクター」であるならば、「代弁」と「ミッション」の2つがある。

あなたが寄付する時、その団体の代表が、以下の「代弁」と「ミッション」表明をいかに具体的に行なっているかをチェックすることをお薦めする。

そのことが日本のソーシャルセクターのレベルをあげることになるからだ。

■代弁

ソーシャルセクターであれば、現代的な社会的課題を背景にした「マイノリティ」を代弁する機能をもつ。

その社会的課題は、大きくわけて「格差社会」と「少子高齢社会」の2つがある。

格差社会には、貧困や虐待/暴力の問題がつきまとう。その問題からくる被害者は、主として子どもと女性だ。具体的問題でいうと、虐待と暴力からくるPTSDや貧困の連鎖となる。

だからソーシャルセクターは、暴力の被害にあう女性、経済的に孤立するシングルマザー、貧困の連鎖からくる学力機会の不平等、虐待の被害にあう子ども等の問題に向かう。

少子高齢社会には、労働人口を増加させるため女性や若者の就労の問題がつきまとう。これに伴う具体的問題でいうと、子どもの保育の問題や、ひきこもり・ニートの社会参加の問題として浮かび上がる。

ソーシャルセクターはこれらに対する支援を行なっている。具体的には、心理的・社会福祉的・システム構築的にこれらの問題と向き合う(心理職や福祉職の配置、「居場所〜サードプレイス」の設置、ニートの就労支援や病児保育システムの構築等)。

さらに、こうした問題があるということを社会に向けて発信する必要がある。

このとき、発信役は組織の代表になる。そのソーシャルセクターが何の問題に立ち向かうか、社会に向けて説明する。

同時に、潜在化する被害者の声を「代弁」して語る必要がある。

被害の当事者は、それが当事者であればあるほど問題について語れない(当事者2.0の時代)。それは誰かが「代弁」しなければならない。

その代弁という重要事を担うのが、ソーシャルセクターの代表という立場にある人の大きな仕事だ。

■ミッション

もうひとつ、各ソーシャルセクターには「ミッション」というものがある。

が、日本のソーシャルセクターはまだ黎明期であり、このミッションが大雑把で抽象的なものであることが多い。言葉は悪いが、「幸福」等のワードを散りばめてミッションらしく装っているところも多いのだ。

これではソーシャルセクターとはいえない。なんのためにそのセクターが存在し(これは理念)、何を根拠にして(これがミッション)社会課題に向かうかを、できるだけ具体的に示す必要がある。

ソーシャルセクターとは、単に社会課題に向かうだけではなく(これは「福祉」)、「社会のつくりかえ」を行なう機関でもある。

目の前にある問題にその都度向かうのではなく(これも「福祉」。福祉は福祉で重要だが今回は新しいジャンル「ソーシャルセクター」について書いている)、団体独自の理念に基づいた具体的ミッションをもち、そのための数年戦略を構築して具体的に展開する。

これら、「社会のつくりかえ」を行なうのがソーシャルセクターであり、それらが具体的一行に集約されたものが「ミッション」だ。

そのミッションの一行には、具体的ワードが入っているかをチェックするのが手っ取り早い(手前味噌であるが、僕の法人officeドーナツトークであれば「サードプレイス」というワードが入る)。

そして、その具体的ワードが入ったミッションに基づき、いろいろなメディア(大きくわけてマスコミとネットメディア)で発信する。その発信作業が同時に、そのミッションを生み出した社会課題を浮き彫りにする。

これら、「代弁」と「ミッション」を、あなたが寄付した団体の代表が行なっているかどうか、あらためてチェックしてみよう。★