「民主党がいない」とはこういうこと~子ども・若者は「社会」で育てなくてもよい

文中BLOGOS記事より
文中BLOGOS記事より

■「家庭」のせいにする

最近フェイスブックでこんな記事が流れてきたのでざっと見てみた。この記事には多くの「いいね!」がくっついており、「自民党になって今までの『子ども・若者政策』に関する苦労が台無しになる~」みたいな意見で全体が占められていた。

その記事はこれ。子ども若者育成支援推進法の「改正案」が逆戻りしてる3つの理由

記事の中身には僕は全面的に賛成だ。子ども若者育成支援推進法が「改正」されると、この20年くらいの青少年施策の「進歩」が逆戻りになるというのも全面賛成。

だから困ったものだと僕も思うものの、こうした事態は、自民党が政権を取り返した時からいつかはやってくるだろうと予想していたので、まったく驚かない。

自民党は日本の保守政党の代表格だから、その政党が3年ぶりに政権を取り戻したということは、保守主義に則った政治を行なうというのは当たり前で、自民党なのにリベラル(あるいは中道左派)的な政策を展開したとするとそれは保守政党ではなくなる。

保守主義とはひとことで言って「伝統的な価値観を大事にする考え方」だから、教育問題であれば、そりゃ「問題は家族のせい」となるのに決まっている。

むしろ家族だけではなく「学校」も問題の源泉として外しきっていないのが、保守主義としてはまだまだ甘いのでは? と思ってしまう。

保守主義とは教育問題を社会のせいにせず、すべてを家族、特に親の育児に還元するというのが、その基本的考え方だ。だから今回の改正派は、もっと本音を言うと、「学校」さえ削りたかったのではないか。

■民主党

だから今回の法「改正」に反対なのは(もちろん僕も反対)、保守主義ではない人たちということになる。

具体的には、この前までの民主党政権に結集していた人たちということだ。これは、実際に政権の近くにいて種々の会議などに参加していた人たちから、僕のように心理的シンパ層まで幅広く含む。

こうした民主党寄りの思想を持つ人達が今回の法改正には反対している。保守主義の反対をここではとれあえずリベラル(イギリスのブレア政権以降この呼名が古くなっているのは理解しているものの上手な言い換えを僕は知らないのです)ということにしよう。

リベラルは教育問題の主因を家庭ではなく「社会」にみる。その考え方に則って制定されたのが現・子ども若者育成支援推進法だろうし、これに則って現在もさまざまな施策が展開されつつある(と思う)。

その大本であった子ども若者育成支援推進法がぐっと保守主義よりに変えられようとしている。これは当然リベラルは嘆く。そして怒る。だから、そうした保守回帰にならないよう、社会に偏在するリベラルたちはこれからも発信し行動し続けるだろう。

もちろん僕もそうする。

■二大政党制とは

が、さらに俯瞰して考えると、これぞ「政権交代」の醍醐味でもある。

リベラルな政策を一応展開してきた民主党がこの前の衆院選で惨敗した。その惨敗原因は、たぶん民主党の具体的リベラル政策(たとえば若者自立支援政策等)ではない。

原因は、たぶん「現実に政策を任せられるほど大人ではなかった」という抽象的なものだったようにも思える(たとえばこんな記事参照大敗・民主党、2つの敗因と今後の行方)。

普通の政権交代は、政権党の政策が失敗するか政権党が汚職にまみれるかリーダーがレームダック状態になるか等だろうが、民主党は通常の政権交代以前の、有権者からの「もう一回出直して来い」的叱咤だったと僕は思う。

だが叱咤された民主党は、いまや叱咤されてそのまま無くなりそうだ。叱咤されて蘇るどころか、飽きっぽい有権者に見放されたと捉えているのか、民主党そのものがいまや崩壊する一歩手前のようにも思える。

これは二大政党制による政権交代どころか、ゆるやかな右ウィングも含んだ「すべてが保守主義」政権だということだ。このままリベラルがない状況では、教育問題の右傾化も防ぐことはなかなか難しいだろう。

いまは一刻も早く民主党がそのことに自覚的になって行動することだと思う。つまり、せっかくリベラルウィング側の代表する元政権党として、もう一度マニフェスト(ミッション)を整え、それにふさわしいリーダー(党首)を選出することだ。

そして、再び政権交代を訴えて選挙に臨み、保守化した政策をリベラル側に戻すことだろう。その結果、教育問題も再び「社会」のあり方に焦点が当てられていくことだろう。

で、その数年後にはまた保守化していくだろうが、そうした動き全体が「二大政党制」ということですよね?★