ブログは「サードプレイス」~新しいワークライフバランスのかたち 2

1月17日、Yahoo!大阪であった「Yahoo!ニュース個人」執筆者の集い。

■Yahoo!という新しい「樹木」のまわりに、「リゾーム」のように集まる

1月17日、Yahoo!大阪事務所で「Yahoo!ニュース個人」執筆者の集いがあったので僕も参加した。

東京本社から「Yahoo!ニュース個人」事業(というか部署?)をマネジメントしている方たちも来られ、この取組みについて説明していただいた。

1/17「Yahoo!ニュース個人」執筆者の集いin大阪。梅田の某ビル27階にブロガーのみなさんが集まった!! ちなみに1枚目タイトル写真中モニターに映しだされた光景はYahoo!東京本社とのこと
1/17「Yahoo!ニュース個人」執筆者の集いin大阪。梅田の某ビル27階にブロガーのみなさんが集まった!! ちなみに1枚目タイトル写真中モニターに映しだされた光景はYahoo!東京本社とのこと

Yahoo!スタッフのみなさんは、僕が想像していたものよりも大きな視点で「日本のニュース報道」事態を再定義しようとされており、Yahoo!クラスのネット企業がこれからもしばらく本気で取り組んでいけば、従来の大手メディアによる「上から報道」ばかりのニュースが根底から変化していくかもしれない。

まあネット内ではすでに変化は始まってるのだろうが、一般の方々による「リゾーム的」(古いポストモダン的表現でスミマセン)チェンジだけでは、すぐに「古くて中心に存在する大手メディアという樹木/幹」(これまたドゥルーズ的表現でスミマセン!!)に取り込まれてしまう。

ここは、もう一つの「樹木/幹」ではあるものの、既存の大手メディアよりははるかに新しい「Yahoo!という樹木/幹」の力が中心になることで、ネット内に蠢くさまざまな力(そのひとつのスタイルがブログ)に一定の流れをつくっていただき、古さに吸収されるのではなく新しいシステム形成の中心的パワーとして「Yahoo!ニュース個人」執筆者たちを育てていただきたい、そんなことを考えながら会場を後にしたのだった。

■新しいワークライフバランス

ところで僕は、前々回の当ブログのなかで、少し議論が停滞気味の「ワークライフバランス」について言及した(新しいワークライフバランス~「サードプレイス」の場所)。

停滞気味ではあるが、現在ワークライフバランスをめぐる議論として、「仕事⇔生活」と「仕事∈生活」の二種類がある。

前者(「仕事⇔生活」)は仕事と生活を二項対立するものとして捉え、両者のバランスをうまくとろうという議論。通常のワークライフバランス議論のほとんどがこれにあたる。

後者(「仕事∈生活」)は生活の要素のひとつに仕事は含まれ、それを上手に乗りこなしていくことで生活も仕事も充実するという議論。

たとえば、糸井重里さんのこのインタビューなどは典型的だ(糸井重里さんに聞いた「公私混同」する働き方)。

だが誰にでもできるわけではなく、糸井さんレベルでフリー仕事を続けている人だけに語ることができる領域だ。

僕は前々回の当ブログで、この両者の中に「サードプレイス」という考え方を導入することで、さらに柔軟なワークライフバランスのあり方を考えてみてはどうだろうと提案した。

サードプレイスとはアメリカのオルデンバーグという社会学者が提唱した概念で(『サードプレイス~コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」』オルデンバーグ/みすず書房)、ファーストプレイス(家庭)でもセカンドプレイス(職場/学校)でもない「3つ目の居場所」を探し定着することで我々現代人は基本的安定を得ることができるという、重要概念だ。

ちなみにオルデンバーグによると、現代のアメリカと日本ではサードプレイスがないらしい。だから、その両国の社会は非常に荒んでいるということだ。

僕の事務所でも、大阪府の委託事業の枠内で「高校生居場所カフェ」という取り組みを展開している(Facebook会員の方はここ「高校生居場所カフェプロジェクト」をご参照ください)。

■「ブログ執筆」を再定義して「サードプレイス」に

僕は、この「サードプレイス」は具体的場所にとどまらないと思っている。場所以外にも、我々の行ないや行動を「再定義」することで、その再定義されたものを「サードプレイス」として位置づけることができるのではないか、と思う。

たとえば、この「ブログを書く」という行為。

この行為自体も、サードプレイスとして再定義してみると、まったく新しいものに思えてくるから不思議だ。

人はブログをどこで書いているかというと、だいたいは、家や職場やカフェで書いているだろう。たとえば今僕が書いている今回のこのブログ記事、これは僕は自分の家で書いている。

前回の記事は、職場である「一般社団法人officeドーナツトーク」事務所で書いた。

行為の場所を重視するオルデンバーグ的に言うと、前回のブログはセカンドプレイスの中での行ない、今回のブログはファーストプレイスの中での行ない、ということになるのかもしれない。

が、実は僕としては、どちらでもない。家族とのプライベートな雰囲気から生み出されているものでもなく、職場でのシリアスだがユーモアもある雰囲気から生み出されているものでもない。

まさに、「第三の場所」から、このブログ記事は生み出されている。

それは家庭や職場や学校といった「具体的場所」ではなく、抽象的ではあるものの僕にとっては極めてリアリティをもった場所から生まれる表現・言葉・行為である。

それは非常に理念的概念的なものではあるが、その理念がブログというカタチに置き換わっていく時、僕は非常な快感を得ることができる。

■理念の産出と、他者との同時共有

ブログを書いていて、僕はすごく楽しい。多少シリアスな記事の回もあるが、そうしたシリアスな問題を考察することも含めて、僕にとっては非常に「気持ちがいい」行ないなのだ。

場所は、自宅だろうが職場だろうがカフェだろうがどこでもいい。今現在自分が気になっている問題が概念化されると同時に言葉となってかたちになる。

そしてそれを瞬時に人々と共有する。

このような、「理念の産出と、他者との同時共有」ということがセットとなった行為、これが「ブログを書く」という行為なのだが、この行為全体が、僕にとっては「サードプレイス」なのだ。

この理念上のサードプレイスを上手に生活や仕事の中に取り入れていくことが、僕にとってのサードプレイスだとも思っている。

だから、Yahoo!スタッフのみなさんから示唆していただける「アクセス数アップ」等のコツをあまり大真面目に聞いてしまうと、それはサードプレイスではなくセカンドプレイス(仕事としてのブログ執筆)になってしまうので、実は1/17集まりの僕は話半分で聞いていました、スミマセン。

ブログを仕事と生活に組み込むという今回の提案も「新しいワークライフバランス」の一例だ。いずれにしろヒントは「サードプレイス」にある。★