サポステがあぶない?~その認知度をあげるために~

サポステではないが、高校支援のなかでウノをする。

■サポステが「あぶない」?

僕の法人(officeドーナツトーク)はサポステを運営していないのでこれは周囲から漏れこぼれてくる話題なのだけど、なにやらサポステが「あぶない」らしい。

なにが「あぶない」のかというと、160ヶ所まで膨れ上がったサポステが、来年から再来年にかけてその事業の存続が必要なのかどうかということについて議論されているというのだ。

サポステとは「地域若者サポートステーション」のことで、主としてニート(学校も働くことも職業訓練も受けていない40才頃までの人々)対象の就労支援サービスで、2013年は全国に160ヶ所まで広がった施設のことという。

最近のこの手の事業と同じく、運営主体は主としてNPO等が受け持っており、たとえば大阪には8ヶ所、兵庫には6ヶ所のサポステがある。

対象がニートだから、ハローワークのようにいきなり仕事を紹介するというのではなく、働くことに関するセミナーを受けたりとか、履歴書の書き方や面接の受け方といった就労に臨む際のスキルを学んだりとか、実際に事業所で就労訓練をしたりする。

そのようなスモールステップを踏んだ後、ハローワークでの支援やアルバイト情報を取得して、実際に就労していく。

このようにサポステは、「就労」ということに対して臆病になっているニートの若者たちに対しての、入り口的な機能を持っているサービス機関なのだ。

初期のニート支援(2003年頃)のサービスのなさを知っている僕などは、全国に160ヶ所もサポステのようなニート支援機関ができて、本当にうれしい。

また、現在僕の法人で行なっている「高校生の中退予防支援」(具体的には「高校生居場所カフェプロジェクト」Facebookページではあるがこのようなページも開設しているというかたちで動いている)にとってもサポステは重要だ。

それは、今年度から各サポステの予算の1/3が高校支援にまわることになったからで、そのことによって少しでも高校中退が減少していくと、それはひきこもり減少につながり、行政的にはタックスペイヤーや年金支払者が増加するということにもつながる。

だから、サポステはあと10年は続いてほしいサービスなのだ。

■サポステが「知られて」ない?

そのサポステが「あぶない」らしい。

その原因は僕にはわからないし、多少知っていたとしてもこうしたブログにはなかなか書けない(Yahoo!ブログというある種のプチメディアで書いてしまうことで、全体の動向に何らかの影響を与えるため)。

だから原因を考察することがここでの目的ではない。

ポイントは、「サポステが知られていない」ということなのだ。

ある調査では、サポステの認知度は、なんと6%らしい。他の支援機関はそこそこ社会的には認知されていたが、サポステは断トツ「知られていない」支援機関だった。

なぜ、サポステは社会的認知度が低いのか。

僕が思うには、それは「ニート支援機関だから」ということにつきると思う。

ニートは国の調査では60万人程度存在するといわれ(保護者に年金支払を立て替えてもらっている層まで対象を広げるともっといると僕は思う)、これらに社会参加してもらうことで、現役生産労働者たちの負担を少しでも軽減させたい、あるいはタックスペイヤーと年金支払者を少しでも増加させたいというのが国の狙いだろう。

だがニート支援には時間がかかる。時間がかかるということは「お金」もかかる(支援機関に予算が必要になる)。

そうやってお金をかけるわりには、タックスペイヤーはそれほど増加しない。時間がかかるから当たり前なのだけど、結構お金を使っても(支援機関に予算を配分しても)現実に社会参加(就労)していく若者は激増することはない。

それは、「スモールステップ」を踏むように、ニートは、ゆっくりと確実に社会参加していくしかないからだ。

が、時間的スケールで見ると、世間の人からは、予算を使っても就労していないように思われ、それは結局「ニートにお金をかけてもムダ」と思われているのではないか。

■「臭いものに蓋をする」から?

だが僕は実は、もっと「日本人らしい」理由がここにはあると思っている。

それは、「臭いものに蓋をする」という我々が好む習慣のことだ。

誰もがニート60万人(あるいはそれ以上)については問題だと思っている。が、そのことを我々は見たくない。見たくないから「蓋」をする。蓋をするということは、ニート支援機関であるサポステに関しても「なかったこと」にしたい。

サポステが世の中に160ヶ所もあるうちは、ニート問題が「ある」ことになってしまう。ニート問題をなかったことにするには、その問題を解決するためにつくられた機関を消滅させることが手っ取り早い。

そんな、ニートのような「ないほうがいい問題」よりは、もっとスポットライトをあてたほうがいい問題、たとえば起業や中小企業支援や地方産業掘り起こしなどに注目したい。

そのような心性が我々の社会に横たわっているような気も僕はしている。臭いものに蓋をする国の国民である我々は、臭いものであるニートやサポステが邪魔なんですね。

だから、サポステに対する予算が議論になるのではないかと、僕は邪推している。

このような僕の邪推が誤りであることを願うのみだが、このような議論が少しでも当たっているとすれば、160ヶ所のサポステは、相当がんばらないとしんどい。

ぼんやり日々の業務に流されず、それぞれの地域で、サポステ関係者はどんどんその必要性を「発信」していくべきだ。★