前代未聞の365日連続公演、島根の「劇団ハタチ族」が達成(続報)

終演後にあいさつに立つハタチ族の劇団員

2015年元日にスタートした劇団ハタチ族の「365日公演」。観客が1回でもゼロになったらストップするという厳しい条件。しかも、舞台は過疎化が進む人口4万人の島根県雲南市。率いるのは、何度も演劇をやめるなど中途半端な人生を送ってきた代表の西藤将人さん。多くの人の「まさかできないだろう」という予想を覆し、1日も途切れることなく、達成しました。最終日の31日、会場のチェリヴァホールの大ホールを埋め尽くした観客が、彼らの挑戦を見届けました。

詳しいストーリーはこちらで紹介しています。

なるか365日連続公演。過疎の町、観客ゼロで即終了という「劇団ハタチ族」の挑戦の結末まであと3日

実はこれまで365日公演のステージは、同じチェリヴァホールでも、大ホールではなくロビーの片隅。組み立て式の舞台と照明を使った簡易なものでしたが、最終日だけは初めて465席の大ホールを借りました。

満席が目標と言いつつ、3日前までの残席数は246。ただでさえ人口が少ないのに、一年最後の出かけにくい大晦日。この目標も「無謀だ」と言われていました。

それが、開場時間前から当日券を求めて人が詰めかけ、奈良や香川など県外からわざわざ訪れた人も。開演時間を待たずにチケットは完売しました。立ち見の人も含め、最終的な観客数は527人になりました。

(劇団ハタチ族提供)
(劇団ハタチ族提供)

演目は、西藤さんが脚本を書き下ろした「演劇卒業」。この1年間で上演したことのある演目もいくつか織り交ぜながら、演劇への情熱や魅力を表現しました。

終演後、ステージに立ち「きれいごとじゃなく事実として、たくさんの人にお世話になりました」と目に涙を浮かべた西藤さん。「普段のお客さんはだいたい10人くらいだったんです。3人芝居でお客さん3人だったこともありました。それがこうなるんだから、人生わかんないよね」と笑わせます。

最後に「これがスタートです。これから演劇や表現にかかわるいろんな人が『ここで演劇できることがステータス』となるような土地にしていきたい」と宣言しました。

そして、何度も何度も拳を突き上げて「やったー」と叫び、残り日数「000」の札を手に恒例の観客との写真撮影に収まりました。団員たちがステージから去った後も拍手が鳴り止みませんでした。

ハタチ族は来年も引き続き、雲南市を拠点に活動を続ける予定です。

「演劇卒業」の一場面
「演劇卒業」の一場面