Yahoo!ニュース

MACK JACK 全ての高校球児と、頑張っている人に捧ぐ応援ソング「心に太陽」が話題

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/ソニー・ミュージックエンタテインメント

神戸発、全員元球児の4本マイクのレゲエクルー・MACK JACK

「心に太陽」
「心に太陽」

連日熱戦が繰り広げられ、盛り上がりを見せる夏の全国高校野球選手権甲子園大会。神戸をホームグラウンドに、関西圏を中心に活躍している4本マイクのレゲエクルー・MACK JACK(マックジャック)も、全員元球児で甲子園を目指していた。そんな彼らの最新曲「心に太陽」(7月1日配信)は、1都7県で夏の高校野球地方大会の応援ソングとして、中継する各局でオンエアされ話題を集めている。全球児はもちろん、頑張っている全ての人へエールを贈る熱い青春ソングだ。昨年7月にリリースした「泥だらけドリーマー」は、仕事をしながら音楽活動を続け、夢を諦めない4人の熱い思いを歌詞に込めた、いい意味で泥臭い等身大の応援ソングで、続く『原点』(同11月配信)は“野球部あるある”をユニークかつ真剣に表現しながら、人生で大切なことは全て高校野球で学んだと、その大切な“原点”を歌っている。

現役女子高生インフルエンサー実熊瑠琉が、高校野球部の女子マネージャー役で出演していることでも話題のMUSIC VIDEO(MV)は再生回数が40万回を越え(8月19日現在)、これまで以上に手応えを感じているという「心に太陽」について、M.C.L(ミッチェル)、ALI(アリ)、CHAI(チャイ)、JAGA-C(ジャガシー)の4人にインタビューした。

「高校時代の悔しい思いを、今の自分たちの状況にも重ね合わせ、作った」

――「心に太陽」は、7月1日に配信がスタートして、MVの再生回数も好調で、SNSでも「感動」「泣ける」「一度聴くと頭から離れない」という声が多く飛び交っています。

ALI
ALI

ALI よく仕事帰りに聴きたくなると言われます。ライヴでこの曲を歌うと、涙を流しながら聴いてくれる人がいて、今まではそういう光景を見たことがなかったので、やっぱりこれまでの曲とは違うと感じていますし、歌っている自分達もグッときます。自分達がやってきたことがやっと届いたというか、たどり着いた感覚があります。

CHAI 去年の早い段階でできあがっていた曲で、自信曲だったので、早く聴いていただきくてうずうずしていました。

ALI 去年はコロナ禍で、他のアーティストさんもそうだったように、僕達もライヴがどんどん中止になって、もう不安しかなくて、自分達はどうなるんだろう、このまま音楽活動がまともにできなくなるんじゃないかって不安しかなく、正直切羽詰まっている状況でした。そんな中で、最後の打席くらいの気持ちで搾り出して書いた曲です。

M.C.L 自分たちが高校時代最後の大会で負けて、甲子園に行けなかった悔しさも思い出しながら、自分たちの今の状況にも重ね合わせながら作りました。そんな思いを曲に込めたということを知っていただけると、曲がより伝わるのではないかと思っています。

CHAI
CHAI

CHAI メンバーそれぞれが当時の自分の気持ちを思い出して、言葉を持ち寄ったのですが、やっぱり甲子園という夢を追っていることは今も変わっていなくて、結局あの頃と今やっていることは、注ぐ情熱も何も変わらないというのを実感しながら再確認できたというか。高校時代叶わなかった夢を、まだまだ諦めないで今度は音楽で甲子園を目指している男達です。

――「泥だらけドリーマー」も高校野球地方大会中継の応援歌でしたが「心に太陽」も同じく高校球児を応援する青春ソングで、やはりいい意味で泥くささが逆に新鮮です。

M.C.L 「泥だらけ~」はどちらかいうと自分たちは泥だらけでも真っすぐ前に進んでいくんだという覚悟を決めて、旗を掲げた曲で、「心に太陽」はそこから更に突きつめていっているので、やっぱりその分泥くさくなっていると思います。作った時の思いをシンプルにそのまま伝えたかったので、仮タイトルをそのまま使いました。

ALI 「心に太陽」っていうタイトルは、色々なアーティストさんの曲、それこそ僕らが大好きなかりゆし58さんの曲にもありますが、でも我々の「心に太陽」も負けてないぞって胸を張ってタイトルを付けました。

YANAGIMANプロデュース

――今回もYANAGIMANさんがプロデュースを手がけていますが、前作同様厳しい“ノック”が飛んできましたか?

M.C.L
M.C.L

M.C.L 割と激しめな(笑)。この曲は4人のドキュメンタリーなんだから曝け出せ、と。

――「流派R」(テレビ朝日系)でMACK JACKが取り上げられた時、YANAGIMANさんが4人のことを「良い部分もあるがダメダメな部分もあって、そこがむしろ人間としての良さであり、それがファンに伝わっているのでは」とコメントしていました。

ALI YANAGIMANさんからの愛を受け取ったような気持ちです。「心に太陽」のラストにギターの音が入っているのですが、最初は入っていなくて、YANAGIMANさんが最後の仕上げの時に入れてくれました。あのギターで曲がガラッと変わったイメージがあって、YANAGIMANさんマジックを食らって、涙が出てきました。

JAGA-C 泥だらけでがむしゃらっていうのがMack Jackなので、それも褒め言葉として受け止めています。

「『心に太陽』は『泥だらけドリーマー』と『原点』と地続き」

――それぞの心情を曝け出している、名フレーズが揃っている歌詞だと思います。それぞれのお気に入りのフレーズを教えて下さい。

ALI 歌う度に個人的にグッときているのが、CHAIのバース(ラップのAメロ)の<笑うしかなかったbad day 涙がこぼれたgood day>で、あそこは本当は笑いとgood day、泣くとbad dayなんですけど、そこを敢えて互い違いにしてるというか。最悪だったなっていう日に、もう笑うしかないってことってあるし、本当にいいことがあった時って、嬉しくて涙が溢れてしまうこともあるし、そこがグッときます。

CHAI その通りで、最初は素直に泣く方がbad day、笑う方がgood dayって思ったのですが、昔のことを思い出してみると、怒られた時は涙を必死に隠して笑って強がっていたし、試合に勝って嬉しかった時は、泣くくらい嬉しかったなって。

JAGA-C
JAGA-C

JAGA-C 僕はALIのバースの<“奇跡のドラマ”が起こるのを待ってる 時に世間の視線は残酷で>というところが、プレッシャーの中で必死に食らいついて頑張っている時の心情が出ていて、で、最後の<仲間のエール 力くれる>というのがまさにそうで、その力で跳ね返せることを伝えています。ALIはやっぱり詩的センスがあると改めて思いました。スポーツ選手に限らず注目されることってすごく嬉しいことだと思うし、それが力になる時もあるんですけど、逆にプレッシャーに押しつぶされて力を出し切れなかったり、僕もそうでした。でもそんな時だからこそ、チームメイトやスタンドで応援してくれている人、今自分たちを応援してくれている全ての人達のことを、もう一度思い出してみよう、それが力になることをあそこのフレーズでは伝えています。

M.C.L 僕は<「もっと努力してたらあの場面打ってた?」なんてタラレバ 馬鹿ななこと言うな絶対!>という自分で歌っている部分で、あそこは自分のリアルなんです。最後の夏の予選の明徳義塾戦で、注目されているピッチャーと対戦する時、これ以上はできないというくらい準備を万全にして臨んだつもりでした。それでも全然歯が立たなくて、まだまだ努力が足りなかったんだと痛感しました。だから今の球児たちには後悔しないように今以上に努力して欲しい、というメッセージを込めました。

CHAI 僕はALIが書いた<置いていくな自分らしさ 泥だらけのまま走り出した あの日の少年に最高のサプライズを>というフレーズです。それまでは頑張れって熱いメッセージが続いて、でもここにはちょっと優しさを感じます。ガムシャラに頑張っている時は周りが見えなくるし、でも僕がもし球児だったらそんな時に<置いていくな自分らしさ>って言われたらすごく嬉しいなと思って。ふと我に帰れるというか、本当の自分を全て出すために頑張るという方向がしっかり見えてくるフレーズだと思いました。ここがあるからこの曲いいなって思えるくらい、好きなフレーズです。

ALI YANAGIMANさんからのアドバイスでもあったのですが、応援歌というのは簡単かもしれませんが、背中を押すだけではなく、もっと寄り添って、包み込むような優しさが必要だと感じました。自分たちも音楽活動をやっていく中で、すごく前のめりになればなるほど背伸びばかりして、自分らしさを忘れてしまうこともありました。でもどんな状況でも自分らしさを持っていたいという意味を込めて<置いていくな自分らしさ>というフレーズにしました。<泥だらけのまま走り出した>という部分は、昨年リリースした「泥だらけドリーマー」から、<あの日の少年に>というところは、「原点」という曲のサビに<あの日の野球少年>というフレーズがあって、その2曲も自分たちのストーリーとして忘れずに、地続きとして「心に太陽」という曲があるんだということを伝えたかったんです。

「ワンマンライヴはもちろん、自分達主催のイベントを積極的に行なって神戸の音楽シーンを盛り上げたい」

――「心に太陽」をリリースするまでの一年は、MACK JACKにとってはどんな一年で、また今後のMACK JACKについても教えて下さい。

M.C.L. 夏の甲子園のテーマソングに選ばれることを本気で目指して4人で走ってきました。でもそこに辿り着けなくて悔しい思いをしましたが、でもこの「心に太陽」を出すことができて手応えを感じているし、来年の夏は絶対に甲子園のテーマソング選ばれるぞ、という思いでメラメラしています。

CHAI 小さいことの積み重ねということを改めて感じた、結局近道なんてないということを思い知らされた一年でした。だから色々なことをひとつひとつ丁寧にやっていきたい。

ALI 音楽面はもちろん、それ以外でも毎週水曜日にYouTubeで生配信トーク企画をやったりして、もっと自分達のキャラクターを知ってもらいたいと思い、動いてきました。もっとそれぞれの個性を伝えていきたいと思っています。

JAGA-C 去年、甲子園のテーマソングに選ばれるんだという大きな目標を掲げて活動して、でもそれが叶わなくて、そこに向かって、もっともっとやらなければいけないことがたくさんあるんだと、強い気持ちになれた一年でした。それがわかったことが自分的には大きなことだと思います。

M.C.L ワンマンライヴはもちろん、自分達主催のイベントをどんどんやって、色々なアーティストとコラボをして、自分達の名前と音楽をもっともっと広めていきたいし、地元・神戸の音楽シーンをもっと盛り上げていきたいです。

MACK JACK オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

田中久勝の最近の記事