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小池徹平、佐藤隆紀、愛希れいか、桜井玲香、東啓介が共演 ミュージカルの名曲を一夜限りのアレンジで熱唱

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/BS-TBS

5組のミュージカルスター+東京フィルハーモニー交響楽団+Sound Inn Sスーパーバンド=極上セッション

毎回一組のアーティストと、日本を代表する編曲家・ミュージシャン達が、生演奏にこだわり、その日限りのアレンジでセッションし、常に極上の音と歌を追求し続けている音楽番組『Sound Inn S』(BS-TBS)。そして、シンフォニーとヴォーカリストの組合せで、やはり上質な音楽を響かせ、これまで多くの音楽ファンを魅了して来たコンサート「billboard classics」。このコラボレーションが実現し開催されたのが『ミュージカルスターズ シンフォニーポップス コンサート』(3月27日/中野サンプラザ)だ。『Sound Inn S』ではこのコンサートの模様を3か月に渡ってオンエアしてきた。

6月18日(土)は、小池徹平、佐藤隆紀(LE VELVETS)、愛希れいか、桜井玲香、東啓介のオールキャストで披露したラストナンバー「民衆の歌~One Day More メドレー」(『レ・ミゼラブル』より)を含む最終回がオンエアされ、現在「Paravi」でその未公開映像と共に独占配信されている。東京フィルハーモニー交響楽団+Sound Inn Sスーパーバンドと、5組のミュージカルスターとの一夜限りの極上セッションを味わいたい。

東啓介
東啓介

この回の1曲目は、東啓介がミュージカル『モーツァルト!』の代表曲「僕こそ音楽」を三宅一徳のアレンジで披露。「モーツァルトという音楽家の無邪気さ、意外な一面を感じて欲しい」と、ロックのリズムと美しいメロディが融合した、幸せと希望を感じさせてくれるこのナンバーを歌った。語る様に歌う部分とメロディを歌い上げる部分とのメリハリ、どこか「影」を感じさせてくれる東の表現力が、この曲により深みを与えている。

愛希れいか
愛希れいか

愛希れいかが歌った「On My Own」(『レ・ミゼラブル』より)は、彼女が「ミュージカルの勉強をするためにニューヨークに行った時に、レッスンでよく練習した曲」という、思い入れの強い一曲でこの日が初披露。アレンジは斎藤ネコ。ストーリー性が強い楽曲を、ミュージカルとはまたひと味違うアレンジに仕上げ、愛希の情感豊かな歌がより感動的に伝わり、そのパフォーマンスに引き込まれる。

小池徹平
小池徹平

桜井玲香
桜井玲香

実際にミュージカルで披露した楽曲を、こういうコンサートで披露する時に、役としてどこまで入り込んで歌うのか、それとも歌そのものの温度感を真っすぐに伝えるのか、その“塩梅”が、歌い手にとっては難しくもあり、お客さんには楽しみな部分でもある。小池徹平と桜井玲香は実際に舞台で演じ歌った楽曲を披露。小池は松尾スズキ作・演出のミュージカル『キレイ~神様と待ち合わせした女~』で「一番好きな曲」の「宇宙は見えるところまでしかない」を、園田涼のアレンジで披露した。「途中台詞が入ってくるので、ミュージカル感を感じて欲しい」と語り、途中でリズムが変わって熱を帯びてくるこの楽曲を、表情豊かに、力強く歌い上げた。桜井は昨年出演したミュージカル『ゴースト』から「With you」を大嵜慶子のアレンジで歌った。「一番心に残っている楽曲」と語り、哀しさと切なさが溢れるこの曲を、切々と歌った。

そしてラストはオールキャストで「民衆の歌~One Day More メドレー」(レ・ミゼラブルより)歌った。「民衆の歌」は深澤恵梨香のアレンジで、歌詞にあるようにドラムの響きが力強さを演出し、ホーンセクションが勇敢さを感じさせ、胸が熱くなる。「One Day More」は服部克久が残したアレンジと、深澤恵梨香のアレンジとが融合し、そこに5人の声が重なると得も言われぬ感動が押し寄せてくる。まさに大団円だ。小池は出演者を代表して「今日のように自由に音楽を楽しめる日が世界中に訪れることを願って」と、このコンサートのひとつのテーマ、願いをメッセージとして届けた。

BS-TBS『Sound Inn S』オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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