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流れ星☆ 2年遅れの20周年記念ライブ開催「昔のアイドルの聖地に、四十路を超えたアイドルが立ちます」

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/BSフジ

「流れ星☆ 20周年記念ツアー ベストネタライブ 絆 〜3度目の正直なんやさ!〜」を、3月12日日本青年館ホールで開催

お笑いコンビ・流れ星☆が単独ライブ「流れ星☆ 20周年記念ツアー ベストネタライブ 絆 〜3度目の正直なんやさ!〜」を、3月12日に日本青年館ホールで開催する(追加公演も決定)。毎年ライブツアーを組むほど幅広い層のファンから支持されている流れ星☆だが、この20周年ツアーは2020、2021年と2年続けて中止の憂き目に遭っている。三度目の正直となるこのライブについてインタビューした。

元旦に放送されたお笑い番組で、TAKIUEが平仮名に改名すること、そして都内にサイドビジネス用に約2億円のマンションを購入したことなどを公表し、話題になった(インタビューは2021年12月に行なった)。

「ライブについてインタビューを受けては中止になり、を繰り返しているので、今回も半信半疑です(笑)」(たきうえ)

「2回中止になっているので、それを逆手にとって楽しむしかない」(ちゅうえい)

――2年続けてツアー、しかも20周年記念のツアーが中止になってしまいました。やはりダメージは大きかったですか?

たきうえ 2020年はなんとなく中止になるんだろうなって覚悟はしていましたが、2021年はやる気満々だったので、結構ダメージがありました。

ちゅうえい プロモーションでインタビューも受けていたし、今年(2021年)は本番3日前に中止になりました。仕事の直前にマネージャーから中止って聞かされて、さすがにテンションが下がりました。その仕事が終わってから教えてくれればよかったのに…。

たきうえ インタビューを受けては中止になり、を繰り返しているので、今回も半信半疑です(笑)。

ちゅうえい こんなことをいうと失礼かもしれませんが、同じライブのことを3回話すというのは、それはそれで大変なんですよ(笑)。

たきうえ ややこしいのが20周年記念ライブなのに、もう22周年になっていること(笑)。

ちゅうえい 2回中止になっているので、それを逆手にとって楽しむしかないです。

たきうえ 終わった時に、2回中止になったよなって笑い話になればいいですよね。

ちゅうえい ツアーじゃなくなって一本だけになったのは残念ですけど、でも日本青年館という昔のアイドルの聖地で、この四十路を超えたアイドル二人ができるのは嬉しいです(笑)。

「新ネタはもちろんやりますが、“ベストネタライブ”なので、今までやったネタを1から5、10にどうもっていくか」(たきうえ)

――この2年でお二人にはプライベートで色々ありました。

たきうえ はい、離婚しました。家も売って、ソーラー発電事業を始めたり…。そういうお互いの人生も反映してネタにできるので、パワーアップしていると思います。二人の2年分の人生が、ネタに積み重なっています。

ちゅうえい 無理やりひねり出したような答え(笑)。ネタは各々でやろうとしたことがあったのでそれをそのままやるのか、変えるのか。時間が経ってしまうとどうなのかなというネタもあると思うので、3月までにどうなっているか…。

たきうえ 今回はベストネタライブなので、昔のネタを掘り起こしてブラッシュアップさせる感じになるので、新ネタを作る時は0から1ですが、今までやったネタを1から5、10にどうもっていくか。お笑いのネタは音楽と違って一回観ると飽きてしまうと思うので、それを初めて観るネタのように進化させます。昔のネタは今動画でも観ることができるので、是非予習していただいて、どうブラッシュアップさせたのかを楽しんで欲しいです。『全裸監督』ネタは『イカゲーム』ネタに変更ですね。もちろん新ネタも用意しています。

ちゅうえい 希望としては3月頃に『全裸監督3』をやって欲しいです(笑)。あと、ビッグボスの登場がちょっと早かったです。

「お笑いでもミュージシャンでも、二人組で20年以上やっているコンビって変態ですよね(笑)」(ちゅうえい)

――お二人は仲悪い芸人の真打ちと言われていますが、その部分はコロナ禍を経て変わりました?。

ちゅうえい ちゃんと仲悪いです(笑)。ちゃんと仲悪くないと『ゴッドタン』(テレビ東京系/2020年11月放送“腐り芸人セラピー 流れ星SP”)で他の芸人さんに響かないし、あそこまで話題にならないです。

たきうえ でも22年もやってればケンカすることもあるよって言いたい。

――22年続けるってすごいことですよね。

ちゅうえい 変態ですよね(笑)。お笑いでもミュージシャンでも二人で20年以上やっているコンビって変態ですよね。3人とか4人組なら、まだ気持ちをどこか“抜ける”ところがあると思いますけど、ずっと正面から向き合っている二人組って…(笑)。

――お二人とも言動や行動が、すぐにネットニュースに取り上げられますよね。

ちゅうえい 俺はそんなことないですよ。そう“じゃない方”芸人ですから。こいつのプライベートはいつもネットニュースで知る感じです。本当に何も知らなくて、他の芸人さんから「大丈夫か?瀧上」って聞かれても「何のことですか?」って感じなんです。

たきうえ 相方のことをネットニュースを見て知るのではなく、それを見た芸人から聞いて知るという(笑)。

ちゅうえい 見たくないですもん。絶対ろくなニュースじゃない、負のニュースですもん(笑)。

たきうえ そういうのもネタにして笑いを取れるようにしたいです。芸人ってそういう商売じゃないですか。22年やってきて、すったもんだはありましたけど、このコロナで動けなかった時期が、考えるいいきっかけになったんですよ。

「コロナ禍では育児に全集中。お笑いを忘れてました(笑)」(ちゅうえい)

「我々のお笑いは、お客さんの笑いが入って完成する、遊園地のようなお笑いを目指しているので、その土台が崩れ落ちる感じでした」(たきうえ)

――それ聞こうと思っていました。お笑い芸人の方はこういう状況の中で、どんな思いに至ったのか、考え方とか変わった部分があったのか。

ちゅうえい 俺は全ていい風に捉えて、ちょうど子供が生まれたタイミングでもあったので、育児に全集中させてもらいました。だからもうお笑い忘れました(笑)。

たきうえ こいつがどんどん日灼けしていくんですよ、子供と公園に行ってるから(笑)。最初日雇いのバイトでも始めたのかと思ったら、公園灼けですよ(笑)。

ちゅうえい 僕は子供と向き合えて2年間ビッシリ育児ができました。たまに娘にギャグを見せると「オエッ」って吐きそうになっていたので、ああ、俺はお笑いに向いてないのかって思いました。コロナ禍で、お笑いよりも音楽のライブの方が早く再開できたと思いますが、それを見て元気をもらいました。その元気をもらう感覚というのが、ファンの人がいつも感じてくれている感覚なのかって再確認できました。

たきうえ やっぱり俺達のお笑いって、イベントや現場でお客さんの笑いが入って完成する作りで、遊園地のようなお笑いを目指しているので、その土台が崩れ落ちた感じでした。人前でできなくなった時に、お笑いってなんだろう、無力だなって感じて。それで一人で何かできないかと思ってオンラインホストとかやりながら、ファンの人と交流していました。でも一人でやっていると、こういう時ちゅうえいが助けてくれてたんだなということが改めてわかって、お互いの足りない部分、補っている部分を俯瞰でみることができました。

ちゅうえい 俺も一人で色々やってみて「俺意外と一人でいけるな」って思いました(笑)。

たきうえ お笑い以外、例えばソーラー発電もそうですけど、そっちのネタで番組に呼んでもらえたり、守備範囲が広がったというか。

――太陽光バブルですね。

たきうえ だから晴れの日はただただ嬉しいんです(笑)。

ちゅうえい 晴れている日に俺がすべっても優しいです(笑)。

――やっていること、身の回りに起こったことが、全部ネタに昇華できる。

たきうえ 真剣にやっていることは面白くて、だから突っ込みたくなるのだと思います。ネタにすることを前提にして何かやるのは違うと思います。

――3月の日本青年館ライブはネタてんこ盛りになりそうですね。

たきうえ 確かにこの2年間だけでも色々あったし。

ちゅうえい 俺はいつも行く公園だったら、どういう流れで回ると子供を最高に喜ばせることができるか知ってますし、それが2年間で身に付けたスキルです(笑)。その公園でだったら、世界一盛り上げる自信ありますから。

たきうえ ベビーシッターの面接の練習じゃないから。

「全世代の人が知っていること、テーマが少なくなっていて、ネタ作りが年々難しくなっている気がする」(たきうえ)

――流れ星☆の笑いは先ほど遊園地のような笑いという言葉が出てきました。子供からお年寄りまで幅広い層のお客さんがライヴに足を運んでくれますが、その全員を楽しませるネタ作りの難しさを教えて下さい

たきうえ 全世代の人が知っていること、テーマが少なくなっている気がしていて、TikTokっていっても若い人は知ってますけど、年配の方はわかりません。だからネタ作りは年々難しくなっていて、かといってベタすぎるネタばかりでもつまらなくなるし。

――お二人はプライベートで、小さい子のあやし方、付き合い方は身をもって経験しているので、その世代は大丈夫ですね。

ちゅうえい 特に2歳児は任せてください(笑)

たきうえ 2歳はライヴに来ないだろ。未就学児はNGだよ。

ちゅうえい 年配の方は俺達も年を取ってきたので、以前よりは聞いてくれるようになった気がします。

――ちゅうえいさんの体を使ったネタはどの世代にもすぐに届きますよね。

ちゅうえい そうなんですけど、お陰様で腰も悪くなってきました(笑)。

「今年中に2~3回は世間とちゅうえいを驚かせたい」(たきうえ)

――2022年の野望を教えて下さい。

ちゅうえい 当面の目標はこいつが持っているマンションの場所を見つけて、スプレーでいたずら書きすることです(笑)。

たきうえ 僕は今年中に2〜3回は世間とちゅうえいを驚かせたいです。

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音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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