“時を超えた、ここでしか聴くことができないサウンド”がコンセプトの音楽番組『Sound Inn S』(BS-TBS)の6月19日(土)放送回に、デビュー15周年を迎えた手嶌葵が登場。3人のアレンジャーとセッションを繰り広げ、この日限りのアレンジを施したサウンドに乗せ、極上の歌声を披露する。

その唯一無二の声と、島田昌典、冨田恵一、斎藤ネコという日本を代表する3人の音楽プロデューサーがどう向き合い、どんなアレンジで聴き手に届けるのか気になるところだ。

島田昌典
島田昌典

「明日への手紙」は「まるでドラマの中で歌っているよう」

月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(フジテレビ系)の主題歌「明日への手紙」(2016年)のアレンジを手がけるのは島田昌典。初対面で、手嶌の第一印象を聞かれた島田が「思っていたよりも背が高くて…」と言うと、「小さな声しか出ないので、小さくて華奢な女の子と思われがちですが、大きいんです(笑)」と照れながら話す手嶌の笑顔は、まさに少女のようだ。手嶌の声を最大限に生かすために、楽器の数を少なくし音数を減らすのではなく、島田は敢えて管楽器を加えてドラマティックなアレンジに仕立てる。ひと言ひと言丁寧に紡いでいく手嶌。フレーズごとの語尾の余韻が、どこまでも広がっていく感じで、歌をさらに印象的なものにする。歌い終えた手嶌は島田のアレンジについて「いつもシンプルな音でやることが多いので、まるでドラマの中で歌っているようなイメージでした」と語り、島田は「ひと声出しただけで手嶌ワールドがある。すぐに情景が見えてくる、繊細で力強い歌」と絶賛していた。

冨田恵一
冨田恵一

「The Rose」は「デビューのきっかけになった大切な曲」

ベット・ミドラーのカバー「The Rose」(1990年)は「小さい頃から歌っている、デビューのきっかけになった曲」という大切な曲だ。この曲を歌ったデモテープをきっかけに、ジブリ映画『ゲド戦記』(2006年)の主題歌と挿入歌「テルーの唄」を歌い、ヒロイン・テルーの声にも抜擢された。この日のアレンジを手がけたのは冨田恵一。元々ピアノ一本のシンプルなアレンジだが、冨田はそこにストリングスを加え、シンプルさの中に柔らかさと深みを感じさせてくれる。同様に透明感の中に柔らかさと深みを感じる手嶌の歌と響き合う。手嶌の声はヒーリング・ヴォイスと言われるように聴き手を癒し、浄化されていくような感覚を与えてくれるが、そこには大きな包容力が存在し、気がつくとものすごいエネルギーをもらっていることに気づく。

斎藤ネコ
斎藤ネコ

斎藤ネコのアレンジで歌う「ただいま」

最後に披露した「ただいま」は、今年1月期に放送された綾瀬はるか主演のドラマ『天国と地獄 ~サイコな2人~』(TBS系)の主題歌。この日のアレンジは斎藤ネコ。美しいストリングスを使いながら、アコースティックギターだけで歌をフィーチャーしたり、ハープや木管を使い歌に、寄り添う。その音をキャッチしながら両手でマイクを握り、目を瞑りながら丁寧に歌う彼女の歌は、どこまでも切ない。彼女は現在も福岡在住で「離れてはいけない」という。それは「そこで生まれ、育まれた声、歌だから」だ。歌うことが仕事だが、好きだから歌うという純粋な気持ちを忘れないためにも、福岡という場所が必要なのだ。15周年、年も重ね、声が変わってきたという。「大人になって声が丸くなってきました。昔は勝気な少年のような声でした」と教えてくれる。しかし15年経ってもさらに瑞々しさが増し、聴いた人全ての心を潤し、ますます豊かなものを与えてくれる。

「新鮮で幸せな時間でした」

全てのセッションを終えた手嶌は「楽曲のリアレンジとなると、普段は小編成で行うコンサートのためという事が多いのですが、今回は、アレンジャーさんが自由に新たな解釈でアレンジするという企画で、とても貴重な経験をさせて頂きました。緊張しましたが、さまざまな音色も聞こえてきて新鮮な感じがしました。幸せな時間でした」と語っていた。手嶌のこれまでの集大成的なオールタイムベストアルバム『Simple is best』(6月2日発売)には、この日披露した楽曲も収録されている。アレンジ、歌の違いを楽しむのも面白い。

手嶌葵が出演する『Sound Inn S』(BS-TBS)は、6月19日(土)18時30分からオンエアされ、番組放送終了と同時に「Paravi」で未公開映像と共に独占配信される。

BS-TBS『Sound Inn S』オフィシャルサイト