Little Parade太志の現在地<前編>「“きちんと”引きずりながら変化、前進を続けている」

写真提供/THECOO

Aqua Timez解散からの太志の心模様を鮮やかに映し出した、新プロジェクトLittle Paradeの1stミ二アルバム『止まらない風ぐるま』

1stミニアルバム『止まらない風ぐるま』(初回限定盤)
1stミニアルバム『止まらない風ぐるま』(初回限定盤)

Aqua Timez解散から約3年。ボーカル・太志の新プロジェクトLittle Paradeが、ファンコミュニティfaniconで「Little Padade Project」という、ファンと“希望”を共有する新たな“場所”で活動をスタートさせ2年。そのプロジェクトの現時点での全貌ともいうべき1stミ二アルバム『止まらない風ぐるま』が、1月27日に発売された。すでに配信リリースされている「ユニコーンのツノ」、「色彩の行方」を含む全6曲。情景が浮かぶ詩、絵と、音楽が融合するLittle Paredeの作品は今も進化を続けているが、太志のバンド解散からの心模様を鮮やかに映し出したミニアルバムになっている。太志にこのアルバムに込めた思いをロングインタビュー。<後編>ではアートワークを担当するMakoto Tonoにも、イラスト制作秘話を聞かせてもらった。

「“エモい”曲を作りたい」

「バンドを解散してから半年経った頃に初めて作ったのが『ユニコーンのツノ』と『群雨』という曲で、この2曲はAquaTimezという過去に向けて、きちんと歌っているものになりました。いつも曲を作る時は、テーマとか持つものじゃないと思っているのですが、やっぱりバンドのことがテーマになっていたし、だからこそ自然体でできたのだと思います。解散当時と今では、バンドやメンバーに対する思いも変わってきていて、メンバーに会いたいというか、話をしたいという気持ちが大きくなってきました。『群雨』でも<元気ならもうそれでいい 会ったり話したりはしなくていい>と、その時は書きましたが、なんか恋しいなって思うことは増えました。人間は“変わる”ということから免れられないというか、それは矛盾してるとかではなく、変わっていく生き物だから。その中で通さなければいけない筋はあるかもしれないけど、変化はしていきます。“エモい”という言葉がありますが、僕は本当にエモーショナルな曲を作りたいんだなって、最初にこの曲のコードを決めた時に思いました。この2曲と、それ以降にできた4曲とで今回の作品は構成されています」。

Aqua Timezという存在を“きちんと”引きずりながら、ちゃんと前に進もうという自身への確認であり、そう確信できた思いが「ユニコーンのツノ」には込められている。

「デビューする前、20歳から始まって今41歳になって、社会に出ている中のほとんどがAqua Timezでした。約20年やっていたものが終わるのって、一番長く続いた職を失ったようなもので、大きな出来事です。それを引きずりながら、1曲や2曲で振り返れるものではなくて、決して他の曲を絞り出したという感覚ではなく、あくまで自然体で素直に今の自分の言葉を音楽にしていくだけでした」。

コロナ禍で感じたこと、やったこと

作品と向き合う中で訪れた、コロナに包まれてしまった2020年。本人もかなりダメージがあった。しかしこんな状況だからこそ、“歌”を聴いてくれる人の心にきちんと響かせたいと、改めて歌と向き合い、練習を重ねた。

「なんとなく思うのは、社会全体が鬱になっていたのでは?と思うくらい、自粛モードというものをみんなで味わっていたから、何をしていいかわからなかったと思うし、気持ちが落ちていくのを、自分でも感じていました。色々な人の意識が萎縮していて、そこで明るくいられた人は多くなかったと思います。僕自身もどちらかいうとダウナー気味になっていたので、逆に精神的にも肉体的にも健康でいなければ、という方向に意識が向きました。それで、とにかく歌の練習をしていました。表現力をつけなければと思って、Aqua Timezの時はとにかく一辺倒にストレートを投げるみたいな歌い方をしていたので、それでは進化できないと思いました。せっかく自分で歌詞を書いているので、どう表現したらいいのかということ、こういう状況の中でどれだけ繊細に響かせられるかということを、考えました。歌で縫いつなぐというか、そういう風になれたらいいなと思いました。スタジオで練習していても、隣のスタジオから懸命に練習するバンドの音が聴こえてきて。いつライヴができるかわからないけど、みんな頑張ってるんだなって。自分も頑張らなければと思いました。それから、人と会えないことが一番辛かった。Zoomなどのオンラインだと、いまひとつ思いを分かち合えないし、やっぱり誰かと会って話して、それが無駄話でもよくて、全部が効率的になると逆に余計なものが必要だと思いました。ロボットの世界にはない、無駄があるからこそ、会話って成り立っているんだということを実感しました。実際今回のレコーディングもリモートで、データのやりとりが中心でした。昔みたいにプリプロをやって、みんなでああだこうだ言いながら音楽を作れなくなりました。でもアレンジャーさんとだけは、彼の家でコードや描いている世界観をきちんと伝えました。コードは響きなので、譲れないところがあるというか、和音、“和”ってまさに今一番大事なものだから、響きが同じメロディでも全然違う伝わり方になるので、こだわりました」。

Aqua Timezのメンバーが参加した「on the BLEACHers」

『止まらない風ぐるま』(通常盤)
『止まらない風ぐるま』(通常盤)

一曲目の「on the BLEACHers」は、疾走感の中に、希望を与えてくれる言葉が散りばめられていて、Aqua TimezのメンバーだったOKP-STARと大介の名前がクレジットされている。この曲を一曲目に持ってきたのは何か思いがあったからだろうか。

「大ちゃん(大介)にアレンジをお願いしたら『ベースをOKP(-STAR)に頼もうと思う』と言ってくれて、やっぱり彼はすごく目立つベースを弾いてきたので、『そうそう、これこれ』、みたいな感じはありました。他の曲に比べてちゃんとベースが立っていると思います。彼とは昔から日常の会話では全然かみ合わないのに(笑)、音楽ではわかりあえる。それを思い出して、嬉しかったです。この作品の幕開けはこの曲以外考えられなかったし、バンド時代からアルバムの一曲目というのは、すごくこだわっていました。2015年頃にワンコーラスだけ作った曲で、5年経っているものだったので、その時とは違う物語、画が浮かんだので完成させるのが難しかったです」。

父との思い出を綴った「ウィスキー」。「父が残したウィスキーを飲み、初めて酔っぱらうということを知った。記憶って宝物」

「ウィスキー」という曲は、亡き父との思い出を語っているポエトリーリーディングのスタイルになっていて、ラップでもなく歌っているように感じる。作品を作る上で、年齢という部分がどれくらい影響しているのだろうか。

「そう言われると、そうかもしれないという感じもありますが、自分の作品に関しては、若い時のままでというつもりでいます。でも確かに若い頃にしか書けないものはあったし、これはちょっと恥ずかしいからやめておこう、という感じも少し出てきたかもしれません。この曲は、早くに亡くなっている父と、今話してみたいなという思いからできあがりました。父とは一回も一緒にお酒を飲んだことがなかったんです。亡くなった後しばらくして、棚に置いたままの父親のウィスキーを、飲み方がわからないからそのままストレートで飲んでしまったことがあって。初めてその時に酔っ払うということを知りました。当時の思い出って、1週間前のことより鮮明に覚えています。自分にとってとびきり大切なことだということを、脳が認識しているのかもしれません。記憶って本当に宝物だと思います。このアルバムも誰かの記憶に残る作品になって欲しいです」。

「“変化していくこと”が、この作品のテーマになっているのかもしれない」

自分もファンも同じように歳を重ね、変わっていく。時間がもたらす変化は止められない。そこに今回は大いに感じる部分があったようだ。

「それがこのアルバムのテーマなのかもしれないですね。変化していくこと、歳を重ねていくこと、老いもあるし、病にもかかるし、死というのは絶対やってきます。老けたとか老いたという言葉はあるけど、それは言っている本人もそうだし、必ず人間が体験することです。俺も毎日変わっているし、周りも変わっているから、地球と月じゃないけど、ずっと動いているからこそ、止まっているものがあると思い込んでいるだけで。そういうことを最近すごく感じます」。【後編】に続く

「Little Parade Project」オリジナルマスク
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