浅香唯 50歳でライザップCMへ挑戦「全てをさらけ出したあの瞬間から、とても強くなった」

写真提供/ワーナーミュージック・ジャパン

5年ぶりの新曲が収録された、35周年記念CD-BOX『YUI ASAKA 35th Anniversary~君がずっと見ている~』発売

4枚組CD-BOX『YUI ASAKA 35th Anniversary~君がずっと見ている~』(9月23日発売/ Blu-ray+3CD+35周年スペシャル・ブックレット)
4枚組CD-BOX『YUI ASAKA 35th Anniversary~君がずっと見ている~』(9月23日発売/ Blu-ray+3CD+35周年スペシャル・ブックレット)

35周年を迎えた浅香唯が、9月23日に4枚組CD-BOX『YUI ASAKA 35th Anniversary~君がずっと見ている~』を発売し、好調だ。この作品には5年ぶりの新曲「LIGHT A SHINE~月はずっと見ている」が収録され、注目を集めている。浅香といえば「ライザップ」のCMに出演し、ボディメイクした見事な体を披露し大きな話題を集めた。50歳を迎え、一念発起。約4ヵ月間で体重マイナス8.8キロ、体脂肪率マイナス9.6パーセント、ウエストはマイナス13.3センチと、50歳のアイドルはさらに美しさを増した。そんな浅香に35周年記念BOXについて、そして新曲について、さらにこれからの活動についてインタビューした。

「ミュージカル『アニー』(2014 年)に出演する前と、出演後とでは仕事に対する意識が明らかに変わった」

――35周年CD-BOX『YUI ASAKA 35th Anniversary~君がずっと見ている~』のライナーノーツの中で、歌手人生を振り返り「50歳バンザイって言えるような自分でいたいと思って、40代から色々と考えてきた」とおっしゃっていますが、どのような気持ちで50歳を迎えたのでしょうか?

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浅香 40代に入って心の持ちようがガラッと変わりました。2014年に初めてミュージカル『アニー』に出演したことがきっかけでした。それまではミュージカル自体がちょっと苦手だったんです。『アニー』のお話をいただいた時は、娘がまだ保育園に通っていて、娘より少し年上の子供たちがやっている舞台ってどんな感じなんだろうって興味が湧き、それで参加させていただきました。そうしたら、子供たちが熱い思いを持って、一生懸命取り組んでいる姿に、リハーサルから毎回涙が出そうになって、本番でもそうでした。本当に感動して、それをきっかけに私の知らない世界には、素敵なことがまだたくさんあるって気づきました。そこからです、意識が変わったのは。今まで食わず嫌いでやっていなかったことがたくさんあるのでは?と思い始めて、なんでもまずやってみようと思いました。2018年に志村けんさんの舞台『志村魂』に出演させていただいたのですが、それまでは、コントはやるものではなく、見るものだと思っていました。でも志村さんとご一緒する事で、たくさんの刺激を受けましたし、とにかく勉強になりました。最初は、足を引っ張ってしまうのでは?と不安になって、この歳でそれは申し訳ないなとか色々考えました。でもそんなことは関係なくて、この歳で始めることも、全然恥ずかしいことじゃないって思えました。失敗することもあるかもしれないけど、学ぶことの方が多いはずということに気づいたので、これから先も、えっ、そんなことやるの?ということでも、チャレンジしようと思っています。

「新しい自分に出会うきっかけというのは、もしかしたらとんでもないことをすることなのかなって思いました」

――そういう思いが「ライザップ」のCMへの出演につながっているのでしょうか?

浅香 それもあるし、間違いなく年齢ですね(笑)。私は10代の頃から、タイトスカートを履いて、ヒールをカツカツ鳴らしながら歩く、そういう大人の女性にずっと憧れていました。でもハイヒールが履けないとか、タイトスカートが似合わない自分がいて、私が思い描いていた50歳の女性とは、全然遠いところにいるなって思って。それは体型とか容姿だけはなく、40代で“覚醒”したと思ってやってきましたが、内面的にもまだまだ全然追いついていなくて、何か生まれ変わるきっかけというか、新しい自分に出会うきっかけというのは、もしかしたらとんでもないことをすることなのかなって思いました。

――確かに、昔から応援してくれているファンや、浅香さんを知っている人は、誰もがビックリしたと思います。

浅香 私の中ではとてつもないことへのチャレンジなので、軽い気持ちで「やってみようかな」ではなく、ものすごく長い間悩みに悩んで、「よし、今だ」って決意したのが、50歳目前でした。

「『ライザップ』のCMへの出演は、娘のひと言で決めました」

――ご家族の意見はどうでしたか?。

浅香 私、人の意見を聞くとダメなんですよ。気持ちが揺れちゃうなって思って。

――揺れるけど、もう決めているんですよね?。

浅香 決めてはいると思いますが、でも揺れるのが嫌なんです。例えば主人に相談をした時に、長い付き合いなので、どういう言葉が返ってくるのか大体想像がつきますが、その言葉のニュアンスを私が勝手に汲み取って「だったらやっぱりやらない方がいいのかな」って思ってしまうと感じたので、相談はしませんでした。事後報告で驚かせてしまいました。最終的に唯一相談したのが娘で、娘がどう思うのかが私の中では一番大きかったです。娘に「こういうことをママはやりたいって思っているけど、どうかな?でもママがそれをやることによって、あなたは学校でお友達に何か言われるかもしれないし、嫌な気持ちになるかもしれないから正直に言っていいよ」って言ったら、彼女は「何で!?ママがやりたいんだったらやりなよ!絶対やった方がいいよ!」って言ってくれて、そのひと言で決めました。

――実際にCMを観ていかがでしたか?

浅香 アフターはいいですけど、ビフォーが笑っちゃう(笑)。本当にそこだけは娘が誰かに何かを言われないか気になるところではあったのですが、彼女は「全く気にしないし、もしママのことを悪く言う人がいたら、私がやっつけるっ!!」って言ってくれて(笑)、心強かったです。それでトレーニングが始まって、目から鱗だったのが、まずモチベーションを下げないためにメンタルの部分をすごく大切にしてくれることと、ダイエットをして体重を落とすというよりも、毎回データをきちんと録って、健康的な体を作ることを目指しているところでした。だから信頼して、真っすぐボディメイクに向かっていくことができました。

「全てをさらけ出して、自分は変わるんだという決意がなければ、何も変わらないと思った。だから私はあの瞬間からとても強くなった」

――5年ぶりの新曲「LIGHT A SHINE~月はずっと見ている」のミュージックビデオもライザップとのコラボになっています。この曲はファンの方達に向けた歌になっていて、浅香さんの、ファンのためにいつまでもきれいにいなくちゃ、という思いも一緒に伝わってくるようでした。

浅香 「綺麗になりましたね」という言葉を頂いて、それはすごく嬉しいのですが、もちろんファンの方の為にも、当時のアイドル・浅香唯像は、ずっと崩したくないという思いは根底にはありますが、そこに私がちゃんとついていけてなかったというか。自分に自信があるかないかで、何をやっても、何を作っても左右されるところがあったので、どんどん弱気になっているところは自分でも気になっていました。でも今回RIZAPさんにお世話になったことで、気持ちがすごく強くなって、育てていただいた感じです。この年で歯を食いしばって、何かに頑張ったり、とにかく自分を一回さらけ出して、現実の私はこう、でも絶対ここから変わります!って誓えたことが大きかったと思います。全てをさらけ出して、自分は変わるんだという決意がなければ、何も変わらないと思いました。だから私はあの瞬間からとても強くなったし、怖いものがなくなったというか、何でもできそうな気がします(笑)。

「『LIGHT A SHINE~』は今の浅香唯が、当時のアイドル・浅香唯を連れてきて歌うとしたら、ということを想像しながら歌いました」

――「LIGHT A SHINE~月はずっと見ている」はSUNNYさんが作詞・曲・アレンジを手がけていますが、最初に歌詞を読んだときは浅香さんが歌詞を書いていると思ってしまいました。

浅香とSUNNY
浅香とSUNNY

浅香 今までは歌詞を書いてきましたが、私は自分で伝えたい言葉だけを出すのではなく、いただいたものに憑依することで、新しい浅香唯が生まれて、発信できることが今までもあったので、もちろん自分の言葉を伝えることは大事だと思いますが、新しい自分に私も出会いたいですし。だから昔からお世話になっている作家の方ではなく、浅香唯を知っている第三者の目から見た私を描いてもらうと、どうなのかなっていう興味はがすごくあって。

――SUNNYさんにはご自身の話、ヒストリーや考え方などは伝えたのでしょうか?

浅香 いえ、それがしていないんです。なんとなくこんな感じがいいなということしか伝えていなくて。ライヴでコール&レスポンスが楽しめる、定番曲にしたいとか…。本当にSUNNYさんにお任せで、曲を頂いた時も「いいじゃん!完璧」って思って、SUNNYさんはもっとリクエストが来ると思っていたようで、拍子抜けしたみたいでした(笑)。

「昭和のアイドルソングの雰囲気も残しつつ、令和時代でも通用する」

――浅香さんとファンとの素敵な関係を描いていて、浅香さんにしか歌えない“大人のアイドルソング”になっています。浅香さんのこれまでのイメージを、そのまま今歌ったらどうなるんだろうという意味での、“大人のアイドルソング”という感じがしました。

35周年記念の新曲「LIHGT A SHNE」
35周年記念の新曲「LIHGT A SHNE」

浅香 そうなんですよね、ちゃんと昭和のアイドルソングの感じも残しつつ、でも令和の時代でもちゃんと通用する曲になっていて、本当に新しいところに連れて行ってくださいました。ただかわいいだけ曲だと、恥ずかしいという気持ちが先行してしまうかもしれませんが、メロディラインが柔らかくて優しくて、でもキャッチ―でポップで本当にいい曲だと思います。数々のアーティストを手がけているSUNNYさんの世界観を、私がただ歌うというよりも、SUNNYさんがご自身の世界観と私の世界観とを擦り合わせて化学反応を起こしてくれました。50歳の浅香唯が、過去のアイドル・浅香唯を連れてきて歌うとしたらこうだなって思い描きながら歌いました。

「5年ぶりの新曲なのでファンの皆さんは、ライヴが行える日まで聴き込んでいただいて、どういう振り付けで楽しむか、練って待っていて欲しい」

――浅香さんとファンの関係を太陽と月に例えて、でも飾らないリアルな言葉が並んでいます。個人的には<柔らかいスピード>という言葉が、浅香さんっぽくてすごくいいなと思いました。ファンの方たちも、ちゃんと一緒について来られるような歩幅とスピードで、35年間やって来たということをこの言葉が表していると思いました。

浅香 本当にそうだと思います。

――歌詞に”外連味(けれんみ)”とか”手鏡”、“ツレナイ”という、最近の曲にはあまり出てこない言葉が使われています。

浅香 そうですよね、今「手鏡ちょうだい」なんてこともあまりないし、昭和歌謡にはよく出てきましたよね。でも、ここからストーリーが始まるというひと言目に<外連味>という言葉を持ってくるところが、やっぱりSUNNYさんらしいというか、タイトルの「LIGHT A SHINE」も「SHINE A LIGHT」じゃないのかなって思ったくらいで、でもそこがSUNNYさんらしいこだわりというか。いい意味で作詞家さんではない感じがして、そこがよかったです。

――歌詞と、曲のポップさが相まって、逆にフレッシュな感じがします。

浅香 本当にそうなんですよね。新しいけど絶対懐かしさが残っている感じがすごくいいです。

――レコーディングの時は、SUNNYさんのディレクションはどんな感じだったのでしょうか。

レコーディングメンバーと
レコーディングメンバーと

浅香 最初に歌った時にSUNNYさんが「おお、浅香唯だ!」っておっしゃっていて(笑)、当時の私の歌を聴いて、ビブラートにドキッとしたと(笑)。それが今も変わっていないので、SUNNYさんの中での浅香唯像がこの曲でも見えたとおっしゃっていました。でもあまり歌わせてくれなかったんですよ(笑)。本当はもっと歌いたかったのに、3回くらい歌ったら「OKです」って言われて「うそでしょ!?」って言いました(笑)。

――SUNNYさんはライナーノーツで「10回以上歌わせたら失礼に当たると思い遠慮させていただきました。確かに歌えば歌うほどドンドン声が出てきて、後半のテイクがすごく良くて」と言っています。

浅香 昔からそうなんです。いつも深夜からレコーディングをスタートして、オールナイトでやっていました。スタッフさんはたまらないと思いますが(笑)、でも昔からやったらやっただけ自分のものにできる感覚があって…。だからもっと歌いたかったんですけど、でもいい仕上がりで、またライヴで歌えることを楽しみにしています。ライヴはまだ未定ですけど、5年ぶりの新曲なので、ファンの皆さんはその間に聴き込んでいただいて、どういう振り付けで楽しむか、練って待っていて欲しいです。

「LIGHT A SHNE」で油絵に初挑戦。完成した自画像が紙ジャケットに採用される

――MUSIC VIDEOの中で絵を描くことに挑戦していますが、完成したものがジャケットに使われていますが、“画伯”感が漂っています…。

浅香 観ていただいたらわかると思いますが、私絵を描くのがすごく苦手なので、最初は「え~」って思いました(笑)

――苦手なことを5年ぶりの新曲のMVでやるという、チャレンジャーです(笑)。

浅香 最初絵は映らないって言われたんですよ。

(スタッフ) そんなことひと言も言っていません(笑)。

――RIZAPでさらに美しさに磨きがかかった新しい浅香唯が、自分のこれからを描く、みたいなイメージですか?

浅香がMV内で描いた自画像の油絵がジャケットになっている、「LIGHT A SHINE」の紙ジャケットCD
浅香がMV内で描いた自画像の油絵がジャケットになっている、「LIGHT A SHINE」の紙ジャケットCD

浅香 そうです。でも油絵自体やったことなくて、水彩画しか知らないので油絵って何?というところからスタートしました。でも皆さんに色々と教えて頂きながら描いていくうちに、ちょっとだけその気になってきて(笑)、時間がないのにその場で完成させようとしている自分がいて、しかも最後にサインまで入れて、あの時は画伯みたいな気持ちになっていました。だから外に出すのをあれだけ嫌だって言っていたのに、結局ジャケットまでにしちゃって(笑)。

(スタッフ) ぶっちゃけ言うと、浅香さんがああやって絵を描けるなんて思っていませんでした(笑)。

浅香 描けてないから(笑)。あれ、何も考えないで筆を入れました(笑)

――何を描くか決めずに、白いキャンバスにいきなり描き始めたんですか?

MVの撮影は23thシングル「Ring Ring Ring」(1997年)以来、23年ぶり
MVの撮影は23thシングル「Ring Ring Ring」(1997年)以来、23年ぶり

浅香 そうなんです。MVの中に、ビルの屋上でジーンズにTシャツで歌っているシーンがあって、すごくナチュラルで大好きなシーンで、広い空に向かいながら歌っている自分が、未来に向かって希望を持っている姿に見えて。あのシーンを最初に撮ったので、それを描きたいなって思いました。なので、これは一応私なんです(笑)。希望に向かっている、まだ夢見る少女、みたいなイメージで描いた自画像です。

――最初娘さんを描いているのかなと思ったのですが、自画像だったんですね。このジャケットも含めて、5年振りの新曲、MV、そしてCD-BOXと、賑やかな35周年になりましたね。

浅香 そうですね。本当に初めてのことづくしで楽しめました。新曲もファンの方から「今までの唯ちゃんとこれからの唯ちゃんをちゃんと感じることができて、こういう曲を待っていました」という声をたくさんいただけて、嬉しいです。

「SNSは怖いものと思っていたけど、よりみなさんの気持ちに寄り添えるようになったし、近くに感じることができて安心できる」

――この状況になって色々なことを考えたと思いますが、浅香さんの中で表現者として一番変わったと思う部分はなんですか?

浅香 コロナによって引き起こされたこの状況って、人と人を引き裂いていくじゃないですか。距離をおくことが当たり前になっているこの時代に、ファンの方たちとの心の距離がどんどん遠くなるんじゃないかなってすごく不安になって。だから私には縁遠いと思っていたSNS、インスタを始めたことが私の中ではすごく大きいです。みなさんの声を聞く手段って、今までは私のラジオ番組しかなかったのが、今ダイレクトに声が届くので、そこが一番変わったところです。

――心の距離が離れていくのは不安ですが、SNSでのコミュニケーションの取り方は、逆にその距離感が難しいですよね。

浅香 私たちが生活をしている社会同様、モラルやルールを守らなければいけない世界だと思います。でもずっと怖いものと思っていた感じとは違いました。よりみなさんの気持ちに寄り添えるようになったのかなって感じています。すごく近くに感じることができて安心できるし、嬉しい気持ちにもなるし。情報をただ公開するだけのツールだと思っていたけど全然違って、そこでは心が通じ合っているんだとInstagramを始めてすごく感じました。今まであまりにも情報を出していなかったので(笑)、喜んでいただけていると思います。もっと早く始めればよかったのにと思われるかもしれませんが、でも私のタイミングは“今”だったんです。ファンの方も私同様アナログの方が多いと思いますので(笑)、ここから一緒に成長していきましょう(笑)。

浅香唯 オフィシャルサイト

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