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子どもはもちろん、大人もハマる『おとうさんといっしょ』 たいせいとゆめが語る、その魅力 

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
左からシュッシュ、ゆめ、パンタン駅長、たいせい、ポッポ(写真提供/NHK)

大人も気になる音楽、シュールかつ心温まるコント

BSプレミアム毎週日曜午前8時30分~/再放送:毎週水曜午前11時15分~)
BSプレミアム毎週日曜午前8時30分~/再放送:毎週水曜午前11時15分~)

現在NHK BSプレミアム(毎週日曜 午前8時30分~)で放送中の「おとうさんといっしょ」という番組を知っているだろうか。子どもがいる家庭では定番の、大人も楽しめるエンターテインメント番組だ。“国民的番組”「おかあさんといっしょ」の兄弟番組として2013年から放送がスタート。3〜6歳の子どもとその家族向けに、収録スタジオが一体となって楽しむコンサート、体を動かしながら親子でスキンシップする遊び、そして個性的だがどこか憎めないキャラクターたちが繰り広げる、シュールかつ心温まるコントやミニゲームなど、毎週多彩なコーナーを届けてくれる。音楽も秀逸だ。大人も思わずニヤッとしてしまう歌謡曲テイストの曲や、上質なポップスなどが番組を彩る。

舞台は、蒸気機関車「D103」が走る鉄道会社「レオレオれーるうえい」の終着駅、「レオレオ駅」。 今回、シュッシュとポッポ、パンタン駅長と賑やかな日々を送る入社3年目の“たいせい”と“ゆめ”に番組の魅力についてインタビューした。

「1年目は無我夢中で走り、2年目に入ってステージ立って歌うことに対して、深く向き合えるようになりました」(たいせい)

「(初代で前任の)せいやさんとなおさんが作ってくれた『レオてつコンサート』の雰囲気から、徐々に私たちのステージのカラーに変えられるようになってきたと感じたのが、1年目の後半でした」(ゆめ)

――“仲間”に加入して3年目に入りました。もう3年、まだ3年、実感としてはどちらですか?

たいせい
たいせい

たいせい 両方ですね。スーツを着てレオレオ駅に初めて行った時から今年で3年目に入ってあっという間だったなという感覚もありつつ、レオてつコンサートや、地方でのイベントを経験させていただいたので、しっかり詰まった濃密な2年間という感覚です。

ゆめ 私はすごく早かったです。たいせいくんも言っているように、思い返してみると、みんなと色々なことをやってきて、色々なところにも行って、そういう思い出を辿ってみると、あっという間の2年間でした。

――1年目はガムシャラに突っ走ってきて、2年目に入って、自分たちのカラーをより出していきたいという思いが強くなってきたという感じですか?

ゆめ
ゆめ

ゆめ 1年目は一つひとつ、ふたりで乗り越えていこうという気持ちがすごく強かったです。

たいせい 1年目は、どうやったらレオレオ駅に来てくれる親子を楽しませることができるのかをずっと考えていたのですが、その頃は自分たちがまずコンサートを楽しむことに必死だったので、視野が狭くなっていたかもしれません。2年目から少しずつステージに立って歌うということに対して、深く向き合えるようになったというか、視野が広がってきて、子どもたちをどう楽しませるかを考えられるようになりました。

ゆめ (初代で前任の)せいやさんとなおさんが作ってくれた「レオてつコンサート」の雰囲気から、徐々に私たちのステージのカラーに変えられるようになってきたと感じたのが、1年目の後半でした。

「コンサートに来てくださる大人の皆さんも、前のめりで楽しんでくださっているのを毎回感じています」(ゆめ)

――みなさん親子で楽しんでいらっしゃいますが、「おとうさん」を楽しませたいという気持ちも強いですか?

たいせい もちろんです。歌はもちろん、振りつけも子どもたちがおぼえやすいように、やりやすいようにというのは常に考えていますが、子どもたちだけ楽しんで、お父さんお母さんは見ていてください、というよりは歌も体操もみんなで一緒にやりましょうといつも思っています。

ゆめ お父さんお母さんも番組のファンという方が多くて、本当にありがたいです。コンサートに来てくださる大人の皆さんも、前のめりで楽しんでくださっているのを毎回感じています。

「お父さんお母さんに向けて書かれている歌詞もあるので、『おとうさんといっしょ』らしさはそういうところにもあると思います」(ゆめ)

――大人も楽しめる歌が多いです。もちろん子ども向けですが、そっちに向きすぎていないというか、大人がグッとくる歌詞も入っていて、大人も子どもも両方が楽しめる楽曲が多いです。

「ねがおに ありがとう」
「ねがおに ありがとう」

たいせい 「ねがおに ありがとう」は昭和歌謡のようなメロディで、お父さんやお母さんには懐かしいと思ってもらえると思いますし、子どもたちには振り付けが面白いので楽しんでもらえると思います。僕たちもヘアスタイルをガラッと変えて歌っていて、不思議な世界観が魅力です。

「お父さんは こどもだった」
「お父さんは こどもだった」

ゆめ 「お父さんは こどもだった」という曲があって、それはお父さん目線で書かれていて、そういう曲も何曲かあります。お父さんお母さんに向けて書かれている歌詞もあるので、「おとうさんといっしょ」らしさはそういうところにもあると思っています。

「とにかく自分たちが楽しむことで一番“らしさ”が出ると思う」(たいせい)

――たいせいさん、ゆめさん、そしてシュッシュ、ポッポ、パンタン駅長と、キャラが立った5人の関係が絶妙というか、抜群のチームワークですごくいい空気感を感じます。

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たいせい 初めの頃は、どうやったら僕らの色を出していけるんだろう、と考えていました。みんなを笑顔にするやんちゃなシュッシュ、不思議な世界観を持っている乙女なポッポ、温かくみんなを見守ってくれるパンタンさん。だから、こうしようというよりも、あの空間でみんなで楽しんでいるうちに、そういう空気感が出てくるというか。僕らが楽しんでいることで、一番自分らしさが出るのかなって思いました。

ゆめ そこは同じです。とにかくアットホームな雰囲気なので、安心できるというか、その中で自分たちがとことん楽しむことが大切だと思います。

たいせい 日曜日の朝8時半に、「おとうさんといっしょ」を観て僕たちと一緒に親子で楽しんでいただきたいです。

――この番組で大切にしていることを教えてください。

ゆめ 私は最初になおさんとロケに行ったとき、「『おとうさんといっしょ』では、ゆめちゃん自身が楽しむことが大切」という言葉をいただいて、それはずっと大事にしています。

たいせい 僕は常に子どもたちと近い目線でいることです。“一緒に”という言葉を大切にしていて、一緒に歌ったら楽しいな、一緒に踊りたい、一緒に体操したいな、と思ってもらえように頑張っています。

「なおさんの声で歌っていたその曲が好きだったから、どう歌ったら自分の色になるんだろうって悩んだ時もありました」(ゆめ)

「コンサートで、緊張して楽しめない子どもたちにかけるひと言の大切さを、せいやさんに教わりました」(たいせい)

――これまでコンサートで思ったようにできなかったり、うまくいかなかったり、落ち込んだこともありますか?

ゆめ なおさんが歌っていた曲を、私が歌うときに責任、プレッシャーを感じていました。なかなか自分の思うように、納得できる歌が歌えないと思う時もありました。なおさんの声で歌っていたその曲が好きだったから、自分が歌うときにどう歌ったら自分の色になるんだろうって悩んだ時もありました。もちろんその時その時楽しんで歌っていますが、こうかなあ、こうした方がいいかなあ、という悩みを1年目は特に感じていました。

たいせい コンサートをやって、こうしたら良かったのかなあと思うことは今でもあります。家では一緒に踊ることができるのに、コンサートでは緊張して踊れないという子どもたちに、「座っていても大丈夫だよ」というそのひと言が、最初の頃は出てこなくて。せいやさんに相談をして「そのひと言があるだけで、子どもたちも安心するよ」って言われて、言葉をかけられるようになって、気持ちが楽になりました。

ゆめ せいやくんとなおさんのコンサートの映像を今でも観ることがあって、子どもたちにこういう声のかけ方をしたらいいんだなって、勉強になることがすごく多いですね。

――せいやさんとなおさんのいいところは引き継ぎつつ、新しい自分たちの色や世界観を作っていかなければとプレッシャーも大きかったのでは?

たいせい 特に1、2年目はどうしたら僕らを含めた新しい5人の「おとうさんといっしょ」になるんだろうと日々考えていました。

ゆめ 一朝一夕にできるものではなく、やっていくごとにできていくものなんだと、今になって気づきました。

「大人も子どもも楽しめる、本当に色々な、バリエーションに富んだ歌が『おとうさんといっしょ』の歌のよさだと思います」(たいせい)

――難しい質問ですが、お2人にとって、特に思い入れが強い曲を教えて下さい。

たいせい・ゆめ 全部オススメです(笑)

「ながれぼし」
「ながれぼし」

ゆめ 個人的なことになりますが、「ながれぼし」は自分でギターを弾いて歌ったこともある曲なので、みなさんにも楽しんで欲しいです。それと、レオレオ駅のアイドルユニット・ピンクドラゴンは、子どもたちにもすごく人気で、その新曲「☆ルリア」は、ピンクドラゴンと同じ衣装を着てコンサートに来てくれる子もいたので、みんなで一緒に楽しめたらいいなと思っています。

――「ながれぼし」は、大人でも楽しめるポップスですよね。

ゆめ そうなんです。子ども向けの楽曲とは思えないようなテンポ感とリズムで、このオケがすごく好きで、ずっと聴いていた時もありました。

「きみはぼくのともだち」
「きみはぼくのともだち」

たいせい 全部と言いたいのですが「きみはぼくのともだち」は、シュッシュと2人で歌っていて、友情がテーマとなる映像を撮影したこともあって、思い出深い曲です。「ティンガリング♪ダンス」は、映像が切り絵で構成されていて、これは絶対観て欲しいですし、振り付けも楽しめます。

ゆめ 「ジャンプメドレー」(E7系っていいな~パパふんじゃった~やってみYo!)はコンサートで一番盛り上がります。コンサートで踊ってももちろん楽しいけど、おうちのテレビの前でも思い切り歌って踊って欲しいです。

たいせい お父さんお母さんもぜひ振りを覚えてみて欲しいです。「☆ピンクドラゴンのでんせつ」、「☆ルリア」、「きみはぼくのともだち」など、親子で踊ると楽しいと思います。

ゆめ 「ねがおに ありがとう」をお父さんとお母さんで、とことんなりきってやってもらうのも面白いと思います(笑)。

たいせい 新しい曲の「モンDE YA!ルチャ」は、僕も踊ってみていい運動になるというか、上下運動もあるので運動不足の方にはオススメしたいです(笑)。

ゆめ 「ゴー!ゴー!エクスプローラーズ」のサビの部分の動きが、肩こりに効くかもしれません(笑)。

たいせい そんな風に、おうちで盛り上がっていただけるとすごく嬉しいです。大人も子どもも楽しめる、本当に色々な、バリエーションに富んだ歌が「おとうさんといっしょ」の歌のよさだと思います。

「この番組をもっともっと色々な人に知って欲しい」(ゆめ)

「5人だけど5色じゃないというか、無限に色があるような形を見せることができると思います」(たいせい)

ー―これから「おとうさんといっしょ」をこういう番組していきたいという展望を教えてください。

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ゆめ 私は単純にこの番組をもっともっと色々な人に知ってほしいという思いがあります。それから、みんなでバンドをやりたいという話が出たのですが、ぜひ実現させたいです。例えば私がギターを弾いて、ポッポはアコーディオンで、たいせいくんはハーモニカ、シュッシュとパンタン駅長はカスタネットとか、そういうアコースティック編成のバンドをやってみたいです。

たいせい 僕はもっとたくさんレオてつコンサートをやりたいです。歌もたくさんできたので、それをもっともっとみんなと歌って踊りたいです。他にも「おとうさんといっしょ」のコーナーでは、みんなが色々なキャラクターに扮して劇をやったりするのですが、例えばシュッシュがマイケル・ジョーダンならぬマイケル・シューダンというキャラで、僕にバスケットボールを教えてくれるんです(笑)。そういうのもすごく面白いので、劇やコントもたくさんやっていきたいです。

ゆめ もっと色々な「やってみYo!」をやってみたいです。

――これだけキャラが立っている5人のチームだと、色々なことができそうですよね。

たいせい 5人だけど5色じゃないというか、無限に色があるような形を見せることができると思いますし、それができる5人だと思っています。

『おとうさんといっしょ うたスペシャル みんなでおはにゃちは~!』(8月19日発売/¥3,200(本体)+税/ポニーキャニオン)
『おとうさんといっしょ うたスペシャル みんなでおはにゃちは~!』(8月19日発売/¥3,200(本体)+税/ポニーキャニオン)

個性豊かな5人組の毎日をギュッと凝縮した、そして名曲の数々が楽しめるDVD『おとうさんといっしょ うたスペシャル みんなでおはにゃちは~!』が8月19日に発売。たいせい(木戸大聖)と、ゆめ(竹内 夢)が加入して初のうたスペシャルDVD。

ポニーキャニオン オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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