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城 南海 初クラシカルコンサート、初冠番組に挑む 11年目に突入し「殻を破っていきたい」

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/BSフジ

今年1月にデビュー10周年を迎えた城 南海。5月には初のベスト盤『ウタツムギ』(オリジナルベスト+カバーベスト)をリリースし、新たな気持ちで11年目に突入し、次の10年、20年へ向け、洋楽カバーのライヴ、クラシカルコンサート、初の冠番組と、“新しい自分”をファンに楽しんでもらいたいと精力的に動いている。そんな城にインタビューし、歌への思いを改めて聞いた。

「10周年というのは、歌手としてはまだまだひよっこ」

ライヴPhoto/ハヤシマコ
ライヴPhoto/ハヤシマコ

「10年というのは、歌手としてはまだ殻を破って出てきたくらいの、ひよっこだと思っています。10周年ということで振り返る時間がありましたが、それよりも一昨年、体調を崩して歌えない時期があった時、その時に、『私は歌っていないと、こんなにダメになるんだ』と実感しました。音楽が当たり前にあったので、それができない(歌えない)ことがすごく苦しかった。改めて、音楽はなくてはならないものだと心から思ったし、とにかく自分が元気で、みなさんに歌を届けることが大切だと思いました」。

ドクターストップがかかり、歌えない日々の辛さが、逆に歌手・城 南海を成長させたようだ。今までの歌を振り返ることよりも、歌える喜びを心から感じたことが、10年間歌い続けてきた城への、神様からの贈り物だったのかもしれない。だから新しい事にチャレンジして、ファンをもっと喜ばせたい、楽しんで欲しいという気持ちが大きくなってきたのではないだろうか。洋楽のカバーライヴ、クラシカルコンサートもそのひとつだ。

「これまで積み重ねてきたものを大切にしながら、色々な殻を破っていきたい」

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「言葉を大事にしたい、日本語を大切にしたい、奄美という島を通して日本の良さを伝えたいという思いが、私の活動のベースにあったので、オリジナル曲はもちろん、ほとんどの曲が日本語詞です。そういう歌を歌ってきましたが、一度日本語に囚われずにやってみようと思い、企画したのが洋楽のカバーライヴ『ウラアシビ~10thAnniversary~』です。普段のツアーが「ウタアシビ」なので、その“ウラ”です(笑)。海外で歌う事も増えてきて、そこでいつも思うのは、言葉は関係なく、城 南海という音楽を確立して、海外でもっともっと歌いたいということです。もちろんこれまで積み重ねてきたものを大切にしながら、色々な殻を破っていきたい。今まで積み重ねてきたものがあるからこそできることも、たくさんあると思う」。

「殻を破っていく」という言葉に力がこもっている。ここから新しい道を、自らの手で切り拓き、とにかく前に進んでいくという意志が込められている。洋楽のカバーライヴもそうだし、9月には初のクラシカルコンサート『城南海with1966カルテット』を行う。1966カルテットは松浦梨沙(Vn)、花井悠希(Vn)、林はるか(Vc)、増田みのり(Pf)の、クラシックのテクニックを駆使した洋楽カバーを演奏する女性カルテットで、海外でも高い評価を得ている。

「いつかクラシカルコンサートをやりたいと思っていた。プライベートでも仲良しの1966カルテットさんと、5人だからこそのハーモニーを作る」

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「いつかクラシカルコンサートをやりたいと思っていて、真っ先に浮かんだのが、以前お仕事で一緒になって以来意気投合して、普段から仲良くさせていただいている1966カルテットさんでした。私の曲は1966カルテットのみなさんがアレンジしてくれて、もちろん1966カルテットさんの楽曲も演奏します。普段の仲の良さから、ハーモニーが作られていくと思うし、クラシック音楽も自分の体の中に流れているので、このコンサートだけでしか聴けない音色が出来上がると思います。3か所(9/4東京・紀尾井ホール、9/8長野・軽井沢大賀ホール、9/28愛知・三井住友海上しらかわホール)とも素晴らしいホールです。クラシカルコンサートですが、もちろん三味線も弾くので、そこには奄美の風が吹くはず(笑)。どんな“響き”が生まれるのか、私も楽しみです」。

城と1966カルテット、プライベートでも仲が良いという女子5人の女子トークが、そのまま番組にもなったのが、7月5日からスタートした、城初の冠番組『城南海のGirls on Talk!!』(BSフジ 毎週金曜23:55~24:00)だ。

初の冠番組は「趣味が番組になった感じの、オトナ女子トーク番組」

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「趣味が番組になった感じです(笑)。1966カルテットのみなさんと、メイク、キッチン&テーブルウェア、ネイル、アクセ、そして軽井沢をテーマにした、オトナ女子トーク番組です。女子が5人集まるとうるさいです(笑)。雑誌『FUDGE』さんに協力していただいて、最新のオトナ女子力を身に着けるのが目的で、5分番組ですが、情報をギュッと凝縮させているので濃いです(笑)」。

11月には、初となるBunkamuraオーチャードホールを皮切りに、『ウタアシビ 10周年記念ツアー』が全国6か所で開催される。

平成元年生まれの奄美の歌姫はデビュー11年目に入り、新しい自分を求め様々なことにチャレンジし、自分を高めていく。そして、聴き手により大きな感動を与える。

BSフジ 城 南海クラシカルコンサート特設サイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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