熱いコアファンコミュニティが話題 愛と情熱溢れる“ホーム”、「fanicon」とは

「クローズドだからこそ熱量が高くなり、アイコンとファンの繋がりが深くなる」(写真:アフロ)

“『できっこない』に挑み続ける”会社・THECOOが挑んだ、月額会員制コミュニティ「fanicon」

THECOO代表取締役CEO平良真人氏(写真提供/THECOO株式会社)
THECOO代表取締役CEO平良真人氏(写真提供/THECOO株式会社)

アーティスト、有名人とファンとの距離――SNSの登場後は明らかにその距離感は変わり、ファンは憧れの人と、気軽にコミュニケーションをとれるようになった。ファンは「憧れの人に自分のことを知ってもらいたい、話を聞いてもらいたい」という思いになる。応援される側は、それに応え、コアファンとの関係を深めることで、熱い、強固なコアファンコミュニティを築くことができる。特に若いファンにとってのメディアとは、まだまだテレビの影響力も大きいが、やはりネットだ。そんな中で、アーティスト、有名人とファンとの強固な関係を構築できると、急速に拡がっているファンコミュニティアプリが「fanicon(ファニコン)」だ。2017年12月にサービスをスタートさせ、“アイコン”と呼ばれる、アーティスト、俳優や著名人、YouTuberやインスタグラマーらが、ファンとの濃密な双方向コミュニケーションを実現。このサービスを運営する、THECOO(ザクー)株式会社代表取締役CEO・平良真人氏に、これからの時代の“アイコン”とファンの距離、関係について話を聞いた。

「“アイコン”とファンのコミュニケーションのギャップを埋めたいと思った」

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「「fanicon」は、元々私どもがやってきたインフルエンサーマーケティング事業から派生したものです。メインはYouTuberやインスタグラマーをサポートし、インフルエンサーを活用したいクライアントをサポートする、その両方を行っていました。その活動の一環として、女性のYouTuberのオフ会をやりました。パネルディスカッションや、メイクのチュートリアルのようなものをやったり、色々なイベントを用意しました。イベント終了後、参加したYouTuber5人の前にファンの方が列を作っていました。お目当てのYouTuberと話をしていたのですが、「いつも見て、応援しています」とか、個人的な感想を伝えていて、コミュニケーションが一方通行でした。身近な存在のはずのYouTuberといえど、コミュニケーションは一方通行になっていて、それがもったいないと思ったのがきっかけです」

「faniconはコンテンツではなく、人と紐づいている場所」

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YouTuberの事をもっと知りたい、自分の事も知ってもらいたいという、ファンの心をくすぐる“特別な場”として「fanicon」をリリースした。当初はYouTuber、インスタグラマーがメインだったが、現在はシンガー、アイドル、俳優、ジャンルを問わず、様々な“アイコン”が参加し、1000を超えるコミュニティが存在している。

「コアファンが集まる熱量が高いコミュニティでは、それぞれがチャットやライブストリーミングなどで交流を深めてはいますが、コンテンツではなく人と紐づいた場所で、そこに課金していただいているという感覚です。あくまで従来のファンクラブとは別ものです。一方でオープンのSNSとも違う、そのアイコンの熱狂的なファンしか存在しないクローズドな場所なんです。でも実は、これをみなさんが求めていたのかなと思います」。

「今はオンラインの技術の発達に伴い、音楽の売れ方、聴かれ方も変わってきている“節目”。ファンとの距離感についても考えるタイミング」

アーティストに限ってみると、日本のデジタル音楽市場では、ストリーミングサービスの売上げが、ダウンロードを上回り、今後はさらにサブスクリプション型の音楽配信にシフトしていく。プロモーションもテレビの影響はまだまだ大きいものの、デジタル上のコミュニケーションをさらに強化していく必要がある中で、ファンとの関係、距離の捉え方も変化していくタイミングなのかもしれない。

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「もちろんファンとの距離感はアーティストによって違いますし、活躍してるジャンルによっても違います。個人の嗜好性によっても違うと思うし、違っていいんじゃないかなって思っています。ただ大きな流れとして、こういったオンラインの技術の発達によって、より近くなることができる環境にはあります。そこにどうビジネスチャンスを見出すのか、逆にそこから距離を置こうという考え方もあると思います。音楽の売れ方、聴かれ方が変わっていく中で、節目の時だと思います。ライヴは会場不足の問題はありつつも盛り上がっていて、やっぱり普遍的なものだと思います。昔、坂本龍一さんのインタビューを読んで、ちょうどナップスターが出てきたタイミングだったと思いますが、坂本さんがはっきり『もうライヴしか残らない』ということを言っていて。僕は当時からライヴに行くのが好きだったので、その言葉がスッと入ってきました。ライヴは一回限りのものです。例えば何回同じセットリストをやっても、好きなアーティストであるほど、その違いがわかるじゃないですか。やっぱりあの空間で聴くから特別なものになると思います。ライヴ配信をしても、あまりそういう部分は伝わらないなって感じていて。やっぱりベース音が鳴らないと、体に響いてきません(笑)。特にロックバンドはそうですが、やはり現場に行かなければ伝わらないものがあって、そこをどう縮めるのかが、ARやVRの技術とかも含めて、変わっていく節目だと思います。そういう状況が価値があることだと思うし、体験できることが価値になると思っています。「fanicon」に関してはコミュニティなので、ファン同士を含めて、その人自身が近くなるというか、ライヴというコンテンツに対する近さではありませんが、大きな意味でライヴって“生”ということなので、人間を感じるところが大事になってくるタイミングだと感じています」。

「クローズドだからこそ熱が高まり、繋がりが深くなる」

少しでも長く活動を続けるためには、熱狂的に支えてくれるコアファンの存在は不可欠だ。そのファンの熱が拡散し、幅広い新規ファンの獲得につながっていく側面もある。

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「コアファンはそれぞれのアイコンのファンのベースの大きさに関わらず、一定のパーセント存在します。そういうファンを、自分の活動の規模に関わらず大事にしていきましょうというのが、僕らのサービスの根幹です。「fanicon」に関しては、ここしかターゲットにしていないので、ファンを増やす活動は、アーティストであればライヴだと思うし、ストリーミングでも流すし、YouTubeも利用すると思います。一方でコアファンの人たちって、例えファンクラブ限定ライヴだったとしても、そんなに話すことはできないと思います。でも「fanicon」という場があれば、常時繋がっている感覚があるというか。その“感覚”が大切だと思います。 「fanicon」はオンラインですが、繋がってる感覚、クローズドで繋がってる感覚を作っています。僕らは“ホーム”を作ろうと言っています。ジャンルが細分化しているので、技術でそれぞれの場を簡単に作ることができるのが、我々の強みだと思います」。

「『fanicon』で盛り上がって、オフ会で盛り上がって、また『fanicon』で盛り上がる。オンラインとオフラインを楽しんで欲しい」

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オンラインで繋がって、オフ会というリアルな場で話をして、またオンラインで盛り上がる。原宿にあるTHECOOのオフィスは、入口を入るとすぐにイベントスペースになっている。ここでオフ会を開催し、リアルとオンラインを行き来して、その関係はより強固なものになる。

「このスペースも「fanicon」のひとつの世界ですね。「fanicon」をやっている人は無料で使えますし、すごく大事な場所です。人間って人とコミュニケーションを取らなければ免疫力が落ちるという実験結果があって、何かに寄り添っていないと耐えられない。体がそういう作りになっているそうです。だから何かと繋がっているということがすごく大切だと思っていて。みなさんはファンという共通言語で繋っている。孤独ではなく、何かに属しているという感覚を大切にしてほしいですし、大切にしたいです」。

「ロックなしの生活は考えられない(笑)」

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毎年、フジロックやサマソニに足を運んでいるという平良氏は、大のロック好きで、イベントスペースにもお気に入りのアナログ盤を飾っている。

「朝家を出てから、会社の机に着くギリギリまで、爆音で音楽聴いていないと嫌なんですよ(笑)。特にレディオヘッドが大好きで、とにかく大きな音で音楽を聴いていないと、嫌なんです。音楽がないと困ります。だから「fanicon」にもアーティストの方にどんどん参加していただきたいです。「fanicon」をスタートさせてからは、ロック以外のエンタメも積極的に観に行くようになりました。芝居、ミュージカル、スポーツはもちろん、地下アイドルの音楽も聴くようにしています。ファンの人たちが何も求めているのかは肌で感じなければわからないと思います。ゆくゆくは国境と言語を超えるサービスにしていきたいので、洋楽アーティストにも是非参加して欲しいです」。

「世の中にニーズがあるかどうか妄想しながら、その妄想をどう実現していくか」

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「fanicon」は日々進化しながら、様々な機能が実装されている。アイコン、ファン双方の声をサービスに反映し、本当に居心地のいい場所を目指している。

「グッズとか、コミュニティだけのオリジナルスタンプを作りたいという要望があって、そういうものは実装していますが、アイコン、ユーザー、双方からのリクエストは沢山あります。それを開発部隊と相談しながら、なるべく早く提供するように心がけています。サービス全体としてはまだまだ進化していかなければいけません。世の中にそれがニーズとしてあるかどうかを妄想しながら、その妄想をどう実現するかです」。

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