渡辺美里 人生に欠かせない3曲を、一夜限りの圧巻セッション「新しい勇気に出会えたことに感謝」

「ボーカリストとしての新しい一歩を、未来へ向けて刻み始めた気がする」

11月のある日都内で、ボーカリスト歴33年の渡辺美里をして「新しい勇気に出会えたことに感謝です」と言わしめたセッションが繰り広げられた――“時を超えた、ここでしか聴くことのできないサウンド”がコンセプトの音楽番組『Sound Inn “S”』(BS-TBS)だ。ここで渡辺は、オリジナル曲とカバー曲を、本間昭光、服部隆之、笹路正徳という3人のアレンジャーが紡いだ、この日限りのアレンジで披露した。渡辺が「シンガーとしての未来へ向かって歩み始めた気がする」という、圧巻のセッションの一部始終をレポートする。

小室哲哉作曲「Believe」は、「今も自分に力をくれる曲」

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1曲目は、渡辺の1986年のヒット曲「Believe」。言わずと知れた小室哲哉作曲の名曲だ。初期の小室サウンドを世に知らしめたのは、渡辺だ。その小室について、今回アレンジを手がけた本間昭光は「J-POPを聴く人達全員に影響を与えた方。その音楽は、聴く人の人生の一部に、がっつり入り込んだ」と、その計り知れない影響力を語り、小室と渡辺へのリスペクトを込め、ストリングスが美しく響く、強さと優しさを感じさせてくれる、繊細なアレンジを披露。また、渡辺は小室について「デビューの頃から切磋琢磨してきた仲間」といい、自らが作詞した「抱えきれないほどの悩みや痛みを感じているときに制作した、今も自分に力をくれる大切な曲」というこの曲を、力強くも、愛おしそうに歌った。

ボーカリスト・渡辺美里の人生に欠かせない曲「The Rsoe」を、服部隆之の斬新なアレンジでカバー

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2曲目のベッド・ミドラーの「The Rose」(1980年)のカバーでも、名演が生まれた。アレンジは服部隆之。ピアノとストリングスが印象的なこの曲を、「僕はへそ曲がりなので」という服部が、ストリングスを封印し、ホーンセクションとリズム隊だけで、ジャズ風のアレンジを作り上げた。渡辺にとってこの曲は「ボーカリストを目指したティーンエイジャーの時、この曲と出会った。歌詞にあるように、これまでたくさん傷つき、紆余曲折があったからこそ、今がある」と、人生に欠かせない一曲になっているという。ゴージャスかつクールなアレンジを、渡辺は素晴らしい表現力で歌い切った。「弦が入っていない「The Rose」が、こんなに素敵になるなんて」と渡辺が感激していると、服部は「渡辺美里はロックシンガー。本当のジャズシンガーが歌うのとは違うエッジが効く。そこがかっこいい」と、その歌を絶賛。さらに、これまでに数多くのシンガーと共演している服部が、シンガー渡辺美里について「歌い手は歌そのものが、その人の人間性になっていなければいけないと思う。それを肚の底から出すべき。渡辺美里は本当のシンガー」と称賛した。

渡辺美里が考える“この先10年”とは?

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3曲目の「10 years」(1988年)は、大江千里が作曲し、渡辺が初めて作詞を手がけた作品だ。ファン投票でも1位になったこの曲のアレンジを手がけるのは、笹路正徳。渡辺と同時代を走り抜けてきた笹路が作るアレンジは、深さと瑞々しさを感じさせてくれ、<あれから10年も この先10年も>という印象的なフレーズを、より心に響かせてくれる。渡辺が考える「この先10年」という質問に対しては、「常に本気でやってきましたが、自分の中の自分が「まだ本気出してないだろう、もっとやれるんじゃない?」と問いかけてきます。だからボーカリストとしてのよさを、これからもっと発揮できるときが来ると信じながら、進んでいきたい」と、大きな瞳の奥に、強い光を湛えながら語っていた。さらに「歌ってみたい曲がまだまだあるので、そう考えるとやることがたくさんある」と、歌い続けていくこと、これからの歌がさらに楽しみであることを、力強く語ってくれた。。

「ボーカリストとしての新しい一歩を、未来へ向けて刻み始めた気がする」

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全てのセッションを終えた渡辺は「3曲だったのにものすごいエネルギーを使ったし、いただきました。楽曲、ミュージシャン、そしてアレンジに対して、これだけリスペクトを感じる音楽番組は他にはない。自分の中での節目節目があって、今回は色々なミュージシャンとセッションして、ボーカリストとしての新しい一歩を、未来へ向けて刻み始めたと思えた」と、充実した表情でしめた。

渡辺と3人のアレンジャー、ミュージシャンが感性をぶつけ合い、生まれた感動のセッションは、11月17日(土)の『Sound Inn S”』(23時~)でオンエアされる。なおこれまでにオンエアされた『Sound Inn“S”』が、11月17日から動画配信サービス「Paravi」で、配信がスタートする。様々なアーティストが登場し、“この日限りのセッション”から生まれた数々の熱い名演を見逃した人は、是非チェックして、改めて音楽の素晴らしさを感じて欲しい。

『Sound Inn “S”』オフィシャルサイト