「小説、お笑いKGB、ライヴ、テレビ」、側近・アル北郷が語る、ビートたけしの“現在”の頭の中

『お笑いKGB』編集長・ビートたけし、副編集長・アル北郷

「ビートたけし“ほぼ”単独ライブ」の第6弾は初の地方(熊本県)開催

9月4日、「ビートたけし“ほぼ”単独ライブ」の第6弾、初の地方開催となる熊本県立劇場での公演が大盛況のうちに幕を閉じた。1800人で満員のお客さんを前に、一切の足かせを外し、自由に、テレビではアウトのネタを披露し、爆笑に次ぐ爆笑だった。テレビでは変わらず大活躍で、その姿を見ない日はないほどのビートたけしが今、こういうスタイルでライヴをやっていること、舞台に立っていることさえも知らない人も多い。そんなビートたけしの右腕、ブレーンとしてフル回転しているのが、アル北郷だ。たけしが編集長を務める、創刊3年目を迎えたネットマガジン『お笑いKGB』(以下KGB)では副編集長として、〆さばアタルとともに活躍し、ライヴの構成・演出を手掛けている。とことんバカをやる場でもある『お笑いKGB』はさらにパワーアップし、たけし編集長の鼻息は荒くなるばかりだという。今、ビートたけしはどこを向き、何に一番興味を持っているのだろうか。その頭の中身を、一番近くでたけしを見ているアル北郷に教えてもらった。

「KGBでは、とにかく新しいことをやる」

――『お笑いKGB』(以下KGB)はもちろんそうですが、現在たけし編集長はやりたいことが次から次へと見つかっているという感じですね。

北郷 そうですね。ちょっと前までは「絵と映画がおもちゃ」だ、と言っていましたが、今は小説、ライヴ、KGB、テレビみたいです。小説はひとりで書けますからね。

――KGBはコンテンツもさらに増え、過激さも増してきました。たけし編集長の中でKGBに対する熱は、さらに上がってきた感じですか?

『お笑いKGB』トップページ
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北郷 相変わらず楽しんでます。何かアイディアが浮かぶと、「これKGBで」って言いますね。でもKGBは、ファンサイトとは違うということが、自分の中ではっきりあるみたいで、「とにかく新しいことをやる」といつも言っています。KGBを立ち上げたことでライヴがやりやすくなったとは思います。ライヴも最初は、小さいところでゲリラ的にやって、終わりの予定だったのに、どんどん大きな会場になっていて(笑)。中野サンプラザが終わった後は「武道館取れよ」って言っていました(笑)。殿は、これまでライヴの内容に関しては僕らに任せて下さって、一切口を出しません。だから打ち合わせをやらない方向で、本番前にあまり打合せをやりすぎると、殿は飽きてしまうんです。“その時”のノリと勢いを大切にして、ライヴを楽しんでいます。オープニング映像も勝手に作っていますが、何も言われません。映画監督だから映像に関してはうるさそうじゃないですか(笑)。でも任せてくれています。

たけし発案の「カツラ飛ばしゲーム」は、細部にまでこだわり、指示を出す

――以前、北郷さんにお話を聞かせていただいた時、たけしさんから次から次へとKGBのコンテンツのアイディアが出てくるから、現場が全然追いつかなくて、実現できていない企画がたくさんとあるとおっしゃっていました。

北郷 たくさんあります(笑)。殿から企画は次から次へと出てきますが、まだ形にできてないものがあるので、それを少しずつコンテンツにしていきたい。会員数とかをすごく気にしています(笑)。ライヴでも紹介しましたが、今後の配信を予定しているKGBと連動した、スマホの無料ゲームアプリ「カツラ飛ばしゲーム」についても、殿の発案で始まりました。

――「カツラ飛ばしゲーム」(笑)? どういったゲームなんですか?

北郷 カツラを装着した人と、そうでない人が次々と出てくるんですが、カツラを見破ったら、プレイヤーが頭からカツラをむしり取って飛ばすんです。いかに頭髪にダマされず、素早く判断して「飛ばす!」「飛ばさない」を選択します。出てくる人たちが、疑惑のある有名人にどことなく似ているのが特徴です。

「カツラ飛ばしゲーム」に続く、たけし編集長発案のゲームとは?

――有名人に似ている(笑)?

北郷 植毛の有名人の方は、飛ばす前に頭髪が抜け落ちてしまったり、アゴひも着用の疑いがある有名人の方だったら、何回も引っぺがさないとカツラが飛ばなかったり(笑)。

――細かいですね。そんな内容をたけし編集長自ら提案されてるんですか?

北郷 そうなんですよ。それだけじゃなくて、昔、とある歌手の方が焼肉屋にいたんですが、頭の全面で受け止めた煙が襟足から出てきたという話があるんです。殿は「無煙ロースター頭」と呼んでいるんですが、ゲームではボーナスステージでその方が登場しまして、七輪から立ち上る煙をうちわで扇ぎ続けてヅラを飛ばすんです。試作のゲームができ上がってくると、殿はゲームプロデューサーに、ちゃんと煙が通過して後ろから通過する様子も描写するように指示を出していました。

――ゲームに対する本気度がうかがえますね。

北郷 「カツラ飛ばしゲーム」だけじゃなくて、次作の「カツラ神経衰弱」もすでに提案されて、試作品ができてきています。他にも「包茎当てゲーム」なんて言って、トイレで包茎の人を当てるゲームも作れないかと。

――(笑)早く配信されるといいですね。

北郷 KGBのほうで、制作の過程はずっと報告しています。もうしばらくお待ちください。

今は小説に注力。作品を書き溜めている

――本当に精力的ですね。

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北郷 今は小説を、凄い勢いで書いてますよ。去年出した小説『アナログ』(新潮社)は、初めて自分の手で書いたんですよ(笑)。それが売りです(笑)。それまでは口述筆記のような形が多かったのですが、『アナログ』は自分でワードで書いて、打つのが早くなったみたいで、プリントアウトして修正して、またプリントアウトして…という作業が楽しいみたいです。もう何作か発表する作品も書き溜めてます。

――たけしさん、今は完全に小説モードなんですね。

北郷 今はそうですね。夜中にピアノを弾いて、絵を描いて、朝方まで小説を書いて、ソファで寝て、仕事場にでかけるという毎日みたいです。「27時間テレビ」もやって、大河ドラマも撮影していて、それでも疲れたっていうのを一度も聞いたことがないです。アイディアが思い浮かんだら、すぐに電話がかかってきますし、昔からですけど、ずっと何かを考えている感じです。

「〆さばアタルと共に、殿の新事務所に誘っていただき、嬉しいですし、驚いています。これからより頑張らなければいけない」

――そういえば、北郷さんもたけしさんの会社に移籍しました。

北郷 そうなんです。殿の新しい事務所(TNゴン)に行きたいのはやまやまでしたが、それも図々しいかなっと思い、ためらっていたら「ライヴとKGBがあるからお前ら(〆さばアタル)は、俺の近くにいないとダメだな」と誘ってくださって。嬉しいですし、驚いてます。だから僕らもより頑張らなければいけないと思っています。

――たけしさんとの仕事で、心掛けていることを教えてください。

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北郷 殿からの提案でも、色々考えた結果できませんということになっても、認めてくれるので、仕事をやりやすいです。A案ができなかったらB案をやる、今言ってもできないものはできないんだなということも、ちゃんとわかってくださっているので。ウケている限りは文句は出てきません。これからも、なんでも正直に伝えていくしかないと思います。面白ければやるよというスタンスなので、そこを確認してやっていけば大丈夫です。どんどん新しいことを仕掛けていきたいです。もちろん、ネットマガジンのKGBをもっと認知させたいですね。