来年20周年を迎えるクリスタル・ケイ 進化を続けるディーヴァの目に映る到達点とは?

『For You』(6月13日発売/通常盤)
『For You』(6月13日発売/通常盤)

来年、活動20周年を迎えるクリスタル・ケイの2年半ぶりのアルバム『For You』(6月13日発売)が好評だ。三十代に突入した彼女が、同世代の女性に贈るポジティブなメッセージソングや、ダンスナンバーが詰まった、まさに等身大の、さらに魅力的になったディーヴァの歌を楽しむことができる。そんな彼女の圧倒的かつ繊細なボーカル、表現力が楽しめるのが、『Sound Inn “S”』(BS-TBS)だ。“時を超えた、ここでしか聴くことのできないサウンド”がコンセプトのこの番組で、彼女は日本を代表する3人のアレンジャーと、最強ミュージシャンと共にオリジナル曲、カバー曲で進化を続けるディーヴァの歌を聴かせてくれる。

「デビュー曲「Eternal Memories」は、自分の作品の中でも特に好きな曲」

斎藤ネコ
斎藤ネコ

1曲目は彼女の1999年のデビュー曲「Eternal Memories」だ。アレンジは斎藤ネコが手掛ける。菅野よう子作曲の難しい曲を、当時13歳のクリスタル・ケイはしっかり表現していたが、やはりシンガーとしてのレベルが突出していた。「メロディが単純に聴こえて、でもすごく動きがある曲なので、難しいなあと思いながら歌っていました。どこかノスタルジーを感じる、自分の作品の中でも特に好きな一曲です」と語る彼女は、斎藤の美しいストリングスアレンジが印象的なサウンドに乗せ、ひと言ひと言かみしめるように歌っていた。「当時は歌詞の意味がよくわからなかったけど、今ならきちんと伝えることができる。歌っている途中でエモーショナルになって、泣きそうになりました」と、思い入れのある作品を、この日限りのアレンジで、情感豊かに表現してくれた。斎藤は、彼女の歌を「単なる癒し系でもなく、思い切り押しが強い歌い方でもなく、すごく丁寧に歌っていて、伝わってきた」と絶賛していた。

「普通に歌っている言葉がグルーヴしているし、スウィングしている。そのシルキーな声は唯一無二」(島田)

島田昌典
島田昌典
画像

TLC、デスティニーズ・チャイルド、ブランディなど、90年代の音楽が自身の音楽的なバックボーンになっているというクリスタル。その音楽たちへの強いこだわりが垣間見えたのが、TLCの「Waterfalls」(1994年)のカバーを披露した時だ。アレンジは島田昌典。リハーサル前の打ち合わせの時、彼女はバンドの音に対して「ドラムのスネアが今ビシッと鳴っているのを、もう少しタイトな感じでお願いします。ギターも今正確に弾いてくださっているのを、もう少しラフな感じでお願いします」と、自分がイメージする音に近づけるために、妥協を許さない。「楽譜はわからないので、口と顔で伝えます(笑)」(クリスタル)。「めっちゃ気持ちいいです」と、彼女が絶賛する島田アレンジのサウンドと、歌とがひとつになり、気持ちいいグルーヴが生まれる、素晴らしいセッション。圧倒的な表現力で島田は彼女について「とにかくリズム感が凄い。普通に歌っている言葉がグルーヴしているし、スウィングしている。シルキーな、唯一無二の声の持ち主」と、興奮気味に語っていた。

「ビブラートをなるべく使わないで歌いたい。それで伝えることができたら最強」

笹路正徳
笹路正徳

アルバム『For You』のリード曲「幸せって。」は、彼女のヒット曲「恋におちたら」を手掛けた坂詰美紗子が書き下ろした、アラサー女性への応援ソングだ。この曲で今回タッグを組むのは笹路正徳。笹路との打ち合わせの時、彼女が「今自分の課題は、ビブラートをなるべく使わないで歌う事」と言うと、笹路は「そこに自分でいくという人は初めて。ビブラートがないよさ、強さを表現できるのはすごい」と感心していた。歌を追求し続ける彼女は今、ビブラートやフェイクをなるべく使わず、芯のある、真の深さを感じる歌を歌おうとしている。飾りを取り、聴き手に真っすぐ伝える。「それで伝えることができたら最強」と、キャリアを重ね、色々な経験を積んできた彼女だからこそ表現できる「幸せって。」は、まさに等身大の彼女を感じる事ができ、圧巻のボーカルを堪能できる。

収録後、彼女は「20年間歌ってきてもドキドキしました。時間を重ねてきて、歌詞の重みを改めて感じました。これからもボーダレスな音楽を作り続けていきたい」と満足した様子で語っていた。この日の一期一会のセッション、一夜限りのアレンジを、クリスタルをはじめ出演者全員が楽しみ、素晴らしい集中力で、グッドミュージックを生み出していた。『Sound Inn “S”』6月16日(土)23時からBS-TBSでオンエアされる。

『Sound Inn “S”』オフィシャルサイト