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北海道で愛される、地元密着型の7人組ボーイズグループ・NORDが話題  

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
NORD、左から舟木健、長崎佑亮、花岡領太、安保卓城、枝元雷亜、島太星、瀧原光

北海道男子限定オーディションで選ばれた7人組。北海道を拠点に様々なエンターテインメントに挑戦

フランス語で“北”を意味する「NORD(ノール)」という7人組ボーイズグループが、今、地元・北海道で道民から愛され、人気急上昇中だ。彼らはTEAM NACS が所属する北海道の芸能事務所・クリエイティブオフィスキューと、ソニー・ミュージックエンタテインメントが、2016 年に合同で行った北海道男子限定オーデョションで結成された、“北海道を拠点に、様々なエンターテインメントに挑戦する”をコンセプトとし、活動している。

Zepp Sapporoでのライヴを実現するために課せられたミッションをクリアし、3月21日ついに夢のステージへ

メンバーは全員北海道出身の、舟木健(ふなき・たける)、長崎佑亮(ながさき・ゆうすけ)、花岡領太(はなおか・りょうた)、安保卓城(あんぼ・たくしろ)、枝元雷亜(えだもと・らいあ)、島太星(しま・たいせい)、瀧原光(たきはら・ひかる)の平均年齢20歳の7人組。デビュー以来テレビ、ラジオなどのメディア、また様々なイベントに積極的に出演し、徐々に認知度を広めていった。そして昨年6月に行われたデビュー1周年イベント『NORD 1st Anniversary Party!!!!!!!!」(event space EDiT)では2公演に加え、追加公演のチケットも即完売させるまでに成長。そして同イベント内で2018 年 3 月 21 日にZepp Sapporoでのライヴが発表され、しかしその実現のためには、様々なミッションが課せられる事になった。第1ミッションは 2017年6月17・18日に開催された「“空知単板 100 キロウォーク”を全員で完歩せよ」に挑戦し、見事達成。“空知~”は昨年で16回目を迎えた、6月の滝川市の風物詩になっている大会。第2のミッション「7、8月で、2,000枚CDを手売りせよ」もクリアし、全員で力を合わせ、ファンの後押しもあり、夢だったZepp Sapporoでのライヴ開催にこぎつけた。

メインボーカル・島太星は2月、NYの音楽の殿堂・アポロシアターのステージに立ち、大喝采を浴びる

その間も、全てはZepp Sapporoライヴにつながるとばかりにダンス、歌、演技のレッスンを更に重ね、学園祭ライヴやバラエティ番組にも出演し、濃密な時間を過ごしてきた。メインボーカルの島太星は、今年2月28日にアメリカ・ニューヨークの音楽の殿堂『アポロシアター・アマチュアナイト』に出演し、サム・スミスの「Stay With Me」を披露。1,500人の観客から大きな拍手を浴び、この様子は北海道のテレビ番組でも特集が組まれ、大きな注目を集めた。メンバー7人が切磋琢磨し、グループとしてパワーアップし、いよいよ3月21日を迎えた―――。

多彩なエンターテイメントを見せ、黄色い声援と笑いと涙で包まれる会場

長崎佑亮
長崎佑亮
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『NORD SpringLIVE2018~Zepp Sapporoへの道、ここに完結。そして新たな道へ~』と名付けられたライヴは満員御礼となり、舞台は整った。ケガでライヴ活動から長期離脱していた長崎がこの日から復帰し、DJという立ち位置からメンバーをうまくノセ、アドリブで素の表情を引き出す。オープニングナンバーの、アップテンポで激しいダンスが見せ場の「Have Fun!」で、ファンも一緒にジャンプし、早くも会場が熱くなる。そしてNORDとして初めてMUSIC VIDEOを作った、メンバーも思い入れが強い「ハジマリスト」と、ファンにはおなじみの曲が続く。その後もメドレーあり、ダンスバトルで魅せ、お芝居あり、太鼓を叩き、フリースタイルバスケ、二人羽織など対決もの、罰ゲームのゴムパッチンで笑わせ、オタ芸にもチャレンジと、多彩なステージで、お客さんを一秒も飽きさせない。島の「Stay With Me」では全ての人が聴き入っていた。

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この日は新曲も披露してくれたが、NORDの作品は、お客さんと一緒に歌える親しみやすいメロディの楽曲が多く、そして何事にも全力で取り組む姿勢、さらにステージ上でもプライベートでも変わらないんだろうなと思わせてくれる、メンバー同士の仲の良さが、“圧倒的な親近感”を生み出し、ファンにはたまらないのではないだろうか。“様々なエンターテインメントに挑戦する”というまさに彼らのコンセプト通り、笑いと涙で会場が包まれた。

「今日来てくれたみんなに、もっと大きな景色を見せられるように約束する」(島)

島太星(中)
島太星(中)

「ミッションで辛い事がたくさんあった。でも今日のライヴはたくさんの人に自慢したいくらい素晴らしかった。これからも革命を起こしていく」(花岡)、「この日まで不安でいっぱいだったけど、みなさんの“黄色い”声援がとにかく嬉しかった」(枝元)、「まさか本当にZepp Sapporoでできると思わなかった。これからも楽しいライヴをたくさんやりたい」(舟木)、そして瀧原は涙ながらに「(長崎)祐亮の復帰が嬉しい。やっぱり彼の存在は大きい。NORDは最初8人で始まって、でも一人抜けて淋しかった。今日がまた新しいスタート」と語った。長崎は「ケガで半年間参加できなかったので、今日は本当に楽しかった。苦しい事もファンの方がいてくれれば乗り越えていける」とメッセージ。「ファンの方が会いに来てくれて本当に嬉しい。これからも7人で元気を届ける」(安保)、そして島は感極まって嗚咽が止まらない。「こんなにたくさんのみんなが、僕たちを応援してくれるんだよ?友達100人できたよ!」と言葉を絞り出したが、涙の島とは裏腹に、会場は大爆笑。天然キャラ炸裂だ。さらに「グループでこんなライヴできるなんて、当たり前じゃないんだよ。今日来てくれたみんなにもっと大きな景色を見せられるように約束する。これからも応援してください!」と語ると、大きな拍手が沸き起こった。

北の大地で、ファンと共に紡ぐ成長物語

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まだまだ粗削りではあるが、それは伸びしろともいえる。ルックスのカッコ良さはもちろんだが、カッコイイところもカッコ悪いところも全てを見せ、何事にも全力でぶつかっていく7人の成長物語を、ファンと共に作り上げている途中だ。しかしこの7人のメンバーと、ファンの“熱量”は北海道だけではとても収まることなく、やがて全国に伝播していきそうな勢いを感じた3.21だった。

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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