今年のサッカーシーンを振り返る

玉乃 今シーズンもまた、サッカーの厳しさ、難しさを目の当たりにして、これまで以上に選手や監督、そしてサポーターの偉大さを痛感させられました。

セナ(TAMAJUN Journal編集局長) それはどういった部分でしょうか?

玉乃 そんなに簡単にサッカーは勝てないということ。強いものが勝ち、弱いものが負けるといった自然の摂理がダイレクトに反映されるなと思いました。サッカーの試合で勝つためには、チームの予算編成、社長の理念、強化部のビジョン、監督のチームマネージメント、選手のクオリティや頑張り・成長が絶妙に交わらなければ年間順位で上に行くことはできなし、長期ビジョンならなおさら、サポーターの支持も得なければなりません。

セナ なるほど。実はですね、そんな大層なことを語ってらっしゃる玉乃さんですが、実はシーズン前にサッカーダイジェストさんの方で順位予想をされていたんですよ。

ちょうど今日それを持ってきていまして。

玉乃 え?やめないそういうの。

セナ やめません。早速答え合わせを始めましょう (笑)

はい、こちらが、玉乃淳による2016年Jリーグ予想になります。

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セナ まず、上位から見ていきますか。優勝予想は広島でしたね。実際は6位でしたがこの原因は何だったのでしょう。

玉乃 浅野の移籍があったり、塩谷がオリンピックに招集されたり、事前に予想できなかったことが多かったと思います。スケジュールもACLがあって超がつく過密でしたし。その状況下で6位は流石、森保監督!と言ってもいいのではないでしょうか?ピーター・ウタカをあそこまで一年目からフィットさせられる方は他にはいないと思います。野上選手やアンデルソン・ロペス選手の補強等見ても、なんでいつもこんな抜群の補強ができるんだろう?いい選手の発掘網がすさまじいなと感心させられます。毎年のように主力級が引き抜かれてきたわけですから尚更です。

セナ これってそもそも、順位予想をするにあたって、どういった基準で順位を決めたのでしょうか。

玉乃 良い選手がいるとか、良い監督が率いているとかはあまり考慮していなくて、何シーズンもかけて積み上げが出来ていると感じるチームを上位に据えてみました。浦和はペトロヴィッチ体制で、戦術も一貫して強化を進めてきましたし、ガンバも長谷川監督で4年目、川崎も風間監督の下で年々良くなっていました。あとは外からでも感じられるクラブの強化方針も見ながらですかね。

セナ 次は下位を見てみましょうか。降格争いをしていたチームというくくりでみると、大体当たっている印象ですね。予想が外れた感じなのは湘南でしょうか。湘南はチョウ貴裁監督がずっと率いていて、玉乃理論的には“積み上げ”のあるチームだと思いますが?

玉乃 超主力級の永木選手と遠藤選手が移籍してしまいましたからね。いい選手を育ててチームを強くした途端、その主力選手達が抜けてしまった。どう考えても難しいと思いました。一方で湘南に残留を決めて、もう一度0からチーム強化を図ろうと決断したチョウ貴裁監督の人生観に興味がありました。外からではわかり得ない深いご自身の哲学や「理由」が必ずあるはずです。

セナ 今シーズンのプレーを踏まえて、代表に新たに招集されそうなニューヒーローはいましたか?

玉乃 今の日本代表って、次の中心が誰なのかを決める局面だと思っているんです。中田ヒデさん、中村俊輔選手、本田圭佑選手ときたあとの核となる選手は誰なのか。ぜひ若い世代から日本代表の中心を任せられる選手が出てきて欲しいですね。というか、出てこないといよいよ大変な事になってくると思います。ぼくはブラジルワールドカップで完膚なきまでにやられてしまった日本代表を現地で見ていますので、新しい何かが加わらないと難しいなと、どうしても思ってしまいます。

セナ 海外サッカーというと、玉乃さんはミラノで行われたチャンピオンズリーグの決勝にも取材に行きましたよね。

玉乃 行きましたね。たまじゅんジャーナルでの取材という名目で行きましたからね。

セナ 初のチャンピオンズリーグ決勝、そして愛するアトレティコの試合、ということでしたが、振り返ってみていかがでしょうか。

玉乃 負けたアトレティコ側のゴール裏席で見ていたんですが、80歳90歳前後のお爺ちゃんお婆ちゃんが泣き崩れているわけですよ。それを次世代の若いサポーター達が抱きしめてあげていたんです。こうやってチームというのは強くなって育っていくんだと、強いチームを作る上での「歴史の縮図」を見たような気がしました。

セナ 選手もサポーターも同じ熱量で勝利に対して全てを捧げていたんですね。

たまじゅんジャーナル誕生秘話

セナ さて、ここまで色々と振り返ってきましたけど、玉乃さん的に今年1番のニュースって何でしょうか。

玉乃 そりゃもちろん・・・ 「たまじゅんジャーナル開設!!」しかないでしょう。

セナ ですよね!ではここまでのたまじゅんジャーナルを振り返りましょう。改めてみると本当にたくさん記事あげることができました。

玉乃 本当にたまじゅん部のメンバーにも、ご出演いただいた方々にも感謝です。全部で30記事近くですかね。改めて振り返ると本当にすごいな、よくやったなと思います。

セナ しかも現役の選手から、審判実況アナウンサー企業の経営者消防士の方まで。ほんとに幅広くインタビューしましたね。玉乃さんが動き始めたのが、3月でしたっけ?

玉乃 そうですね。それで5月23日にサイトオープンしてるから、怒涛の準備だったよね。セナが加わったのも4月くらい?

セナ そうですね4月の半ば辺りだったと思います。始めの頃はこんなにちゃんと続くとは思ってませんでしたけど (笑)そもそも論ですが、なぜこのようなメディアを始めようと思ったんでしょうか。

玉乃 自分が25歳でサッカー選手を引退した当時、かなり路頭に迷いました。サッカーの試合に勝る興奮を見つけることができなかったんです。それで同じように引退したサッカー選手が、その後どんな人生を歩んでいるのかすごく気になったんです。そこから色んな人のキャリアに興味が出てきて、この企画が進んでいきました。そして実際に数々のインタビューを通していろんな人の生き方が見ることができて、いまやそれが僕の財産になっています。そのおかげで自分の夢も決まりました。

セナ 夢ですか!具体的にいうとどんなものでしょうか。

玉乃 それはまた今度にしよう。今現在だと誰も僕に興味なんてないはずですから。

セナ 玉乃さんって、解説のキャラとは裏腹に超人見知りで、シャイですもんね (笑)

玉乃 セナ的にはどうだろう。この企画を通して人生変わったりした?

セナ インタビューした人全員に共通することでしたけど、みなさん人生のターニングポイントで大きな決断をして、そこで新しい世界に飛び込んで行かれたわけです。そんな話を聞いていると、自分もそのタイミングが来た時にちゃんと決断しなきゃと思いましたし、選手をされていた人は、決断力や決めたことをやり抜く意思がとても強いなと感じましたね。

玉乃薮崎さんの引退後のアルバイトをしていた時のエピソードや、家本さんが批判にさらされていたときのエピソードとかもそうだったね。それに個人的にはそれを支えていた人達も凄まじくて痺れました。戦う男達を支える奥様方も立派なアスリートでしたね。

セナ 奥様アスリート。なんか強そうです (笑) あとはやっぱり1サッカーファンとして、サッカーに関わる人達のリアルな話が聞けたのが本当に嬉しくて。これは本当に財産です。特に土屋さんのインタビューは印象に残りました。自分もそこそこサッカーが詳しいし、サッカーが好きだと自負していたのですが、土屋さんとの対談を聞いていて、この人にはかなわないと思いましたね。でも逆にこれだけサッカーを愛している人が作っている番組だからこそ、ファンが見たいと思う、面白い番組になっているんだと感じました。この、たまじゅんジャーナルもそうですけど、モノづくり、クリエイティブという観点からも見つめ直す素晴らしいきっかけとなりました。

玉乃 「情熱とビジョン」、楽しく生きている人や勝つチームというのは、この二つの要素を持ち合わせていましたよね。

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玉乃淳(たまの じゅん)

ヴェルディ下部組織で育ち、15歳で単身スペインに渡り、アトレティコ・マドリーのユースチームに加入。スペイン代表のフェルナンド・トーレスと2トップを形成。帰国後、Jリーグ数チームに所属し、25歳の若さで現役を引退。史上最年少のサッカー解説者に就任し、多数のテレビ番組に出演中。『マツコ&有吉の怒り新党』や、アトレティコ在籍時代に培ったスペイン語力を評価され、海外レポートも多数。また、自身がプロデュースする「FOOTBALL×CAREER」をテーマに発信するWEBメディア『TAMAJUN Journal(たまじゅんジャーナル)』を開設

桑原誠尚(くわばら せな)

TAMAJUN Journal編集局長

慶應義塾大学 総合政策学部3年

TAMAJUN Journalの記事やグラフィック、動画コンテンツを責任編集。

現在、村井純研究室にて縦書きWebについて研究中。