「終わりの始まりなのか」~ハリルの決断

(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

昨夜、滑り込みの勝利を手にしたハリル・ジャパン。値千金の山口螢のゴールでスタジアムが湧いた瞬間、ピッチに本田、岡崎、香川の姿はありませんでした。この光景が意味するところは何だったのでしょうか。

ハリルホジッチ監督にとって、この3人は勝手知ったる世界のトップクラブ所属の選手たち。心の拠りどころとも言える存在です。所属チームでは必ずしもコンスタントに試合に出場していない彼らの起用については、賛否が分かれていましたが、これまで頑ななまでに起用を続けてきました。戦術が見えづらく、個人依存とも取れる監督の采配の中でただ一つ一貫していたことでもありました。

この一貫した原則が、昨夜ついに覆ることになりました。試合終了後のピッチの光景は、監督の3選手と心中する気はないのだという意思表明ともとれました。心中相手や拠りどころを失った監督は、今まで以上に言い訳のできない立場になり、いよいよ絶対的な存在として扱われなくなってしまった3人も、所属チームでスタメンを取ること、結果を残すことが求められます。

しかし、その決断により、新たに見えてきた希望もあります。絶対的な指定席がなくなったこの瞬間から、代表チーム内外、選手全員が等しくチャンスを手にする可能性が生まれ、真の競争が生まれようとしているのです。これまで、若い世代の成長についての問題点が指摘されてきましたが、このような状況になって初めて、ニューヒーローが生まれる可能性がでてきます。ただ忘れてならないのは、そのニューヒーローに求められるのは、ここまでスターとしてチームを牽引してきた、あの3選手のレベルだということ。 ニューヒーローの誕生が間に合わなければ、絶対的存在を失ったチームが路頭に迷うことも考えられる現状。果たして間に合うのだろうか、ハリル・ジャパン。

これは、「終わりの始まりなのか」、それとも「始まりの終わりなのか」、残り7試合ますます目が離せません。