「未完のペップマンチェスターシティ」~1年目の葛藤

(写真:アフロ)

ニュースが広島カープ優勝で真っ赤にそまっている頃、プレミアリーグで初顔合わせとなる名指揮官同士のダービーマッチはペップ・グアルディオラに軍配が上がりました。ランチタイムキックオフだったため、眠い目をこすらずに、因縁と評されたマンチェスターダービーを東京でも観ることができたのは幸運でした。

チャンピオンズリーグの予備予選を戦っているからでしょうか、リーグ4戦目にしては仕上がりのよさがうかがえるシティが試合開始から飛ばします。激しくプレスをかけ、素早い攻守の切り替えをピッチの上で表現し、前半15分に先制。ペップの薫陶を受けるデブライネがCBブリントのミスをついて巧みに決めます。デブライネは35分にもDF2人をかわし、ポストにあてるゴールへのパスを放ちます。その跳ね返りをイヘアナチョが流し込み2-0。

ここまで激しくシティがキックオフ直後からプレスをかけてくることをモウリーニョは予想していなかったのではないでしょうか。起用したスタメンとハーフタイムに2人の選手を入れ替えたことから、そのような誤算が想像できます。シルバがイエローカードをもらうほどにプレスをかけるインテンシティの高い戦い方は、まさにペップがチームに今シーズンもたらしたものですが、それを開始直後からトップギアにして早々に得点し試合を支配たことは、この試合のために用意したペップの戦い方がもたらした結果だったと思います。

自ら熱望し獲得したCBストーンがこの試合ミスを連発したことや、同様にシーズンスタート後に呼び寄せたGKブラーボのミスが前半42分唯一の失点の要因になったことは課題として残るのでしょうが、最初の関門に相応の準備でのぞんだことは、「さすが」の一言です。プレミア初挑戦の名指揮官は開幕4連勝に安堵の胸をなでおろしていることでしょう。

ペップファンからすれば、歴史的勝ち点でブンデスリーガを制した3シーズン目のバイエルンと比較すると、物足りない感はあるのかもしれません。中盤で日々輝きを増すフェルナンジーニョやオタメンディ、ストーンが、ラームやキミッヒ、ボアテングのようにプレーの幅を広げ、リスペクトする指揮官の指し示す理念をピッチで完璧に表現できるようになったとき、スペインやドイツで見ることができた光景をイングランドでも見ることができるのでしょう。