以前、転売されるホテル朝食券対策に苦慮するホテル運営会社について取材した記事を投稿しました。

ネットで売られるホテル朝食券-無くしたと再入手したゲスト? 持ち出したスタッフ!? ホテルの対策とは Yahoo!ニュース(個人)

寄稿に対しては、SNSを中心として様々な感想や対策のアイディアが見られました。記事では通し番号や日付を押すスタンプについての実務上の問題点も紹介しましたが、その場で自動的に日付を入れられる機器の紹介など、思わず唸ってしまうような対策案も知ることができました。

朝食券が渡されない?

そんなホテル朝食券問題でしたが、最近宿泊したビジネスホテルでのこと。朝食付きプランで予約したにもかかわらず朝食券が渡されないケースがありました。自身の経験では、朝食付きプランで予約すると、カード式ルームキーが入ったホルダーへカードキーと共に朝食券も入っているというようなスタイルに慣れていたこともあり、翌朝、あれ?そういえば朝食券無いなぁなんてことに。 

フロントへ出向いて確認してみると、会場入り口でスタッフへ部屋番号を伝えて下さいとのこと。早速朝食会場へ行き部屋番号を伝えると、スタッフの手許には朝食を利用するゲストの部屋番号一覧が印刷された紙があり、申告のあった部屋番号は用紙で照らし合わされ、確認できるとボールペンで部屋番号が消されていきました。紙の朝食券で以前トラブルがあったといい、同じチェーンの他ホテルへも泊まる機会がありましたが、同様で(特にチェックイン時にそのような案内もなく)朝食券が無いのがごく自然のような雰囲気でした。

別の独立系ビジネスホテルでは、最近部屋番号一覧が印刷された紙を備えたといいますが、省人化でしょうかスタッフはチェックせず、朝食会場へ来訪したゲスト自ら入り口で部屋番号を消すというケースも見かけました。紙とボールペンというアナログさはあるものの、確かに心理的には不正(朝食付きではない客が自分の部屋ではない番号を消して(あるいは消すフリをして)こっそり朝食を食べるというようなこと)しにくいでしょうか。いずれも100室~程度という規模の小さなホテルだからできるスタイルといえます。

高級ホテルのスムーズチェック

大規模なシティホテルでも朝食券ペーパーレス!?のシーンに出合いました。過日、久々に品川プリンスホテルへ宿泊、3600室超という膨大な客室を有するホテルで、朝食会場となっていた人気ブッフェレストランの席数も相当です。こちらでも朝食券はなかったので、ロビーにいたスタッフに確認してみると「受付でカードキーを呈示してください」とのこと。

早速受付にいたスタッフへカードキーを見せると、エレベーターで見かけるセキュリティセンサーのようなものにピッとかざし、表示された画面を見つつ「タキザワ様ですね?お待ちいたしておりました」と実にスムーズ。朝食付きの宿泊なのか否かひと目で確認できるのでしょう。数千室ともなれば朝食券の管理も大変だろうし、そもそも紙や印刷するコストを考えるとシステムの導入は合理的かもしれません。

ANAインターコンチネンタル安比リゾートの朝食(筆者撮影)
ANAインターコンチネンタル安比リゾートの朝食(筆者撮影)

朝食券とは無縁な高級ホテルスムーズチェックも。先日、岩手県の安比高原へ新たに誕生したANAインターコンチネンタル安比リゾートへ滞在した際のこと。こちらは数千室というような規模ではなく、30数室というスモールラグジュアリーにして1棟まるごとクラブインターコンチネンタルということで、全ゲストへの朝食提供も含まれており当然に朝食券はありません。一応、入り口で部屋番号と名前をさらっと伝えチェック完了。スモールラグジュアリーならもはや全ゲストの顔がカードキー!?みたいなものでしょうか。

自動チェックイン機

冒頭で引用した朝食券問題の記事掲載後、同様に憂慮するホテル運営会社から相談の連絡がありました。導入コストの心配も無い紙に部屋番号一覧が印刷されたスタイルの話をしましたが、運営ホテルには客室数がかなり多い施設もあったり、既に朝食券を大量に印刷してしまっているということで、しばらくは朝食券スタイルを続けつつ他の方法も検討するとのことでした。

ところで、ホテルのペーパーレス関連といえば、自動チェックイン機をかなり見かけるようになりました。最初見たのは10年近く前だったかと記憶しています。当時斬新な印象があり記事等で紹介もしたものですが、かなり普及したようで開発メーカーの方との話でもよく話題にでます。

一般的にはチェックインに際し通常は紙ベースのレジストレーションカードへ記入を求められるわけですが、自動チェックインなのでそんな用紙はなく、機械ひとつで宿泊料金の支払いからカード発行まで済ますことができました(法律的な話はここでは割愛します)。慣れてしまえばかなりストレスフリーかもしれません。特に悪筆な筆者にとっても何となくハードル低いです。

カードキーまで発行される自動チェックイン機(筆者撮影)
カードキーまで発行される自動チェックイン機(筆者撮影)

他方、チェックイン機といえば、レセプションカウンターに備えられた大きな画面へ、専用のタブレットペンを用いてゲスト自ら住所や名前を記入していくスタイルも見かけます。このタイプは進化途上のようで、画面が見にくかったりペンの反応がイマイチなど、コツや慣れもあるのでしょうかなかなかスムーズに記入出来ないことも。何より悪筆な自身にとっては気を遣うシーンではあります(自動チェックイン機問題については別の機会に取り上げたいと思います)。

駐車券もスムーズ?

余談ですが、スムーズという点でいうと、品川プリンスホテルでは駐車券の発券もありませんでした。自宅近くの家電量販店ではじめて見かけたシステムでしたが、入庫時に車のナンバーが読み取られ、出庫時には精算機にナンバーを入力すると自分の車の写真が映し出され、はい/いいえを選択するようになっています。(家電量販店のレジやホテルのフロントなどで)事前に申告して受領しておいたQRコード入りのレシートをピッと反応させれば精算完了。

ホテル駐車券については券そのものに機械処理をするケースや別途精算券が渡されるケースなど様々でしたが、このシステムをホテルの駐車場で体験するのは初でした。最初は駐車場の入り口で駐車券発券のないことに一瞬戸惑いましたが、慣れてしまえば納得のシステム。コンビニエンスストアにて自身で支払い選択するシステムも最初は戸惑いましたが、いまではレジで袋詰めされている間に支払い完了というほどに慣れてしまっています。

ホテルのチェックインは、コンビニや切符のように毎日体験というわけにはいきませんが、個人的には自動チェックインシステムにもなんとなく違和感なく対応できるようになりました。何ごとも慣れということでしょうか。

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品川プリンスホテル朝食のところでも少し触れましたが、朝食券もレジカードも(ここでは詳しく触れませんが政策という点からの)ペーパーレス化という観点からみると、小規模ホテルなどでのシステム導入にかかわるイニシャルコストの問題はハードル高きものの、ホテルのペーパーレス化は省人化やランニングコスト削減などとあいまって、今後も進んでいくのだろうと思料されます。鉄道の切符がなくなってICカードやスマホでピッとやるのが当たり前になったように。

小さなペーパーレス化の積み重ねとホテルサービス-今後も注視していきたいと思います。