隣駅ホテルを狙え!ホンマでっか!?TV で名前を出せなかった“あのホテル”へ228歩

リニューアルされたホテルベルクラシック東京の客室(著者撮影)

ホテル名を出せないことも

ホテルは非常にイメージを大切にするビジネスであり、ホテルの情報を発信することが仕事のひとつである筆者としてはその公開には常に気を使う。正式・覆面など取材手法は様々でも取材時の情報が最新情報とは限らず、アップデートは当然として固有名詞や料金など間違いがあってはならないのでプレッシャーも相当だ。

都度都度ホテル側へ依頼し原稿や内容のチェックをしてもらえばいいのだろうが、覆面取材の場合はそうもいかないし、正式取材であっても表現など手直しを求められる可能性もある。そもそも企画そのものが断られるかもしれない。そのような事情から各種メディアへ情報発信する際にはホテル名を伏せることが間々ある。以前、フジテレビの「ホンマでっか!?TV」という人気バラエティ番組で、ホテル探しのコツ的なテーマで出演した際もそのようなケースであった。

ターミナルの隣駅を狙え

その時に話した内容のひとつが、都会で宿泊する際、アクセスや条件の良いホテルに泊まりたかったら“大型ターミナル駅から1つ隣の駅のホテルに泊まれ”というものだった。概して繁華街や大型商業施設があり、移動する際も便利な大型ターミナル駅周辺のホテルを狙いがちである。しかし大型ターミナル駅周辺のホテルの場合、駅から徒歩○分と表記されていても駅そのものが広域で、実際には電車を降りてから駅を出るまでに予想以上に時間がかかってしまうことがある、といった経験則からの話であった。

○○駅【○○出口】徒歩○分と丁寧に書かれていることも多いが、ホームや改札から当該出口までの時間がわからないこと、また、大きな荷物を持っていると出口までいくつもの階段を上り下りする可能性ありと勘案すると、ターミナル駅の場合にはホテルへたどり着くまでに苦労するかもしれないという話もした。

実際に乗って歩いてみた

放送前、自宅最寄りのJR池袋駅山手線ホームを起点として実証実験をした。駅から徒歩3分の○○ホテルを対象とし、山手線ホームから改札を出るまで1分1秒/55歩、改札から池袋駅出口まで2分36秒/225歩、駅の出口からホテルまで3分5秒/258歩で到着。合算すると池袋駅徒歩3分とあっても、ホームからホテルの入り口までだと計6分42秒/538歩という結果になった。

対比として、筆者がプライベートでよく利用していたJR大塚駅南口徒歩1分のホテルを対象とした。いまとなってはホテルの方とも知己となり名前を明かせるが「ホテルベルクラシック東京」である。ウェディングでも知られるクオリティ高きホテルで、客室の質感も高く大塚という立地もあって穴場的施設という印象だ。

こちらは池袋駅ホームから大塚駅ホームまで電車移動2分51秒、大塚駅のホームから改札駅を出てホテルの入り口まで1分59秒/228歩。合算すると池袋駅のホームから大塚のホテルまで4分50秒/228歩ということになった。

客室面積も料金も隣駅に軍配

実験の結果として、ホームを起点とした場合、池袋駅徒歩3分のホテルよりも1つ隣の大塚駅徒歩1分のホテルの方が1分52秒早く310歩少ないということになったと番組で発表した。料金でも差がみられた。池袋と大塚のホテルは同グレードであるが、実験日は相場的に安い日で池袋7500円に対し大塚は5777円で差額1723円。客室面積は池袋12平方mに対して大塚は17平方mで5平方メートル広いことがわかり円/平方m換算でも対比させた。

池袋ばかりではなく他のターミナル駅の際も参考になるかもしれないというトークで締めくくったが、番組終了後「大塚のホテルは何というホテルなのか?」という問い合わせが相次いだ。当時の番組を記憶している方もいるかもしれないが、混乱を来してはとホテル名はとにかく伏せ通した。ホテル側に許可をとらず勝手に放映したからであるが、とにもかくにも取材は足で稼いだ事実あるのみだ。

1971年生まれ。一般社団法人日本旅行作家協会正会員、財団法人宿泊施設活性化機構理事、一般社団法人宿泊施設関連協会アドバイザリーボード。ホテル評論の第一人者としてゲスト目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。人気バラエティ番組から報道番組のコメンテーター、新聞、雑誌など利用者目線のわかりやすい解説とメディアからの信頼も厚い。評論対象はラグジュアリー、ビジネス、カプセル、レジャー等の各ホテルから旅館、民泊など宿泊施設全般、多業態に渡る。著書に「ホテルに騙されるな」(光文社新書)「最強のホテル100」(イーストプレス)「辛口評論家 星野リゾートに泊まってみた」(光文社新書)など。

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