6月にも閣議決定する予定の「経済財政運営と改革の基本方針2021」(以下、骨太方針2021)に盛り込まれる内容が、次第に固まってきた。

例年、この骨太方針は、翌年度以降の経済財政政策の基本方針を決める意味で重要視されている。しかし、今年は、10月までには衆議院総選挙がある。だから、今年の骨太方針は、そのときの与党の選挙公約にも直結する点で、盛り込まれる内容の重みが違う。

5月25日に開催された経済財政諮問会議では、骨太方針2021の骨子案が示された。これによると、骨太方針2021では、新型コロナウイルス感染症を克服する方策を打ち出すとともに、次なる時代をリードする新たな成長の源泉として4つの原動力に注力することとしている。

経済成長の4つの原動力とは、グリーン社会の実現、官民挙げたデジタル化の加速、日本全体を元気にする活力ある地方創生、子どもを産み育てやすい社会の実現である。

骨太方針2021では、何かとこの4つの原動力に関連する話題に注目が集まる。

しかし、もう1つの重要な焦点がある。それは、財政健全化である。

拙稿「『ワクチン後』に待ち受ける日本医療制度の課題 2022年度予算編成の焦点は診療報酬改定に」でも触れたように、骨太方針2021では、2022年度以降の「歳出改革の目安」をどうするかを決めることが求められている。

骨太方針2015(2015年6月に閣議決定)には、2016~2018年度の歳出改革の目安が盛り込まれ、その目安通りに当初予算の編成が行われた。次いで、骨太方針2018(2018年6月に閣議決定)には、2019~2021年度の歳出改革の目安が盛り込まれ、その後の当初予算でもその目安を達成した。

骨太方針2018で決めた歳出改革の目安は、2021年度までである。そしていよいよ、2022年度以降をどうするかが、この6月の骨太方針2021で問われている。

財政健全化に関しては、もう1つ。骨太方針2018で閣議決定した財政健全化目標である「2025年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化」をどうするか。これも、与党内で議論が割れている。

新型コロナの影響で経済的な打撃を受けた後の日本経済で、経済再生を目指そうとしているのに、基礎的財政収支の黒字化目標は緊縮財政を助長するから、目標自体をやめてしまえ、という声がある。

2022年度以降の歳出改革の目安と、2025年度の基礎的財政収支黒字化。これらが骨太方針2021にどう盛り込まれるか。

それを占うのが、麻生太郎財務相に5月21日に手交された財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が取りまとめた「財政健全化に向けた建議」である。

この建議(提言)は、前掲した5月25日に開催された経済財政諮問会議の場でも、麻生財務相から紹介された。財政制度等審議会では、毎年、骨太方針に盛り込まれることを強く意識した提言を建議として取りまとめている。骨太方針2021に向けて、この建議で重要なポイントは、