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消費税率を10%に上げて下げなかった安倍内閣。そして「ポスト安倍」は

土居丈朗慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)
記者会見で辞意を表明する安倍首相を報じる街頭モニター(写真:西村尚己/アフロ)

8月28日に、安倍晋三首相は辞意を表明した。7年8か月に及ぶ安倍内閣は、消費増税を実現するためにできた政権ではなかったが、消費税率を5%から10%まで引き上げた内閣として、図らずも歴史にその名を残すこととなった。

わが国では、消費税率を、2019年10月に10%とした。その後、新型コロナウイルス対策に関連して、消費減税の声が上がった。

拙稿でも、

「消費減税論議の情勢分析(3月19日朝現在)」

「消費減税論議の情勢分析(4月16日朝現在)」

「消費減税論議の情勢分析(6月20日朝現在)」

とお伝えしてきた。

消費減税については、日本の消費税に当たる付加価値税の税率を、欧州諸国の一部で下げていることが引き合いに出される。ドイツが、今年7月から12月まで、付加価値税の標準税率を19%から16%にした。イギリスも、7月15日から来年1月12日まで、付加価値税の標準税率を20%から5%に引き下げた。付加価値税の引下げで、新型コロナウイルスによって打撃を受けた消費を喚起したい思惑がある。

ドイツの付加価値税率引下げの背景は、拙稿「ドイツが『消費税率3%下げ』に踏み切る意味 歳出削減を徹底、単なる景気対策ではない」で詳述している。

欧州諸国では、早くもその効果が疑問視されている。なぜならば、

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慶應義塾大学経済学部教授・東京財団政策研究所研究主幹(客員)

1970年生。大阪大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。慶應義塾大学准教授等を経て2009年4月から現職。主著に『地方債改革の経済学』日本経済新聞出版社(日経・経済図書文化賞とサントリー学芸賞受賞)、『平成の経済政策はどう決められたか』中央公論新社、『入門財政学(第2版)』日本評論社、『入門公共経済学(第2版)』日本評論社。行政改革推進会議議員、全世代型社会保障構築会議構成員、政府税制調査会委員、国税審議会委員(会長代理)、財政制度等審議会委員(部会長代理)、産業構造審議会臨時委員、経済財政諮問会議経済・財政一体改革推進会議WG委員なども兼務。

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