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カーリングPACCでロコ・ソラーレが無傷の5連勝。流行語大賞については「素直に嬉しい」と吉田知。

竹田聡一郎スポーツライター
中国戦でショットを放つ吉田知那美。要所でのダブルテイクアウトも光った(著者撮影)

 平昌五輪の熱狂からちょうど9ヶ月、銅メダルを獲得し世界でも追われる立場となったロコ・ソラーレは、五輪と同じ会場である「江陵カーリングセンター」で開催されているパシフィック・アジア選手権(PACC)に出場中だ。

 5月の代表決定戦で勝利してから2ヶ月弱の中期のオフをはさんで、今季は新設されたワールドカップや、ツアー最高峰タイトルのグランドスラムなどに招待され、優勝こそまだないが安定した成績を残している。

 帯同する小野寺亮二コーチの「多くのエンドで主導権が握れている。今季、勉強したことも出せている。あとは細かいミスをケアしていきたい」というコメントが、ここまでの順調な強化を物語るが、今大会も開幕から5連勝を果たし、8日の韓国戦も勝てば無傷で首位通過だ。

 今季から世界的に本格導入された5ロックルール(※1.)にも、セカンド鈴木夕湖らを中心にうまく対応している印象だ。

「コーナーにきれいに(ガードを)置かれると、センターにガードを置く選択肢が出てくる。これまでガードを置くことがほとんどなかったので、『私、下手だな』と思いながら、でも課題を持ってプレーできています」

 鈴木本人は謙虚に語るが、中国戦ではランバックから相手の石のみを出すダブルを決め、複数得点の契機を生むなど、調子も上向きだ。連日、選手のケアをする大森達也トレーナー(フィジットコンディショニング)の「疲れはありません。身体もよく動いている。やってくれるでしょう」という言葉からも不安は感じられない。3年ぶりの同大会優勝の期待が高まる。

 また、この日は年末の風物詩の一つである「ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)の候補語、30語が発表された。

 スポーツ界からは「(大迫)半端ないって」、「翔タイム」などのサッカーや野球と並んで、カーリングからは「そだねー」と「もぐもぐタイム」がノミネートされた。

 それを吉田知那美に伝えると、彼女は笑顔で「今までメディアを通して見るだけのものだったので、そこに自分たちに関わる言葉がノミネートされてびっくりしましたけれど、それほどメジャーではないカーリングをみなさんが応援してくれていたということだと思うので素直に嬉しいです」とコメント。

 「そだねー」についてはかつて、「そもそも訛っているだけなんだけど、そもそもそれが北海道弁だと気づいてなかった」とメンバーが語っていたことがあったが、今季はそれを気にしてか試合中のコミュニケーションでも同意の場面で「そうだねー」という標準語が目立つ。

 「もぐもぐタイム」は今大会、リンゴがメインだ。イチゴは季節的にあまり出回っていないようだ。

 明日、8日以降はBS日テレなどで中継も入る。今大会は世界選手権のトライアルも兼ねており、2位以内に入れば世界選手権の出場(※2.)も決まる。9ヶ月ぶりの「そだねー」と「もぐもぐタイム」を堪能しつつ、再び世界に挑む彼女たちを応援してほしい。

(※1.)

カーリングには両軍リードの4投がハウスにかかっていない場合、つまりガードストーンとなった場合、テイクしてはいけない「フリーガードゾーンルール」がある。これがカナダを中心に改良され、今季から日本でも本格導入された。これまでのリードの4投に加え、先攻チームのセカンドの1投目、各エンドの5投までガードストーンのテイクが禁止になる。これが“5ロック”と呼ばれる所以だが、ハウスに石が残りやすくなり、複数得点、あるいはスティールの契機が大幅に増えることが予想される。

(※2.)

3位以下となった場合、来年1月にニュージーランド・ネイズビーで開催されるワールドクオリフィケーションに参加。そこで勝てば、世界選手権の出場枠を得られる。また、世界選手権には来年2月に札幌で開催される日本選手権の優勝チームが派遣される予定。

スポーツライター

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。 カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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