車いすカーリング日本選手権はチーム長野が優勝。2022北京パラリンピック出場の可能性は!?

ラウンドロビンは2勝2敗で3位通過ながら決勝にピークを合わせた(著者撮影)

 第14回日本車いすカーリング選手権大会が新潟アサヒアレックスアイスアリーナで開催された。

 本州ブロックと北海道ブロックからそれぞれ3チーム、計6チームのラウンドロビン(総当たりリーグ)で上位3チームがプレーオフへ。決勝は北見フリーグスとチーム長野の顔合わせとなった。

 序盤はチーム長野が連続スティールを記録するなど、フォースの和智浩が「ロールがいいところに転がってくれるなど、ツキがあった」と振り返ったように前半を3点リードで終えた。

 北見はハーフ明けの5エンドに、セカンドの岩田勉やサードの柏原一大などが好ショットを繋げチャンスを作る。それに応える形でフォースの坂田谷隆がタフなニューパスを決め、3点のビッグエンドに仕上げて一挙に追いついた。

 和智は「坂田谷さんをはじめ、全員がしっかりドローを決めてくる。実力は向こうのほうがまだ上だと思う」と対戦相手の技術を認めたが、すぐさま2点を返し偶数エンドでハンマーを保持すると、7エンドにはしっかりフォース(先行時に相手に1点を取らせるエンド)に成功。試合巧者ぶりを見せ、そのまま逃げ切った。

「まだ実感はないけれど、嬉しいです」(和智)

 また、大会には平昌五輪に出場したSC軽井沢クラブの清水徹郎がゲストとして招かれ、カーリング体験会に参加するなど会場を盛り上げた。清水は実際に車いすに乗ってスティックを使ったショットに挑戦したが、ドローが1投目でショート、2投目でスルーしてしまい「ウェイトをつかめる気配すらなかった」と苦笑いしつつ「とてもデリケートで、あれをハウスに入れるみなさんはすごい」と車いすカーラーの技術に感嘆していた。

 そして、デリケートなウェイトが求められる一方で、デリバリーは専用のスティックでハンドルをグリップして押し出すように行うため、どうしても早いショットは出しにくい。清水は「ダブル(テイクアウト)やヒットロールが難しいぶん、強い石を作るためにフロントエンドからのショット選択が重要になると思う」と観戦した感想を語ったが、スイーパーもいないこともあり、投球技術とショットセレクションの重要性が増す、より戦略的な種目であることは間違いない。

 2022年北京パラリンピックへの道だが、来年19年から21年までの3回の世界選手権で振り分けられるオリンピックポイントで競われる。

 ただ、日本は現在、世界ではディヴィジョンBに属しているため、まずは11月にフィンランド・ロホヤで行われる世界選手権のディヴィジョンBで上位2チームに入賞し、来年3月にスコットランド開催予定の世界選手権の出場権を獲得する必要がある。

 そこで中位以上の成績を残せば、シード権を獲得し翌20年大会にも出場可能になる。つまり、世界戦で安定した成績を残し続ければ北京への視界はクリアになってくるはずだ。まずは、和智が「出るのではなく勝ちに行かなくては」と意気込む11月の世界戦Bに向けて強化を続ける。

「これから国内での強化合宿を複数回行い、今回優勝のチーム長野のメンバーをベースに日本代表を編成します。そのチームで海外遠征も含め、戦術やフィジカルを強化し、世界と互角に渡り合っていきたい。チャンスはあると確信しています」

 そう強化案を語るのは、一般社団法人日本車いすカーリング協会の浪岡正行強化委員長だ。

 2月の平昌パラリンピックで、出場できなかったのはカーリングだけだった。各メディアが種目紹介の際に「日本の参加種目はカーリング以外です」という案内をしたことを車いすカーラーは重く受け止め、4年後への気運は上がっている。女子は金メダル、男子はメダル、ミックスダブルスは初出場、そして車いすパラも2010年以来の出場。日本カーリング界の夢は高く広がってゆく。

■チーム長野

リード斉藤あや子、セカンド飯島秀一、サード市川勝男、フォース和智浩、リザーブ大崎浩明。斉藤や市川が所属した、車いす日本選手権を第一回から8連覇した強豪「信州チェアカーリングクラブ」(第3回、第4回は「チーム中島」として出場)を母体としたチーム。御代田カーリングホールと軽井沢アイスパークで週2度のトレーニングを重ねる。モットーは「楽しく明るく笑顔でコミュニケーションを取れるチーム」。