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カーリング日本代表決定戦、男子展望。技術と経験と実績を持つSC軽井沢クにチームIWAIが食らいつく

竹田聡一郎スポーツライター
チームIWAIはフォースの青木豪(写真後列右端)にいい形で繋ぎたい(著者撮影)

 5月18日(金)に北見市のアドヴィックス常呂カーリングホールで全農2018パシフィックアジアカーリング選手権(以下PACC)大会日本代表決定戦が開幕する。男子は平昌五輪代表のSC軽井沢クラブと2月の日本選手権を制したチームIWAIとの対戦だ。

 大方の予想ではSC軽井沢クラブが有利とされている。国内はもちろん、世界で残してきた実績も十分で、技術面でも経験面でも隙は見当たらない。

 両角友佑、山口剛史、清水徹郎、平田洸介の4人は五輪を終えてから3月にミックスダブルスの日本選手権に参加し、ロコ・ソラーレ北見の藤澤五月と組んで優勝を果たした山口が世界選手権出場のためにスウェーデンに遠征した。そのため、メンバー全員が揃っての公式戦は五輪以来、11週ぶりとなる。

 しかし、それについても両角友は「思ったより問題を感じなかった。揃って(のゲーム)は久しぶりだけど、それぞれアイスには乗っていたからコンディションは上々です」と不安要素にはなっていないようだ。5月7日には全員が常呂入りし、今大会のために10日間ほどの合宿を敢行するなど、シーズン終わりの試合ながら準備に余念がない。

 チームIWAIの印象については「若い世代が加わっていて、年齢的に理想のチームだと思う」とした上で、「相手どうこうよりもしっかり、こっちのゲームに引き込むかを意識して戦いたい」と横綱相撲の構えだ。

 チームIWAIはなんとかSC軽井沢クラブのリズムを狂わせたいところだ。スキップで主将の岩井真幸は「まずはチームみんなで考えて石を運びたい」とチームプレーの重要性を強調した。

 世界選手権では3勝9敗で13カ国中11位という不本意な成績だったが、格上のチームとの連戦から「強いチームとやるにはどのように戦えばいいか」というスキームを学びとった。2月の日本選手権で岩井は「必死に食らいついていければ、どこかでチャンスがあると思っていた」とコメントしていたが、今回もその基本姿勢に、世界で得た上積みをパフォーマンスに昇華させたい。

 両チームとも前日に行われた90分の公式練習では精力的に石を投げ、アイスのコンディションを確かめた。国内トップクオリティのカールアイスの常呂らしい、よく曲がる仕上がりだ。本番は氷上に特設されたスタンドに400人前後の観客が入る。その影響で受けるアイスチェンジを、どちらのチームがイチ早く察することができるかが鍵になりそうだ。

 最大5戦で3戦先勝したチームが来季の日本代表としてPACCに派遣される。ジャパンを背負って来シーズン、世界へ再び挑むのはどちらのチームだろうか。

スポーツライター

1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』(講談社)がある。 カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを追い、取材歴も10年を超えた。

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