【四国リーグCS第4戦】香川、愛媛を下して6年ぶり6度目の年間総合優勝!2018年四国王者に!

総合優勝の歓喜に沸く香川オリーブガイナーズ(写真/高田博史)

2018.10.2 四国アイランドリーグplus 2018 チャンピオンシップ第4戦

愛媛マンダリンパイレーツ(後期優勝) 2‐3 香川オリーブガイナーズ(前期優勝)【坊っちゃんスタジアム】

香川 000 010 200|3 H8、E0

愛媛 000 000 200|2 H6、E0

勝 石田 1勝

敗 四戸 1敗

バッテリー

愛媛 四戸、河津、クインティン ‐ 福田

本塁打

香川 

愛媛 

 2日、四国アイランドリーグplusチャンピオンシップ(CS)第4戦は、愛媛マンダリンパイレーツ・四戸洋明(国士館高)、香川オリーブガイナーズ・箱島章矢(駒澤大)両先発の投げ合いで始まった。共に今回のCSで初のマウンドとなる。

 箱島が4回まで無失点、7奪三振の好投で流れを呼び込んだ。5回表、香川は一死満塁のチャンスに九番・井戸川祐太(正則学園中退)の左犠飛により先制点を挙げる。7回にも井戸川の適時右前打などで2点を追加、3対0とリードを広げた。

 だが7回表、5回途中から箱島をリリーフした二番手・石田哲也(日大・準硬式)がリズムを乱す。先頭打者に死球を与えたあと、五番・ペレス(元阪神/ドミニカ共和国)に右翼線二塁打を許し、走者をためる。愛媛は2つの内野ゴロで2点を返し、1点差に追い上げた。

 香川は8回裏、二死満塁の場面でマウンドに登った四番手・原田宥希(滋賀・高島ベースボールクラブ)が、五番・ペレスを一ゴロに打ち取り、ピンチを切り抜ける。

 3対2と香川1点リードで迎えた9回裏、愛媛は二死一、二塁と一打逆転サヨナラのチャンスをつかむが、最後の打者も原田の好投の前に空振り三振に倒れ、惜しくも逆転はならなかった。

 3対2で愛媛を下した香川が3勝1敗でCSを制し、2012年以来6年ぶり6度目の年間総合優勝を達成した。四国王者として7日から香川で開催されるグランドチャンピオンシップでBCリーグ王者・群馬と独立リーグ日本一を争う。

「やったろう!」

 箱島章矢(駒澤大)にCS第4戦での先発指示があったのは2日前、敵地・松山で行われるCS第3戦を翌日に控えた9月30日の夜のことだった。

「電話が掛かって来ました。天野さん(浩一コーチ/元広島)から。『うわっ! ここで?』って驚きましたけど、全然緊張はしなくて。『投げてやろう』みたいな感じで」

 第1戦に先発した森崎友星(アークバリア)が扁桃腺を腫らせ、38度を超える高熱を出した。マスクをしてチームには帯同しているが、とても投げさせられるような状態ではない。第3戦をエース・秀伍(高島秀伍、セガサミー)で行く。そこで決められないのなら、第4戦は左腕・箱島に賭ける。香川・西田真二監督(元広島)にとって、その決断は1つのギャンブルとも言えた。

 レギュラーシーズンで19試合の登板は、すべて中継ぎだ。最後にマウンドに登ったのは愛媛との最終戦、後期8回戦(9月14日、レクザムスタジアム)である。2失点した先発・森崎を4回からリリーフし、5イニングを投げ2失点と、まずまずの投球を見せていた。

 今季初めての先発マウンドが、年間総合優勝の懸かった大一番となった。だが、不思議と緊張感はない。

「試合始まってもホントに普通で。『やったろう!』って気持ちしかなくて。いい感じで」

 初回、三者凡退と上々の立ち上がりを見せる。2回には五番・ペレス(元阪神/ドミニカ共和国)を外角いっぱいへのストレートで。六番・大本聖也(関西国際大中退)をストレートで、二者連続三振に切って獲った。3回に連打を許し、一死一、三塁のピンチに陥ったが、ここも二者連続三振で切り抜けている。

箱島の好投がガイナーズに流れを呼び込んだ(写真/高田博史)
箱島の好投がガイナーズに流れを呼び込んだ(写真/高田博史)

 大きかったのは愛媛の主砲・ペレスを2打席連続三振に封じたことだ。きのう、秀伍が3ランを浴びたシーンを目の前で見た。ペレスを乗せれば、愛媛は勢いづいてしまう。バッテリーを組んだ岡本仁(立正大)と共に、攻略方法を話し合っていた。

「ペレスに関しては、岡本さんと話してて。僕、左だから(インコースへの)スライダーは打てないと見てて。アウトコースばっかり投げてると合わせて来る、みたいなのがあったので、2ストライクに追い込んだときはインコース。スライダーで獲ってみようってことで」

 きのう、秀伍が被弾したのも、ややインコース寄りのストレートだった。

「それは僕も気をつけなきゃいけないなと思って。(ストレートを)インコースはあんまり投げないで、アウトコースで勝負して。スライダーは多分見えてないので、インコースに投げられる」

 組み立てた想定通りの投球でペレスを2打席連続三振に獲ると、続く六番・大本も2打席連続三振に仕留めた。4回で奪った三振は7つである。

 ダグアウトに帰ると「おつかれ」と言われたが、5回の先頭打者、七番・藤田紫曜(九州総合スポーツカレッジ)が左打者のため「もう1人だけ」と言われた。藤田を2球で三ゴロに獲る。60球、見事にゲームの流れを呼び込む働きを見せた。

「おじいちゃん、見てるよ」

 祖父の訃報が飛び込んで来たのは、CS第2戦が行われた9月23日、早朝のことである。母方の祖父、滝内弥瑞生氏(たきうち・やすお、享年82歳)が慢性心不全で亡くなった。

 元プロ野球選手。西鉄ライオンズ全盛の時代に内野手として活躍し、引退後も二軍監督、コーチを務めた。

「2戦目のときは、もう亡くなってる状態で。ほんとはお通夜だったんですけど(香川に)残って、その次の日に帰ったんですよ、福岡に。一回、福岡遠征のときに帰って、亡くなる前に。『また来るね。きょう、試合で帰って来たよ』みたいなこと言って。それから次、おじいちゃんのこと聞いたのが『亡くなった』って話でした。全然しゃべれなかったので、僕の事、覚えてたぐらいで。前はもう、ずっと野球関係の話を口が酸っぱくなるくらい。『肩、大事にしろ』とかいろいろ聞いていたので」

 葬儀を終えたあと、福岡からとんぼ返りで香川へと戻った。家族から「おじいちゃん、見てるよ」と携帯にメッセージが入っている。

「そういうの思ったら、僕も投げられたっていうか……。それもあったし、チャンスをもらえたので。最後ぐらいしっかりやろうと思って。また次は多分、中継ぎに戻ると思うんですけど、与えられたチャンスはしっかり頑張っていきたいと思います」

 やってやる。そう心に期したマウンドで見せた、天国の祖父に捧げる快投だった。