【四国リーグCS第3戦】『強い追い風』正田、貫禄の7回無失点。第3戦は愛媛がホームで香川を下す

先発の愛媛・正田は粘りの投球で香川打線に得点を許さない(写真/高田博史)

2018.10.1 四国アイランドリーグplus 2018 チャンピオンシップ第3戦

愛媛マンダリンパイレーツ(後期優勝) 4‐0 香川オリーブガイナーズ(前期優勝)【松山・坊っちゃんスタジアム】

香川 000 000 000|0 H6、E0

愛媛 000 040 00X|4 H9、E0

勝 正田 1勝

敗 秀伍 1敗

バッテリー

香川 秀伍、畝、又吉、原田 ‐ 三好

愛媛 正田、クインティン ‐ 福田

本塁打

香川 

愛媛 ペレス1号3ラン(5回、秀伍)

 1日、台風接近のため2日間順延となった四国アイランドリーグplusチャンピオンシップ(CS)第3戦が、愛媛マンダリンパイレーツ(後期王者)のホーム・坊っちゃんスタジアムで行われた。愛媛は敵地で2敗を喫しており、もうあとがない。香川オリーブガイナーズ(前期王者)は3連勝で年間総合優勝を決めたいと、松山に乗り込んでいる。

 序盤、お互いにチャンスを得点につなげられないなか、3回表に香川がビッグチャンスを作る。愛媛先発・正田樹(元日本ハムほか)をとらえ、無死満塁に。だが、正田は粘りの投球でこのピンチを切り抜け、無失点でしのいだ。

 5回裏、香川先発・秀伍(高島秀伍、セガサミー)が先頭打者を歩かせる。愛媛は二死一、二塁から代打・肥後郁弥(旭川大)が中前に適時安打を放ち、先制点を挙げる。さらに四番・ペレス(元阪神/ドミニカ共和国)の打球は、逆風をものともせずに坊っちゃんスタジアムの右翼スタンドへ飛び込む1号3ランとなり、この回4点を奪った。

 正田は7回表、二死満塁のピンチも無失点でしのぐと、8回からリリーフした二番手・クインティン(ドミニカ共和国)が香川打線を封じ込めた。CS第3戦は愛媛が4対0で勝利し、対戦成績を1勝2敗としている。

 第4戦は2日、同じく坊っちゃんスタジアムで行われる。

『強い追い風』

 愛媛は敵地から始まったCSで2連敗を喫し、もうあとがない状況で第3戦を迎えている。だが、負けられない状況から踏ん張るのは、後期リーグ戦終盤と同じだ。最後の8試合を負けなしのまま走り抜け、見事逆転優勝を果たした。

 今回のCSで初となる登板を、第3戦の先発投手として迎える。愛媛・正田樹(元日本ハムほか)に特別な緊張感や過度なプレッシャーはなかった。

「負けられない状況でね。ゲームが始まってしまえば、もう目の前のバッターを抑えることに集中して行くんですけど。それはもう2敗してようが、2勝してようが。自分で『負けたくない!』っていうのはもう、どの試合でもあるので」

 後期終盤、9月11日の対ソフトバンク三軍後期3回戦(宇和島)に先発したあと、中4日で対徳島後期6回戦(16日、JAバンク徳島)に先発している。さらに、中2日で後期優勝を決めた対徳島後期8回戦(19日、新居浜市営)でも先発し、9日間に3試合で先発している。投球数は、併せて237球である。

「思ったより、その中2日の疲れが出た」と言うが、台風接近による順延も含め、11日間登板が空いたことで、うまくリフレッシュできていた。

 序盤、お互いに先手を打てないなかで、確実に試合の流れを分けたのは3回表、香川の前に無死満塁のピンチを迎えた場面だった。一番・白方克弥(松山商)を外角低めへのスライダーで空振り三振に獲る。続く二番・妹尾克哉(神戸国際大学附属)を投ゴロで本塁封殺に。三番・岡村瑞希(クラーク記念国際高)を128キロのフォークボールで空振り三振に切って獲り、この窮地を無失点で乗り切った。

「ここぞとばかりに行く。続けても行く」

 いつもなら低目のシンカーで空振りを獲る。だが、きょうはフォークが効いていた。「『抜け感』が良かった」と話す。

「いつもワンバン、ボール。お決まりのように『ボール』だったんですけど、ちょっとバッターが手を出して、空振りを獲れるっていうのは良かった。一時はそんなに使える球ではなかったんですけど。ずっとシンカーだったんですよ、基本は。だけど、きょうはフォークが良かったですねえ」

 マスクを被った福田融司(関西学院大)も、決め球として積極的にフォークを要求している。

「ショートバウンドは多分、ほとんどフォークだと思います。途中で『投げる感覚が良くなった』って聞いたので。やっぱりフォークに合ってないバッターというか、低目の落ちる球に合ってないバッターには、ここぞとばかりに行くというか。続けても行く! という形できょうはリードしました」

 香川の打者がことごとく見逃した、カウントを取るカーブも有効だった。もう1球、非常に効果的だった球がある。左打者の内角をえぐったスライダーだ。

「左バッターのインコースに素晴らしい球が来てたので。もう『まったく手が出えへんやろ』というか、のけぞる感じやったので、これは使えるなと思って。あれがすごく効いたので、外(外角の球)も相当、遠く見えたと思いますし。あれが来るという頭があるから、次のバッターも外が打てない。きょうはあの1球が大きかったですし、フォークも全部低めに来てたので、すごく使い易かった」

 序盤は内角をどんどん攻めて行く。福田にとって、それが今年のテーマでもある。台風の余波により、右翼から左翼方向に強い風が吹き続けていた。左方向への打球は伸びる。思い切って振って来る香川の右打者に対し、怖い部分もあったが、逃げずに内角を突き続け、最後はフォークを振らせた。

第3戦に勝利を収め、愛媛のマウンドに輪ができる(写真/高田博史)
第3戦に勝利を収め、愛媛のマウンドに輪ができる(写真/高田博史)

 香川打線を6安打、完封して3連勝を阻止した。ホーム・坊っちゃんスタジアムで戦えることに、強い追い風を感じている。

「やっぱり、帰って来て雰囲気が違うというか。『帰って来た!』という感じがして。ファンの方々の声援もそうですし、とりあえずやり易いな。そういう感じがします。坊っちゃんはやっぱり僕は好きというか、帰って来て3連勝できると思ったので」

 その気持ちは、正田も同じだ。愛媛のファンが支えてくれる、その追い風のなかで投げられることを、本当にありがたいと感じている。

「みんながいつも通りアップからやってるのを見て、逆に頼もしかったですよ、みんな。一週間、空きましたしね。ホームでできるっていうのも、みんな分かってるし。まずあした、勝ちたいスねえ……勝ちたいスねえ」

 インタビューの最後「心の底から願っている」という感じで2度、そう呟いた。