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オイ、それは野球賭博だろ:巨人選手、公式戦で現金やりとり

木曽崇国際カジノ研究所・所長
(写真:アフロ)

なんかもう続々と不祥事が出てきて、もはや驚きすら感じない状態になっているのですが。。以下、共同通信より転載。

巨人選手、公式戦で現金やりとり 野球機構調査委が把握

http://this.kiji.is/81959266527625221

野球賭博に4選手が関与していたことが発覚したプロ野球巨人の選手が、自チームの公式戦の勝敗に絡んで現金のやりとりをしていたことが14日、分かった。選手が試合ごとに現金を出し合い、勝てば試合での円陣で「声出し」と呼ばれる発声を担当した選手が総取りするルール。日本野球機構(NPB)調査委員会の大鶴基成委員長が調査の過程で把握していたことを明らかにした。

大鶴委員長によると、選手の拠出金は1試合当たり5千円で、試合に負けた場合は「声出し」した選手が千円を支払っていた。昨秋の調査で判明していたが、少額なため、八百長や敗退行為にはつながらないと判断したという。

毎度、毎度の言い訳が本当に「みっともない」のですが、今回の賭博に関しては「昨秋の調査で判明していたが、少額なため、八百長や敗退行為にはつながらないと判断した」んですってよ、奥様。先の「ヘビ万」なる賭博行為に関しては、「厳しい練習のモチベーションを維持するため、かなり以前から自然発生的に行われていたもので、賭博行為とは性質が異なる」でしたっけ(参照)。

大変申し訳ないですが、我が国の刑法は物品に関しては「一時の娯楽に供するものを賭けたにとどまるる時」という罪の適用除外規定がありますが、現金は1円からでも違法な賭博行為であるとされています。ちなみに、ここで昨年11月に報じられたJR東日本の野球賭博に関するニュースを見てみましょう。以下、産経新聞より転載。

JR東日本で112人が野球賭博 社員とグループ会社の社員

http://www.sankei.com/affairs/news/151105/afr1511050019-n1.html

JR東日本は5日、車両の点検などを行う郡山総合車両センター(福島県郡山市)に勤務する同社やグループ会社の社員計112人が高校野球の甲子園大会の優勝校を予想する賭博行為をしていたと発表した。

JR東によると、賭けの対象は、春の選抜高校野球大会と、夏の全国高校野球選手権大会。組み合わせが決まった後に、センター内に参加者を募るチラシを掲示し、1口500円で優勝校を予想していた。今年の春は66人が参加、賭け金の総額は13万2500円、夏は82人で総額は17万3500円だった。

上記ニュースはちょうど昨年10月の巨人軍の野球賭博問題が発覚した直後に報道されたものですが、いやぁ、さすがJRは厳しいですねぇ。おそらく野球賭博に関する社会的な非難の高まりを敏感に感じた故の行動なのでしょう、自社の社員が一口500円の野球賭博をしていたというだけで「自主的に」問題を発表して、懲戒処分ですよ。

一方、一連の野球賭博問題の「火付け役」となった当の巨人軍の野球選手は一口5000円の野球賭博行為を行っても、外部には一切発表しない、懲戒もない。「少額なため、八百長や敗退行為にはつながらないと判断した」との事ですが、野球協約の定める野球賭博の禁止というのは、金額の多寡によって「八百長や敗退行為にはつながらない」と判断されるものならばOKというルールだったということでしょうかね。

そんな適当な運用のものなのだったら、最初からそのように書いておいて下さいよ。僕はてっきりプロ野球選手にプロとしての職業倫理の順守を求める、もっと厳格なルールなのかと思っていましたよ。

第180条 (賭博行為の禁止及び暴力団員等との交際禁止)

http://jpbpa.net/up_pdf/1427937913-568337.pdf

1 選手、監督、コーチ、又は球団、この組織の役職員その他この組織に属する個人が、次の行為をした場合、コミッショナーは、該当する者を1年間の失格処分、又は無期の失格処分とする。

(1)野球賭博常習者と交際し、又は行動を共にし、これらの者との間で、金品の授受、饗応、その他いっさいの利益を収受し若しくは供与し、要求し、申込み又は約束すること。

(2)所属球団が直接関与しない試合、又は出場しない試合について賭けをすること。

(3)暴力団、あるいは暴力団と関係が認められる団体の構成員又は関係者、その他の反社会的勢力(以下「暴力団員等」という。)と交際し、又は行動を共にし、これらの者との間で、金品の授受、饗応、その他いっさいの利益を収受又は供与し、要求又は申込み、約束すること。

2 前項の規定により無期の失格処分を受けた者(後に期限が定められた者を除く。)であっても処分後5年を経過した者でその間において善行を保持し、改悛の情顕著な者については、本人の申し出により、コミッショナーにおいて将来に向かってその処分を解くことができる。

3 前項の規定により処分を解かれた者が、選手として復帰を希望するときは、第177条第3項の規定を準用する。

国際カジノ研究所・所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部卒(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者グループでの内部監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長へ就任。9月26日に新刊「日本版カジノのすべて」を発売。

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