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ダンクでファンを魅力できるアイラ・ブラウンはBリーグの発展にとって欠かせない存在

青木崇Basketball Writer
34歳となってもしばしば豪快なダンクを叩き込むブラウン(写真:アフロスポーツ)

豪快なダンクは、バスケットボールがエキサイティングなスポーツと言える理由の一つ。9月22日のBリーグ開幕戦でアンソニー・マクヘンリーがオフェンス・リバウンドから叩き込んだとき、琉球ゴールデンキングス・ファンの盛り上がりが最高潮に達したことでも明らか。1試合に数回しかなくても、ダンクは会場に駆けつけた人たちに何らかのインパクトを与える。10月15日に行われたサンロッカーズ渋谷と川崎ブレイブサンダース戦は、両チーム合わせて8本のダンクが炸裂し、そのシーンに多くのファンが”ウォー!”という声をあげていた。

その中でも4本決めた渋谷のフォワード、アイラ・ブラウン(バックグラウンドはこの記事でチェック)は強烈なダンクが持ち味。翌日の試合でも2本叩き込むなど、昨シーズンのNBL王者相手に2試合で6本というのは、すごい数字と言っていい。シーズン開幕から8試合で、ダンクがなかったのは10月1日の新潟アルビレックスBB戦のみだが、この試合7本中7本の3Pシュートを決めるなど、決して身体能力だけの選手ではない。

2011-12シーズンに富山グラウジーズ入りし、2014-15シーズンからサンロッカーズでプレイするブラウンは、1982年8月3日生まれの34歳。ベテランと呼ばれてもおかしくない年齢だが、ダンクを決める際の跳躍力や力強さということでは、まったく衰えを感じさせない。それは、今シーズン記録した13本のうち、半数以上の7本が第4クォーターで決めていることでも明らか。ランニングジャンプの自己最高が45.5インチ(約126cm:本人談)、現在も42インチ(約107cm)跳べるというブラウンが、高い運動能力を維持するために体のケアをきちんと行い、故障なくプレイできていることも忘れてはならない。

「試合の前後に必ず電気で振動する機器を使って、関節を含めた全身をほぐすようにしている。試合後にはフィッシュ・オイルのサプリを摂取し、Bリーグ最高のトレーナーの一人である松田(直普)さんからマッサージを受けるなど、体のためにいろいろなことをやっている。健康のことを考え、食事はもちろん日本食だ」

FIBAアジア・チャレンジで日本代表デビューを果たす。写真:FIBA.com
FIBAアジア・チャレンジで日本代表デビューを果たす。写真:FIBA.com

こう語るブラウンは、2年半前に日本人女性と結婚し、Bリーグ開幕前に行われたFIBAアジア・チャレンジに日本代表の帰化選手として出場。8試合で平均13.9点、193cmの身長ながら大会2位となる12.6リバウンドを記録するなど、チームに欠かせない存在となった。4年後の東京オリンピックでプレイしたいか? という質問には、「疑いの余地はない。もちろんだ」と力強く返答。体をきちんとケアし、故障なくプレイし続けることができれば、38歳になってもやれる自信を持っている。試合中にダンクを見てみたいという人には、お勧めの選手としてブラウンの名前をあげたいし、今後Bリーグをより盛り上げるうえでも欠かせない存在だと言っていいだろう。

Basketball Writer

群馬県前橋市出身。月刊バスケットボール、HOOPの編集者を務めた後、98年10月からライターとしてアメリカ・ミシガン州を拠点に12年間、NBA、WNBA、NCAA、FIBAワールドカップといった国際大会など様々なバスケットボール・イベントを取材。2011年から地元に戻り、高校生やトップリーグといった国内、NIKE ALL ASIA CAMPといったアジアでの取材機会を増やすなど、幅広く活動している。

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