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<ガンバ大阪U-23>川崎修平の初ゴールが決勝点になり、8試合ぶりの白星。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

元ガンバ大阪選手のMF稲本潤一が在籍するSC相模原とのJ3リーグ29節。FW白井陽斗のファーストシュートが先制点につながり早々にリードを奪う。その後一度は追いつかれるも前半のアディショナルタイムにMF奥野耕平のJ初ゴールが生まれて再びリードを奪って折り返す。後半、立ち上がりはゴールに対する欲を強めた相模原に押し込まれる展開に。その中から61分に再び同点ゴールを許し試合は振り出しに戻る。だが徐々にペースを取り戻すと、85分にFW白井のパスを受けたMF川崎修平が右足でゴール。この日3度目のリードを奪うと、その後も危なげなく試合を進め、8試合ぶりの勝利を掴んだ。試合後のガンバU-23監督、選手のコメントをお届けする。

●森下仁志U-23監督

今日も休日の中たくさんのサポーターの方にきていただいて本当に感謝しています。その方たちの熱というか、そのおかげで最後、逆転できたと思います。試合に関しては、前節だけではなくて、以前にも言いましたが、うちはたくさんの得失点差を持っていながらも、今の順位にいるのは僅差の試合をものにできていない、という状況が続いていた中で、勝負事ということに関してはよく耐えて勝ち切ったなと思います。でも、まず今のグループで18歳、高校1〜2年生がたくさん出場していて、本当に簡単なことではないと思いますし、相手には稲本潤一然り、丹羽竜平然り、J1でバリバリやっていた選手を相手に本当に粘り強くなってきたなと思います。それプラス、なぜ自分たちが、あんな風に後半、難しい状況になってしまうのか、というのは、やっぱりマイボールにするところ、攻撃に行くぞとなった時に引っかかってしまう。守備のところも、自分たちが先にポジションを取って、ボールを先に触っているのにクリアが中途半端になったり、セカンドボール拾えない。これはうちの育成がやらなければいけないことの1つだなと。今日みたいなロングボールを多用してくるチームに対してのやり方、ゲームの進め方を覚えていかないといけないと思います。そういう意味では今日の試合はトレーニングになったと思います。丹羽選手の足の出し方とか、稲本選手の足の出し方はやっぱり少し違う出し方をして来るので。修平(川崎)や大(塚元)、仁郎(中村)に取ってはとても経験になったと思う。そこの部分をもっともっと意識をあげてトレーニングをしていきたいと思います。

ー後半、少し足が止まった時間帯もあって押し込まれました。あの時間帯をどう振り返りますか。

自分たちがマイボールでひっかけられて、また守備に回る、守備の回数が増えると。攻撃でもめちゃめちゃ崩されているわけではないのですが、ロングボールに対して対応する選手の判断、周りの選手の反応が遅くなって拾われる。そのロングボールに対してのジャッジ、アクションを含めてそこの意識を上げていかなければいけないと思います。いま選手にも言いましたが、ああいう風になっても全員でボールを拾いにいかないと、少しやっぱり分断されるので、そこの判断がまだまだ必要かなと。まあでも、その前に自分たちが攻撃に出る時に、本当にチャンスになりそうな時に引っかかってまた相手ボールになるというシーンが続いたので、まずはそっちのプレーを高めていかないといけないと思います。本当に相手の丹羽選手、稲本選手はJ3リーグの中ではプレーの判断、質が高いなって思いましたし、そこはすごく勉強になったと思います。稲本選手とうちの中村仁郎は24歳も違うので。それはすごく勉強になったと思います。

ー川崎選手は初ゴールになりました。それまで2度ほどチャンスがありながらパスを選択したり、というシーンが続いた中でのゴールでした。

今までの修平(川崎)ならあれも外したと思います。でもそういう部分もすごく成長してきて、一番嬉しいですよね。修平がこのくらいのパフォーマンスをずっとしてきていて、常に彼はハイパフォーマンスを出していたので、これで得点をとれるようになってきたらすぐにトップチームでもやれる力はあると思うし、これを続けていってほしいなと思います。

●MF川崎修平

今日はずっと点を取ることしか考えていなくてようやく点が取れてよかったです。(1点目のスルーパスについて)陽斗くん(白井陽斗)が抜け出せるなと思ったので、あの間を通したら、キーパーと1:1に持っていけると思ったので、いいパスが通せてよかったです。(決勝ゴールについて)結構角度がなかったので入るかなと思ったんですけど、相手に当たったりしていいところに転がっていって入ってよかったです。周りの選手にも「初ゴールおめでとう」って感じで言われました。(2度ほどチャンスがあったときに打たずにパスを出していた。それも踏まえて最後は自分でしっかり仕留めようと?)パスを出したシーンも…あそこも僕が通したら点につながっていたと思うので、あそこを通していけるように練習からやっていきたいです。シュートは入ってよかったです。(シュートのところは課題の1つだったと思いますが)そうですね。監督にもずっと言われていましたし、ゴールの前にもフリーで真ん中で、絶対に決めないといけないシーンがあったので、あそこで点を取れていたらもっとチームを楽にさせられていたのかなと思うので、そこは課題です。(勝てない試合が続いていて、8試合ぶりに勝ち切れたことについては)今までもこういう試合で負けか引き分けだったので、今日は勝てて、いつもの課題が克服できたかなっていう感じはします。

●MF芝本蓮

(後半の押し込まれた時間帯について)相手が前に、前にきて、奪った時になかなか繋げないところから、自分たちも下がってしまったり、奪ったボールをもっと大事にしないとっていうのは共通してある課題なんですけど、なかなか一歩サポートができなかったり、疲れも出てくる中でなかなか前に押し返すことができず、下がってしまって押し込まれたのかなと思います。(その後よく盛り返しました。なかなか勝ちきれない試合が続いていた中で3点目が取れました)そうですね。耐えてる時間が長かったですけど、結構いい声が全員から出ていて…「耐えろ」とかそういう声も出ていたし、耐えながらチャンスは絶対に来るだろうなっていうのも思っていたのでそれをうまく修平(川崎)が決めてくれてよかったです。(個人の成長を求めるチームとはいえ、久しぶりに結果が出ると気持ち的にはやっぱり嬉しいですか)そうですね。反省点は多いですけどロッカーに戻って来てからの喜びとか、サポーターの皆さんの笑顔とか、っていうのが見れてやっぱり嬉しいし、なかなか勝てなくて苦しかったですけどこの勝利をきっかけにどんどん連勝してもっとみんなから笑顔が見れるように、シーズンの終盤をしっかり頑張っていきたいなって思います。

●FW白井陽斗

(大事な先制点でした。自分でフィニッシュまでというイメージでしたか?)そうですね。ファーストシュートだったので試合前からずっと狙っていたというか、ファーストシュートで決めるっていうイメージで、パスを選択せずに1本目はゴールを見えたら打つと決めていたので入ってよかったです。仁志さん(森下監督)にアップの時のシュート練習が硬いと言われて…キーパーをめがけて思い切り打ったら意外と入るもんやぞ、っていうことは言われて、思い切って打ったら入りました。(後半少し、足が止まって押し込まれた時間帯もありました)そうですね。でも今日は前半45分を戦ってチーム全体に勝てる雰囲気が漂っていて。いつもに比べて。だから気持ちにも余裕がありましたし、だからこそ耐えるところを耐えて攻めるところを攻めてっていう意識でやっていました。(その余裕は何によって生まれたものですか?)なんか…前半を戦っていて「いけるな」っていう時があるんです。ピッチの上である時、ない時があるんですけど。ない時はいつも以上に声を出してチームを鼓舞してやっているんですけど、今日はチームに勢いがあったしそれがゴールにも繋がっていったので自信につながりました。(前節のダービーでの敗戦の悔しさもあったのでしょうか?)そうですね。めっちゃ悔しくて…眠れないくらい悔しかったので。ダービーの悔しさをぶつけるわけじゃないですけど…ダービーはダービーだし…ただダービーの次の試合っていうのが大事だと思っていたし、全然勝てていない中で自分のゴールで勢い付けるっていうのは考えていました。(8試合ぶりの白星について)ホームで勝てたというのが何より大きい。これをアウェイにつなげていきたいと思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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