Yahoo!ニュース

<ガンバU-23>Y.S.C.C.横浜戦は0−1で敗戦。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

17位に低迷するY.S.C.C.横浜をホームに迎えての一戦。前節は結果こそ出なかったものの内容的には良かっただけに、その勢いをホーム戦にも繋げたいところだったが、立ち上がりから運動量、走力ともに少なく、勢いが出ない前半に。29分には相手に先制点を許してしまう。その8分後には、数少ない攻撃チャンスの中からPKのチャンスを掴むが、それも生かし切れず、0−1で折り返す。後半は選手を交代しながらテンポこそやや上がったものの相手を脅かすような攻撃は思うように仕掛けられず、得点を奪えないまま0ー1で敗れた。試合後のガンバU-23監督、選手のコメントをお届けする。

●森下仁志U-23監督

日曜日の遅い時間に1000人以上の方に来ていただいて本当に感謝しています。ゲームに関しては、今日、見に来ていただいた方たち、DAZNでも観ていただいた方たちに、払っていただいた大切なお金をお返ししなきゃいけないくらいの試合でした。特に前半、謙虚さ、ひたむきさが全くなく、自分たちがいかにもプレーができているかのような振る舞いをしてしまっていた。それに対して相手は順位に関係なく、自分たちのホームでうちに0−5でやられた思いをぶつけて来たと思うんですけど、ピンチというか…後半もそうだし、失点もそうですけど、全てスローインからスタートしていた、と。なぜそういうことが起きるかというと、スローインになると休む、立つ、っていうことは頭も休む、スタートのポジショニングが悪い、攻撃のスタートでも自分たちから動き出さない。攻撃のスローインは一人外に出ているので、数的不利な状況だと思うのですが、そういうことも全く理解していない。観ていただいたらわかる通り、全てがスローインからのシーンで、そういった甘さが一番の敗戦の要因かなと思います。特に前半の45分は今季一番ダメというか…プレー以前に心構えというか、お金を払っていただいている方たちに見せられるプレーじゃないなと思いました。彼らにも言いましたが、僕らは極端に言うと、クラブとしたらやる必要もないかもしれない組織であって、本当に高いお金を使っていただいてグラウンドを整備していただいて、こういった試合の会場もこうした会見の場所も、スタッフの方に用意していただいて成立しているのに、それをわかっていない。その辺の甘さが出たと言うか、気持ちの入ったチームに対して怯んでしまい、セカンドボール、球際もこぼれる、と。そのへんの根本的なところが…豊かさゆえかもしれないですけど、でも豊かだからこそ、言い訳はできないと思っているので。僕たちは全て与えていただいているので、マインド、心の部分をもっともっと追求すれば…うちの選手は能力がある選手ばかりだと考えても、本当に気づいて行動に起こせるようになれば、彼らのサッカー人生は違うものになっていくと思います。あと3分の1、2ヶ月半、今年最後だと思って、全員でやりきりたいと思います。

ー中村仁郎選手、唐山翔自選手は今後、相手にスタイルを読まれることも出てくる。彼らにとってもこのJ3リーグっていうのはいろんな成長だったり、いろんなものが問われるものになると思いますが。その辺はどう思いますか。

おそらく、相手は彼らに対してプレーとか判断をするスペースを与えないという対策をしてくると思いますし、そこの圧力がかかってくると思いますが、それでも彼らは十分にプレーできる選手だと思います。ただ、やっぱり受け身になると、うまくいかない。今日なんかは、唐山にしてもコンディションは万全ではないかもしれませんが、僕は代表選手の宿命としてこういう中でもやれなきゃいけないと言って、あえて使いました。でもやっぱり、一歩足を動かせないというか、先に入られちゃうというか。そこで、もっともっと自分の判断で、ボールがないところでの判断のスピードをあげて、自分で武器を出せる状態を出せる状況を作れるようにならないと、そうやってオフザボールのところで相手の先手をとれるようになってこないと、やっぱりある程度までは通用すると思いますがなかなかレベルが上がった時に手がなくなると思うので。それができなかった、で終わってしまうのではなく、より早く気づかせたい。彼らもわかってきていると思いますが、もっともっと促していきたいと思います。

●GK谷晃生

(機動力の上がらない前半になりました。GKから修正するのは難しいところもあったと思いますが、どういった変化が必要だったのでしょうか)やっぱりこの若いチームで、弱点というか、弱い部分といえば、うまくいかない時に修正するのがハーフタイムになってしまうというか。試合の中で改善することがなかなか難しいというか、やっぱり強いチームになるためにはそういうところで修正してゲームの中で変えていくことが大事だと思うので、そういうところが足りないと思いましたし、後ろから僕も…難しいですけど変えようとは思いながらも流れもありましたし、誰か一人でも理解できてなければ、穴になってやられてしまうので難しいなと思いました。(プレーでは自分の気持ちを示せてもなかなか声として届かないこともある)今はJ3にしたら…結構入っているとはいえ、昨日のトップの試合なんかと比べたら全然少ないわけで、目指す場所はここじゃないと考えても、トップの中では声も通らないこともあると思いますし、修正できないっていうのは課題だなと感じました。(ビルドアップのところをDFラインに要求して居たところもありましたがどうすればうまくいくと思っていましたか?)相手はFWも一枚でしたし、センターバックが僕を入れて3人なのに、相手ができるだけ変えさせないように切って来たんですけど、ボランチにつけてもボランチにプレッシャーがきているし、っていうところで、自分たちからハマりにいってしまったというか。もっとフォーメーションを崩してやったり、応用をきかせてやればよかったなと思います。(ビルドアップのところは本来、足元を含めても谷選手は得意ですよね)そうですね。だから前半からもっとビルドアップに関わっていきたいと思っていたんですけど、センターバックに出してもきられてっていうのがあったので…難しいですね。まだまだ自分が成長しなきゃいけないなとも思いました。

●MF福田湧矢

(前半から運動量も動きも少なく、機動力が出ない展開になりました)そうですね。自分の責任は大きかったと思います。自分のせいでそうなったと思っています。シンプルに気持ちの部分が足りていなかったんだと思います。(久しぶりにJ3リーグでの戦いになりましたが、うまくプレーと気持ちが入っていけなかったということですか?)それもありますし、自分の置かれている立ち位置もそうですし、いろいろ思うことはあったんですけど、それがそのままプレーに出てしまいました。(後半は福田選手自身もポジションが変わったりもしましたが、どういう変化を与えようと考えていましたか)気持ちの部分だったと思うので、後半はうまく気持ちを切り替えてやれたので、テンポはよかったんですけどあとは最後のところだと思います。

●DF松田陸

前半自分たちから仕掛けて守備もできていなかったし、相手の流れのまま、システムとかも捕まえづらかったので、自分たちからどんどんいけなくて、相手のペースになってしまって失点してしまった。前半は苦しかったんですけど、後半は、前に、前に、ということを意識してやって、そこで決め切れたら違う展開にはできたんですけど、決め切れなかったことでこういう結果になってしまった。(若いチームなので、こういう波はある。そういう中でチームにどういう刺激というか、変化を自分から与えればよかったと考えますか?)やっぱり前節のロアッソ熊本戦は負けたんですけど、内容的にいいゲームができて、やれるんだ、っていう自信もあったと思うんですけど、それが逆に過信になってしまったので、やっぱり謙虚にというか、チャレンジャーの気持ちで毎試合挑まないとこういう試合になるんだなっていうことは思いました。(それは試合後、監督からも指摘された部分ですか?)そうですね。入りが物足りなかったので、前半から、後半みたいに戦わなきゃいけないぞっていうことは言われました。(いいフィードも多かったですけど、意識してのことですか?)そうですね。熊本でも固められて、ボールを回すだけでは崩せないので、一発で逆サイドにもっていくというのは意識していたので、今日はそこはうまくいったんですけどもっと精度を上げたいです。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

高村美砂の最近の記事