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<ガンバ大阪U-23>16歳の唐山翔自の『最年少ハットトリック』も飛び出し、6−0で福島に圧勝。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

3週間ぶりのJ3リーグ戦。「これまでで一番いい練習ができた1週間だった(白井陽斗)」中で臨んだ福島ユナイテッドFC戦は、立ち上がりこそやや慌てたものの、それ以外は終始、ゲームを支配。その中で11分にFW唐山翔自が先制点を奪うと、同じ16歳のMF中村仁郎にもJ初ゴールが生まれ勢いを増す。その後も唐山がハットトリックを達成、中村が2得点と『16歳コンビ』が冴え渡り、最後は途中出場のFW白井陽斗にも待望の今季初ゴールが生まれ、6-0で圧勝した。試合後のガンバU-23監督、選手のコメントをお届けする。

●森下仁志U-23監督

今日も日曜日のナイターにもかかわらずたくさんのガンバサポーターの方に来ていただいて本当に感謝しています。

ゲームに関しては、今年一番平均年齢が若かった中で…17歳台で。今日のフィールド12人、キーパー2人で、ここ3週間、中断期間があった中で、一緒にトレーニングができたのが1つ大きいと思っていますし、そのトレーニングをやったことを、選手が、守備のところも前回の北九州さん相手に少し前節受け身になった部分があったり、攻撃のところでも自分たちから動き出さなかったり、とか、そういう部分をよく公式戦の舞台で出してくれた。やっぱり選手の能力が高いなと思いました。でも、まだまだ得点を取れる場面もありますし、勝ち点でいうと次のロアッソ熊本さんと対戦しますが、あと9試合、ギリギリ優勝争いにとどまっていると思うので、またいい準備をして、次の熊本戦に向けていい練習をしたいと思います。

ー平均年齢17.71歳で、立ち上がりこそ少しバタつきましたが、それ以外の時間帯は得点を決めた選手だけではなく、終始、全員がそれぞれの役割を全うした試合だったと感じていますが、監督はいかがですか。

前半、最初の方は福島さんがボールを動かすという意識でやられていて、サイドバックが変化してくる、っていう…これはJ1も、J2、J3もすごく多くて、その相手に対してどういう守備をするのかという意識づけをするトレーニングもしてきましたし、踏ん張るところは踏ん張る、出るところはでる、と。試合前に選手たちに言ったのは、受け身になると自分たちの良さは出ないよと。彼らは小さい頃から自分たちが主導権を握るサッカーしかしていないので、その自分たちの良さを出そうと思ったら攻守に自分たちから仕掛ける、ということをずっと言い続けてやっている中で、よくそれを体現したな、と。点の取り方も素晴らしかったし、だいぶん、ポジショニングを含めてボールが動いている間の攻守の、いかにスタートのポジショニングが大事かということも掴んで来ていると思う。まだまだ奥野耕平なんかも含めて、選ばなきゃいけない状況もありますけど、よく選べるようになってきたのかなと。これをまた次も、アウェイで熊本さん相手にできるようになればと思います。今日はよく走ったと思うし、その姿勢がないとサッカーは成立しないと思いますし、そこをもっともっと徹底して、相手より走る戦いをして、それをベースに自分たちのゴールを仕掛けるサッカーをもっともっとやって、見に来ていただいた方に、また見たいと思ってもらえるように、これは選手にもずっと言っていることですが、それを目標に頑張りたいと思います。

ー今日の相手に対して芝本選手をトップ下に置いたのはキーになったように思いますが、抜擢された理由と、中村選手は2点目の動き出しのところも良かったと思いますが、彼の評価を聞かせてください。

芝本蓮に関しては…今、海外に移籍した2人もそうだし、トップで使ってもらっている選手もそうだし、そこと同じ現象が起きていて、すごく考え方が成長して来たなと思います。姿勢が、雰囲気が変わって来て、すごく逞しくもなってきたし、そういう姿勢でプレーしているから判断もよりよくなっているのかなと。もともとテクニックはものすごくある選手で、チームのためにも走れるようにもなってきていますし。昨日、練習前にそれを思いついて、いまの彼のプレーならやれるんじゃないかと。あとは、やっぱり相手もボールをもちたいチームだったので、そこで中盤の優位性を作りたいというのと、あとは、中村もそうですけど、ボールがないところでの動き出し、ポジショニングがすごくよくなってきているので、そういう意味でも芝本をトップ下に置いたことでより優位な状況ができるという判断です。川崎も含めて前の3人は十分にやれる力がついてきている選手たちばかりなので。中村も、唐山も、なかなか複数点を取るのは簡単じゃないし、それをこのプロのレベルで16歳、17歳の選手がやれるのは、ものすごくポテンシャルが高い、と。3週間やり続けて、オフザボールの動きの身につき方もすごく早いし、言ったことがすぐに理解できるし、それをまたアクションを起こせるし。あとはシュート決める力を含めてもものすごく可能性があるんじゃないかと思っています。

●MF中村仁郎

(チームを勝たせるゴールという意味ではチームとしての2点目は特に大きかったように思います)あのゴールでチームの波もグッとあがった気がしたし、自分の得意なプレーで点を決められたのはとても自信につながりました。(右足でしたね)右足でしたけど、その前のドリブルは自分の形でできたので良かったです。右足はあまり自信がなかったので、そこで右足を出せたのはこれからのプレーの幅につながっていくと思います。(タイミングを外すための右足?あるいは咄嗟に右足が出たんですか?)咄嗟に出ました。森下さんからずっと言われていた3人目の動きができたプレーだったので、とても…嬉しかったです。(1点目決めたあと、喜び終わってからベンチに駆け寄りました)ゴールを決めるまでに、森下さんとか、宮原さんとかコーチがみんな今日のために、この3週間一緒に練習をしてくれていたので、あの人たちに感謝したいという気持ちでした。(先発で出た中では3試合目で、過去の2つは思うような結果ではなかった中で今日は納得のいく90分でしたか?)そうです。気持ち良くプレーできたし、チームメイトがみんなすごく助けてくれて、自分のプレーを出すために声を掛けてくれたり、動き出したりしてくれていたので、チームメイトに感謝しています。(ユースの選手も今日は多かった。いつもやっている仲間とやれる利点もあったと?)そうですね。自分のプレースタイルというかみんな自分の武器をわかってくれているので、そこで強く動き出したら出してくれると思って声を出していきました。(唐山選手がハットトリックをしたあと、自分で決めるという選択肢もあった中で、白井選手へのパスを出した。あの選択について)最初は自分でいこうと思ったんですが、陽斗くん(白井陽斗)も点が欲しいかなと思ってパスを出しました。自分のゴールが生まれて勝利につながったのはJ3リーグで初めてなので、一生思い出になる試合になります。嬉しかったです。

●FW白井陽斗

(ようやく待望の今季初ゴールが生まれました)良かったです。(若い選手が決めている姿を見ていて、途中から出て自分も、という気持ちだったと思いますが)正直、外から試合を見ていてめっちゃ悔しかったし、ビジョンでリプレイが流れるのを見られないくらいで…その気持ちを払拭するのは自分のゴールしかないと思っていたので、思い切って、パスを考えずに自分でいくということを考えてピッチに入りました。(シュートシーンは中村選手からいい形でパスをもらえました)はい。練習をずっとしていた形で、そのまま出たかなという感じでした。力むことなく、ボールしか見ていなくて…ゴールはほぼ見えていなかったんですけど、顔を上げた時にキーパーがいたので、とりあえず思いっきり打とうと思って、でも力を抜いて打てました。(3週間のブレイクがあった中での試合。どんな気持ちで今日の試合を迎えましたか?)今週1週間はおそらく、今年の中でも一番いい練習が全員、できていたので。公式戦にも飢えていましたし、ホームで、前回福島にも負けていたのでいつも以上に気合が入っていました。(中断期間中の練習試合では大学生に負けたりして、そういった悔しさもこの1週間につながったのでしょうか)大学生にボコボコにされて、監督からも厳しい言葉をもらったし、それもあってこの1週間はみんなの気持ちも違って今日は相手をボコボコにできたのかなって思います。でも続けることが大事だし、トップがあまりいい状態ではない中で、チャンスは転がってくると思いますし、そのためにも結果を出し続けるしかないと思っているので、とにかく続けてとれるように、練習から続けていきたいです。

●FW唐山翔自

(ハットトリックについて。Jリーグの新記録です)まさか自分がハットトリックの記録を塗り替えられると思っていなかったので、夢のような気分です。よく分からないような、そんな感じです(笑)。1点目は…アシストをくれた大串(昇平)くんとは幼稚園から一緒にサッカーをしていたので、いつも大串くんのクロスから決めるのがずっと定番の形だったので、それをJ3の舞台でできたのはすごく嬉しいです。2点目も大串くんからで…本人は狙っていなかったと言っていましたけどほんまにいいパスがきたので決めるだけでした。(GKとDFが守備に来たのをうまくかわしましたね)少し最初のドリブルをミスしたので、このままシュートまでいくのは難しいなと思ったので、時間を作ってあえてDFがくるのを待って狙い通りの形でした。3点目は…よくあるんですけど、たまたまというか(笑)。こぼれてきました。あそこにいたのも考えてやっていることではないので…よくあるんですけどそういうのは自分の長所なのかなって思います。(塚元大選手が少し前にハットトリックを決めていた。2点取ったあとよぎりましたか?)これ、あるかもなって思っていて、点を取った後にも、森下さんにも…どの点を取ったあとも「もう1点」「もう1点」とずっと言われていて、その通りだと思っていたし、点を取るほどチームを楽にできるので。点を取れるチャンスがあるなら全部とるっていうのはチームを楽にさせるために僕ができる仕事だと思っていたのでできて良かったです。ハットトリックを決めたらどんな気持ちになるんやろうなって思っていたら取れたので、夢のような気分です。(U-17日本代表としてのエクアドル遠征に向けても勢いがつきますね)選ばれたからには点を取るのが役割だと思うので、そこをしっかり見せられるように頑張りたいです。

●GK王新宇

(Jリーグ初出場について)初出場で、無失点で試合を終えることができてとても嬉しかったです。(短い時間でしたがシュートもしっかり決めました)止めてやろうという気持ちでいて…最後は失点ゼロで終わるという気持ちがすごく強かったし、普段からの積み重ねがシュートストップにつながったと思うので良かったです。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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