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<ガンバ大阪>前節に続き、ジュビロ磐田戦はアディショナルタイムに追いつかれてドロー。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

今回で3年目を迎える『ガンバEXPO2019』の対象試合とあって、パナソニックスタジアムには史上最多となる37734人が集結。最下位のジュビロ磐田との対戦に、サポーターのボルテージも最高潮に高まる中でキックオフを迎える。前半15分で相手のFWルキアンがこの日2枚目となるイエローカードで退場になり数的優位に立ったガンバは前半、終了間際にMF小野瀬康介のゴールが生まれ先制点を奪う。その後も引いてブロックを固めた磐田に対してボールを持つ展開が長く続くも、攻撃にいまひとつ工夫が見られず単調な展開に。1−0で進む中、5分と表示されたアディショナルタイムに相手にPKを献上し、それをFW中山仁斗に決められて引き分けで終了。前節に続き、勝利目前で勝ち点2を逃す結果となった。試合後のガンバ監督、選手のコメントをお届けする。

●宮本恒靖監督

ー何試合か最後追いつかれる展開が続いていますが、監督は追加点が奪えなかったことが大きな問題だと考えるのか、守り切れないという現状が問題だと思いますか。

両方だと思います。相手が一人少ない中で長い間、プレーした、そして、相手ゴールに迫る時間帯もあった中で、2点目、3点目を取るチャンスもあったと思うし、試合の残り1〜2分になったところでの試合の終わらせ方というところも要因としてはあると思うので、両方があると思います。

ー試合の終わらせ方について、前の試合から選手に伝えられたことはどういうことだったのでしょうか。

ラインを下げ過ぎないとか、ボールへのプレッシャーだったり、奪ったボールを相手のサイドの高い位置、深い位置に持っていくことだったり。当然のところですが、再確認したところもあります。

ー宇佐美選手やパトリックの選手のゴールが決まっていれば、というところもあったと思いますが、磐田がパワープレーしかない状況で、システムを5−4−1に変えた狙いを聞かせてください。

相手のサイドに対して少しボールを運ばれるシーンがあったので、そこに蓋をする狙いもありましたし、こぼれ球を中央で、1枚ではなく2枚で拾おうという話もして、あとはベンチの選手の特徴だったり、というところで、宇佐美も少し疲れが見えたところもありましたし、そういった理由でシステムを変えました。

●MF遠藤保仁

時間を最後使うのか、決め切るか、最後攻めた瑠(高尾)の選択は悪くなかったと思いますし、ただ、全体を通してもう少し相手を走らせるような形を取れればよかったと思います。前半は少し単調なクロスが多くなってしまったので。結果的に1点はアーリークロスの流れみたいな感じですけど、ボックス付近でもう少し冷静に、縦と横にボールを出し入れしながら、相手を疲れさせるというようなゲーム運びを…特に夏場なのでバテてくると思うので、効果的だと思いますし、クロスの精度が上がればまたそれも1点にはなるんでしょうけど…まあ、いい教訓にはなったと思います。引いた相手への難しさは毎試合感じるところで、ましてや相手が10人になったことでの難しさもありましたが、全体的には勝ち点3を取らなければいけないゲームだったと思います。(最後パワープレーするのか守るのか、どういう理解だったのでしょうか)できればクリアボールだったりも数的優位だからこそマイボールにしながら時間を進められたらよかったですけど、前もパトリックしかいない状況で…もっと時間をどんどん使っていくようなボール回しなどは、どういう形であれやっていければいいと思います。(天皇杯を含めてもうまくいかない試合が続いていると思いますがいちばんの理由は?)結果的に最後の最後に取ったり、取られたりなので印象は悪いと思いますけど今日もボールは支配していたし、決定機もありましたし、引き分けが続いていますけどいい部分もたくさんあるので、雰囲気はみんなで変えて行くべきだし、勝たなきゃいけない試合を引き分けに終わることが続いていますが、粘り強くやって行くしかないと思う。勝っているときはしっかりとアグレッシブに終わらせ、負けている展開ならアグレッシブに行くという当たり前のことを、当たり前にやっていくしかない。(時間帯による進め方はできていますか?)今日ならしっかり終わらせるというシステムになっていたので、全員がそう思っていたとは思いますが、結果的に追いつかれたのは事実なので。そこはしっかり反省してまたやっていきます。(個人的にリーグ戦は約3ヶ月ぶりのフル出場でしたがコンディションとしては?)コンディションは悪くなかったです。相手が10人になってからは引いていたので、大きなリスクはとらずにバランスだけを見てやっていましたし負荷もそこまでかからなかったので。

●MF鈴木雄斗

(リーグ戦初先発でしたが個人的にはどう振り返りますか?)個人のところでは、パトリックが前線にいたのでクロスをあげようという意識はあったんですが、低いクロスが多くなってしまって、そこの質が良ければゴールに繋がったかもしれないし、チャンス自体はあっただけに、反省したい。チームとしては最近の試合の終わらせ方のところで悔やまれるというか、もったいない結果になってしまったので、また練習からしっかり意思の疎通をしてやっていきたい。(少し攻撃が単調にも見えました)相手に退場者も出て、相手が引いてきたので、中のブロックが堅くなっていたと思うので、もう少しそのブロックを引き出すためにももう少し長い距離のシュートが必要だったとは思います。またサイドからというのも悪くはなかったと思うんですけど、あとは質の部分だと思います。(こういう試合を勝ち切れないとチームとしても乗っていけない)2点目が取れれば、だと思うし、そこは複数得点を取らないとこういう展開にもなってしまう。ただいい勉強にはなったと思います。最後の終わらせ方のところも含めて。でもみんなこういう経験も初めてじゃないはずなので。経験もあるしみんなで乗り越えていきたい。(最後、守備にかかり過ぎたかなという気もしますが)いろんな要因があると思います。点を取って勝っている状況で、相手も前に早い選手が出てきたりもして、なかなか前に出づらくなったところもありますし、ただ、そこを出て行くことによって相手のパワーを下げられるところもあるので…そこは駆け引きだと思うんですけど、そういうことがこの結果に繋がったのかなと。ただやっぱりそれ以上に2点目を取れるチャンスもあったので、自分も含めてもっと質を上げたいと思います。(個人的には移籍後初めてJ1リーグをフルで戦えたのは収穫ですか?)ただ、勝たなきゃ意味がないので、本当に勝ちに貢献しないとここにきた意味がないと思うのでまたしっかり頑張ります。

●FWパトリック

(数的優位の中攻勢には試合が続きましたが、1点にとどまった。そこのアイデアは何が足りなかったと思いますか?)やっぱり相手が一人少なくなってから中を締めるということを意識され、その中で自分たちもゴールを取りに行く姿勢はみせたけど、少し単純にクロスを中に放り込む状況が増えてしまった。もう少し賢くサイドから攻めることができたはずですし、逆にその中でもチャンスがいくつかあったんですが、そこを僕も含めて自分たちが決め切れなかったことでチームを苦しい状況にさせてしまったのかなと思います。(最後のゴールシーンも悔やまれますか?)今日は夜、眠れないと思います。最後の場面もそうですが自分が一番得意としているヘディング、しかも一番得意としている状況でボールが入ってきたのに決め切れなかったので。自分自身もあそこで決め切れなかったことを未だに理解できていないような状態です。(勝ち切れない試合が続いている。何が足りないと感じていますか?)前だけのところでいうと、ラストパスのクオリティをあげるとか、チャンスをチームとして多く作ることや、チャンスが来た時に生かし切るというところを、もう一度トレーニングをし直して、この状況は自分たちじゃないと改善することはできないと思うのでまたきっちりとトレーニングに取り組みたいと思います。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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