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<ガンバ大阪U-23>いわてグルージャ盛岡戦は1−2で敗戦。

高村美砂フリーランス・スポーツライター

ホームにいわてグルージャ盛岡を迎えてのJ3リーグ15節。敵チームには昨年までガンバ大阪の一員としてプレーした嫁坂翔太がボランチで先発を飾る。立ち上がりからどことなく覇気がなく、球際の迫力を含めて勢いの感じられない展開に。そんな中で27分には直接FKを決められ先制を許す。0−1で折り返した後半も、ゴール前を固められた相手に攻めてを欠く中、74分に再びセットプレーからゴールを許し、2点目を失う。終盤にはスルーパスに反応したMF奥野耕平がペナルティエリア内で倒されてPKのチャンスを得るとエースFW高木彰人が決めて1点を返す。だがそれ以上のゴールは奪えず、1−2で敗れた。試合後のガンバU-23監督、選手のコメントをお届けする。

●森下仁志U-23監督

ゲームに関しては、観に来ていただいた方に申し訳ないの一言だけです。何も生み出せず、隙を与えて得点を許してしまった。ユースの何人かの選手はよくやっていると思いますが、プロの選手に関してはやっぱりまだ本当の意味で、どのチームで、どこを目指しているチームで何を背負ってプレーしているのか、本当に理解していない選手が、ただいい環境だけを与えられてやっている、と。それが今日の1つ1つのプレーに表れていたのかなと思います。仕事をしながら、もうひと花、ふた花咲かせようと思って一生懸命やっている相手には、到底、そういう気持ちでは叶わないなと。サッカー云々だけじゃなくて俗にいう攻守においての球際、その辺のゆるさ、ボールがないところでの準備のゆるさ、山口含めて情けないパフォーマンス。そうでなくても人数が少ないのに、プランを変更せざるを得ない状況でこれは僕の個人の意見ですが、もう一度、彼らの環境を含めて考え直さなければいけないと思っています。

ー山口選手、スタートから試合に入れていないなという印象がありました。前半のうちに交代になりましたが、言葉はかけられたのでしょうか。

いえ、全く。あれでもだいぶ、我慢しましたから。いいものは持っていると思いますが、サッカーは自分の足より間違いなくボールの方が早いので、そこを本当に自分がやろうとするのか、自分の能力だけでやるのか、そこは彼が、今年あと半年の勝負どころだと思っています。

ー攻撃ですが、相手に9人で引かれた状況もありましたが、なかなか崩しのアイデアがなかったなという風にも感じました。

結局、ここ2連勝していた中で、プロの選手は全員スタートに立っていると。じゃあ立っていないのは川崎修平と塚元大だけですけど彼ら二人がいないと何も起こせない、と。そういう現状だと思います。

ーゆるさとおっしゃいましたが、それは2連勝した結果として出て来たのでしょうか。

2連勝しているのもあるかもしれないし、最初にパッと組んだ段階で何かを感じたのか…でも攻撃にしても前半、何回かチャンスがあった中で最後、中途半端な終わり方をしていたりとか、やっぱりああいうことをしていると、その失点の直前に松田陸と芝本蓮に声をかけましたが、やっぱりきっちりとやられてしまうし。そのへんが、彼らは何かに守られていると思っているのか、あとがないという風には見えないですね。そこは本当にクラブ全体で考えないと。結果、今、トップの試合が始まりましたけど(アウェイでのJ1リーグ・FC東京戦)、やろうとしているやつ、結果、やろうとしている選手、変わろうとしている選手、やり続けている選手は、結果、J3のスタートから5人、トップにあがってるわけで、彼らはポジションをとっている中で、同じ年代のやつがやっているわけで、何がその差なのか。食野亮太郎は間違いなく生活も変わっているし、中村敬斗もそうだし、やっぱりサッカーで生きていくんだっていう気持ちというか、ガンバのエンブレムにあぐらをかいているだけで、トップチームが必死に戦って、お客さんに来て頂いて、自分たちがそのお金をもらっていると、今日の試合ももちろんですが、そういうことが全く身についていない。そう思います。

●FW高木彰人

攻撃の部分に関しては、相手が引いてきた中でスペースがなくても体の向きだったり、ちょっとでもスペースがあるので、誰かが裏に抜けたり、っていうダイナミックさというか、全体的に動きが少なくて止まっていたことが多くてなかなか崩しきれなかった原因の1つだと思います。守備は流れの中で失点はしていないので。もっとやらなければいけないですけど、そこは引き続き、継続して、セットプレーのところはもっとみんなが集中して…相手がセットプレーが得意っていうのはわかっていたので、高さがない分もっと声を出してやらなくちゃいけなかった。あとその前にもっとファウルを減らさなければいけないのもあります。ファウルになったのは仕方ないので、そのあとしっかり声を出し合ってやればこれまでも守れて来ているので。急に相手がめちゃめちゃうまいとか、強くなったわけではなくて、今までのJ3の相手でもうちがセットプレーの高さがないことは研究されながらもやられていなかったので。そういうところをやっていけば失点しないということはわかっていたはずなので、そこはもっとコミュニケーションをとってやっていきたいです。(PKについて)この間外しているので、週明けからもう一度PKのチャンスがあったら「俺に蹴らせて欲しい」ということは言っていたので。それで外したら今年はもう蹴らないと、連続で外したら蹴らないと自分にプレッシャーをかけていたので、それくらいの気持ちで蹴りました。なので決まったのは良かったですけど、流れの中で決めたかったというのが一番あるので。1本はバーに当たったりしましたけど、ああいうところで、決めきれるように、流れの中でもっと動きとか考えてやっていきたいです。(PKのシーン、蹴る瞬間にコースを変えました?)いや、右を見せて左に蹴ろうと思っていました。おそらく僕はこの間右に決めているのも、外しているのも知っていると思ったので。

フリーランス・スポーツライター

雑誌社勤務を経て、98年よりフリーライターに。現在は、関西サッカー界を中心に活動する。ガンバ大阪やヴィッセル神戸の取材がメイン。著書『ガンバ大阪30年のものがたり』。

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